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COVID-19の疫学 2020.12

  • 感染症科

  • 感染症科
  • COVID-19

27,565

6

2020/12/12
2020/12/12 更新

本スライドの対象者

研修医/専攻医

内容

1. 日本と世界の発生状況

2. 第1波と第2波の違い(ゲノム配列も含めて)

3. インフルエンザとどちらが危険か

について解説しています。

黒田浩一

神戸市立医療センター中央市民病院


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COVID-19の疫学 2020.12

  1. COVID-192020.12 UPDATE 神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科 黒田浩一 COVID-19の疫学

  2. COVID-19の疫学 1. 日本と世界の発生状況 2. 第1波と第2波の違い(ゲノム配列も含めて) 3. インフルエンザとどちらが危険か

  3. COVID-19の疫学:日本での感染者数 厚生労働省website. 国内の発生状況など 2020年12月11日時点 感染者 171,542名 死亡者 2,052名

  4. COVID-19の疫学:兵庫県・神戸市 https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf16/coronavirus_data.html https://www.city.kobe.lg.jp/a73576/kenko/health/infection/protection/covid_19.html 兵庫県:11月後半から高齢者の感染者が増加 神戸市:11月後半から急増 おそらく県全域でCOVID-19患者の入院調整が追い付いていない状態(2020.12.11)

  5. COVID-19の疫学:年代別感染者数と比率 2020年8月19日時点のdata https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13190.html https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-japan-chart/

  6. 2020年11月広範から高齢患者が割合増加

  7. COVID-19の疫学:年代別死亡数・致死率 2020年8月19日時点のdata https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13190.html 致死率 :年齢階級別みた死亡者数の陽性者数に対する割合 全体で1.9% 40歳未満は致死率ほぼ0% 死亡者のほとんどは60歳以上 年齢が上昇するとともに致死率も上昇

  8. 当院での年代別致死率(~2020.9) %

  9. COVID-19:世界での発生数・死亡数 WHO website 2020.12.11 access https://covid19.who.int/?gclid=Cj0KCQjwqrb7BRDlARIsACwGad6m6Te6l9fzM9jhdc9oiz1h9TqTfW5SYxnQe3SJ4GmoblbGRxVcAi0aAuD4EALw_wcB 2020年12月 発生数:50-60万人/日 死亡数:約10000人/日

  10. COVID-19:世界の地域別発生数 WHO website 2020.12.11 access https://covid19.who.int/?gclid=Cj0KCQjwqrb7BRDlARIsACwGad6m6Te6l9fzM9jhdc9oiz1h9TqTfW5SYxnQe3SJ4GmoblbGRxVcAi0aAuD4EALw_wcB

  11. COVID-19:世界の地域別死亡数 WHO website 2020.12.11 access https://covid19.who.int/?gclid=Cj0KCQjwqrb7BRDlARIsACwGad6m6Te6l9fzM9jhdc9oiz1h9TqTfW5SYxnQe3SJ4GmoblbGRxVcAi0aAuD4EALw_wcB

  12. 第1波と第2波の違いは? 第1波:~2020年5月 第2波:2020年6月~

  13. 遺伝子(ゲノム配列)の分析 SARS-CoV-2は、変異を繰り返している 24.1塩基変異/ゲノム/年(1年間で24.1か所)と推定 SARS-CoV-2ゲノム配列を確定・塩基変異を抽出し、ウイルス株の親子関係を示すハプロタイプ・ネットワークを作成することによって、流行している株の由来が推定できる https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/467-genome/9787-genome-2020-2.html

  14. 日本各地の初期クラスター :中国武漢由来(1-2月) 3月中旬以降の流行株 :欧州系統 https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/467-genome/9586-genome-2020-1.html

  15. https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/467-genome/9787-genome-2020-2.html

  16. 遺伝子変異によって病原性は変わりうる シンガポールからの報告 382-nucleotide deletionを認めるSARS-CoV-2は、呼吸不全に至るリスク(重症化リスク)が低かった Lancet. 2020;396(10251):603-611.

  17. 感染伝播リスクが高い株の報告(動物実験) Science. 2020 Nov 12:eabe8499. doi: 10.1126/science.abe8499.

  18. レムデシビル投与後の遺伝子変異 レムデシビルは、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRP)を阻害することによって効果を発揮 レムデシビル投与後に血中から検出されたSARS-CoV-2は、RdRP遺伝子上に点突然変異を認めた(D484Y):現時点で臨床的意義は不明 Clin Infect Dis. 2020 Sep 28;ciaa1474. doi: 10.1093/cid/ciaa1474.

  19. ミンクに由来する新型コロナウイルスの変異株のヒト感染例(デンマーク)  “cluster 5” 変異株(スパイク蛋白に3つのアミノ酸の変化と2つの欠損を認める)がミンクと12人のヒトの症例の両方で同定された  臨床経過、重症度、感染伝播は、従来の株と同様  “cluster 5”変異株は、中和抗体に対する感受性が中程度に低下している→この変異株は抗体治療やワクチンに対する反応性が低い可能性があることを示唆しているが、現時点で臨床的意義は不明である https://www.who.int/csr/don/06-november-2020-mink-associated-sars-cov2-denmark/en/ [2020.11.6 WHO. Emergencies preparedness, response.] https://www.nature.com/articles/d41586-020-03218-z 写真:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66399990Z11C20A1000000/

  20. 第2波は致命率が低い可能性がある Transbound Emerg Dis. 2020 Sep 6. doi: 10.1111/tbed.13819. 日本のCFR(case fatality rate)は約80%減少

  21. 日本のCOVID-19レジストリ中間解析 第2波では、全年齢層において致命率が低下した

  22. 米国ヒューストンの入院患者でも... 第2波で入院したCOVID-19患者 :入院患者数は増加 ・若年者の割合が多い ・ICU入室者の割合が小さい ・全体の致命率は低下 ・ICU入室患者の致命率は同等 JAMA. 2020;324(10):998-1000.

  23. 第2波の致命率が低い理由(推測) 検査能力が向上して - 軽症患者や無症状患者を診断できるようになった - 早期診断・早期治療(特に重症患者)が可能となった 重症患者の呼吸管理の適正化(例:過剰に気管挿管をしない) 若年者の感染者の増加 重症化高リスク群(高齢者など)の活動自粛 ウイルスの毒性低下?感染力増大?

  24. COIVD-19とインフルエンザどちらが危険? よく比較されています

  25. COVID-19とインフルエンザの違い 感染伝播スピード(潜伏期間・serial interval)が違う  serial interval:COVID-19(5-6日) vs インフルエンザ(3日) 基本再生産数が違う  COVID-19(2-2.5) vs インフルエンザ(1.7:2009年pandemic) 感染伝播における小児の役割が違う  COVID-19(主に成人→小児へ感染) vs インフルエンザ(小児から拡がりやすい) COVID-19は、重症化率が高い(症状出現した場合)  15%が酸素投与必要、5%が人工呼吸器必要 WHO website:https://www.who.int/westernpacific/news/q-a-detail/q-a-similarities-and-differences-covid-19-and-influenza Lancet Infect Dis. 2020;20(9):e238-e244.

  26. 致死率の比較は難しい(COVID-19 vs Flu) 2つの感染症の報告システムの差  COVID-19の死亡は全数報告、インフルエンザの死亡は推定値 COVID-19による死亡者数は、検査能力の制限や検査偽陰性によって、過小評価される可能性がある case fatality ratio:診断された患者数が分母  COVID-19:軽症例、無症候感染者の多くは診断されない(診断例の10倍以上)1)  インフルエンザ:無症候感染者は、10-16%?85%? 2,3) infection fatality ratio:感染者が分母 WHO website:https://www.who.int/news-room/commentaries/detail/estimating-mortality-from-covid-19 JAMA Intern Med. 2020;180(8):1045-1046 1) Lancet. 2020;396(10247):313-319 2) Epidemiology. 2015;26(6):862-72 3) Clin Infect Dis. 2016;62(4):431-437.

  27. COVID-19の致死率(IFR)は? infection fatality ratio(IFR):0.5%-1.0% 1,3-5) 高齢者施設の住民を除外した研究でのIFR:0.26% 7) 12-40歳 0.01%、40-59歳 0.12%、60歳以上 1.71%

  28. COVID-19とインフルエンザの比較 COVID-19のcase fatality ratio(CFR):1.2~4% 1-3) COVID-19のinfection fatality ratio(IFR):0.5-1.0% インフルエンザのIFR  米国CDCの推定値は、0.10-0.13%程度 4)   COVID-19:5-10倍のIFR 1) https://www.who.int/westernpacific/news/q-a-detail/q-a-similarities-and-differences-covid-19-and-influenza. 2) Euro Surveill. 2020 Mar;25(12):2000256.       3) JAMA. 2020;323(13):1239-1242 4) https://www.cdc.gov/flu/about/burden/index.html

  29. COVID-19とインフルエンザの比較 有症状のCOVID-19は インフルエンザ(2009 pandemic)と比較して - 入院率が高い - ICU入室率は、5-6倍 - 今回のpandemicで、米国やイタリアではICUが不足! JAMA Intern Med. 2020;180(8):1045-1046. Lancet Infect Dis. 2020;20(9):e238-e244.

  30. スペインかぜ(1918 H1N1)とCOVID-19 2020.3.11-5.11のNYでのCOVID-19の流行は、スペイン風邪(1918 H1N1)に匹敵する可能性がある 超過死亡の絶対値はスペイン風邪のほうが大きいが、前数年と比較した相対的な増加は、COVID-19のほうが大きい JAMA Netw Open. 2020 Aug 3;3(8):e2017527. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2020.17527.

  31. 2019/2020インフルエンザの流行は早期に収束 国立感染症研究所:https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map/130-flu-10year.html

  32. 2020年のオーストラリアの冬は...激減! 2020.3.20 渡航禁止, 3.23 ロックダウン, 5月中旬以降は緩和と制限を繰り返している

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