Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

ログイン

アプリだとスライドの中のお気に入りの1ページを保存できます

インストール

1/281

コロナ時代の感染対策(2022年8月版)

  • 感染症科

  • 新型コロナウイルス感染症
  • COVID-19
  • 感染対策

137,578

68

2022/1/7
2022/9/2 更新

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医/専門医

内容

コロナ時代の感染対策を、2022年8月時点での知見に基づいて作成しました。以前のものから、COVID-19ワクチンの4回目接種、オミクロン対応ワクチン、小児に対するワクチンのevidenceなどについて追記しています。なお、このスライドは、作者が個人的に作成したもので、所属施設の見解を代表したものではありません。

黒田浩一

神戸市立医療センター中央市民病院


黒田浩一さんの他の投稿スライド

市中肺炎診療の考え方 ウィズコロナ時代

#市中肺炎 #感染症 #COVID-19

102

404,036

最終更新:2020年12月12日

COVID-19 診断・治療・感染対策

#感染症科 #感染症 #新型コロナウイルス感染症 #COVID-19

176

917,229

最終更新:2020年11月16日

COVID-19治療 アップデート 2022年11月版

#ステロイド #COVID-19 #レムデシビル #コロナ #ソトロビマブ #モルヌピラビル #ニルマトレルビル・リトナビル #デキサメタゾン

268

418,662

最終更新:2022年11月5日

もっと見る



診療科ごとのスライド

内科(301)

消化器内科(48)

循環器内科(69)

呼吸器内科(70)

血液内科(29)

糖尿病内分泌代謝内科(41)

腎臓内科(23)

アレ膠リウマチ内科(24)

脳神経内科(86)

総合診療科(112)

救急科(315)

外科(29)

消化器外科(2)

呼吸器外科(1)

乳腺外科(0)

整形外科(73)

脳神経外科(13)

泌尿器科(21)

形成外科(15)

皮膚科(23)

眼科(17)

耳鼻咽喉科(12)

歯科口腔外科(8)

リハビリテーション科(7)

心臓血管外科(3)

小児科(37)

産婦人科(43)

精神科(57)

放射線科(44)

麻酔科(12)

緩和ケア科(20)

感染症科(174)

産業医(6)

初期研修医(259)

その他(260)


コロナ時代の感染対策(2022年8月版)

  1. コロナ時代の感染対策2022年8月版 神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科 黒田浩一 2022.8.30作成

  2. 本日の内容 新型コロナウイルスの基本事項 変異株について(主にオミクロン) ウィズコロナ時代の院内感染対策 病院職員に対するCOVID-19ワクチン COVID-19病棟での感染対策 ウィズコロナ時代の病院外での感染対策

  3. 新型コロナウイルス基本事項

  4. このsectionの内容 用語の確認 どんな時にCOVID-19を疑う? 早期に検査・診断すべき理由 特に早期に診断すべき患者群 診断のための検査

  5. 用語の確認 新型コロナウイルス =severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2)  新型コロナウイルス感染症 =coronavirus disease 2019 (COVID-19)   5

  6. 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第3版 ワクチン開始前

  7. 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第3版 98-99% 1~2% 2022.7現在 ・ワクチン ・オミクロン

  8. どんな時にCOVID-19を疑う? 症状(嗅覚・味覚障害 ± 発熱 or 気道症状) 症状(発熱 or 気道症状)+曝露歴 症状(発熱 or 気道症状) +高リスクの行動歴 症状(発熱 or 気道症状) +流行期 肺炎(主にスリガラス影)

  9. 早期に検査・診断すべき理由 発症早期に検査を行ったほうが感度が高い 重症化リスクの高い患者に、重症化を予防する治療を行うため(発症から5-7日以内に投与する必要あり) 早期に感染対策を開始するため(隔離、徹底した手洗い、マスク着用、環境消毒など)

  10. 特に早期に診断すべき患者群 重症化リスク・死亡リスクが高い 重症化リスク・死亡リスクが高い群と同居している 医療従事者 介護従事者

  11. 重症化・死亡リスク

  12. COVID-19は高齢であるほど入院・死亡のリスクが増加する CDC:https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/covid-data/investigations-discovery/hospitalization-death-by-age.html

  13. 診断のための検査 SARS-CoV-2 PCR検査 SARS-CoV-2 抗原検査(定性・定量) SARS-CoV-2抗体検査 血液検査 画像検査:胸部レントゲン、胸部CT 培養検査:血液培養、喀痰培養

  14. 変異株について(主にオミクロン)

  15. このsectionの内容 変異株(variant)とは オミクロンとは? 各亜系統について -2022年3月以降の状況- - オミクロン:第6波の原因となった - オミクロンBA.1の特徴のまとめ - 高い感染伝播性 - 短い潜伏期間 - 重症度(入院・死亡)はデルタより低い - 中和抗体薬の効果の低下 - 変異株の変遷(BA.2→BA.5) - BA.2系統:2022年3月~ - XE系統の出現、その後の増加なし - 続々と登場 - BA.4/BA.5系統 - BA.2.75系統(インド)

  16. 変異株(variant)とは?

  17. 変異株 variant とは 世界的に問題となっている変異株は、ウイルスのスパイク蛋白をコードする遺伝子の変異によって、アミノ酸配列が変化し、ウイルスタンパクの性質に変化(感染・伝播性の増加や抗原性の変化)がみられているものである VOC=Variants of concern(懸念される変異株):感染性増加、病原性の増加、臨床疾患像の変化、公衆衛生や社会的措置または利用可能な診断方法・ワクチン・治療薬の有効性の低下、等に関連する世界的に公衆衛生上重要なvariantのこと

  18. 補足:variantの日本語訳 Variant:「変異体」、「変異株」、「バリアント」 Strain:「株」、「系統」(動物ウイルスでは「株」が使用される場合が多い) Lineage:「系譜」、「系統」、「リネージ」(動物ウイルスでは「系統」が使用される場合が多い) Clade:「クレード」、「系統群」、「分岐群」 「strain、variant、lineage、clade」の訳語について. https://www.kansensho.or.jp/modules/news/index.php?content_id=362

  19. 名称変更の提案(国名を入れない) WHO(2021.5.31):https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/

  20. 現在流行中のVOCはオミクロン WHO(2022.7.10):https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/

  21. オミクロンとは?

  22. オミクロン:第6-7波の原因 https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/entire/ [2022.8.25最終アクセス] α δ ο 2021.2.17- 医療従事者に接種開始 2021.3- アルファの流行 2021.4.12- 高齢者への接種開始 2021.6- デルタの流行 2022.1- オミクロン流行BA.1 2022.3- オミクロン流行BA.2 2022.7- オミクロン流行BA.5 第7波

  23. 神戸市のここ1年の新規感染者の推移 神戸市website:https://www.city.kobe.lg.jp/a73576/kenko/health/infection/protection/covid_19.html 第5波 第6波 第7波

  24. オミクロン(B.1.1.529系統)の歴史 2021年11月24日:南アフリカではじめて報告された 2021年11月26日:WHOがOmicronと命名し、VOCに位置づけた 2021年11月26日:国立感染症研究所がVOIに位置づけた 2021年11月28日:国立感染症研究所がVOCに位置づけた 12月以降、欧州・米国などを中心し、世界中に拡がった SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html

  25. オミクロン:日本上陸 日本でのオミクロン:最初の2例がCIDに報告された ナミビアからの帰国者(30歳台男性):11/28に発症  2021.7.30にモデルナワクチン2回目接種、既往歴なし ペルーからの帰国者(20歳台男性):11/28に発症  2021.10初旬にファイザーワクチン2回目接種、既往歴なし 診断時点で、この2か国で報告例はなかった(pandemic時の教訓的内容) Clin Infect Dis. 2022 Jan 3;ciab1072. doi: 10.1093/cid/ciab1072.

  26. 基準株と比較して、スパイク蛋白に30か所程度のアミノ酸置換を有し、3か所の小欠損と1か所の挿入部位をもつ 主な変異:N501Y、E484A、G142D、G339D、S371L、S373P、S375F、S477N、T478K、Q493K、G496S、Q498R、Y505H 、P681H 感染伝播性   ワクチン効果   モノクローナル抗体の効果 SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html オミクロンBA.1のアミノ酸置換

  27. オミクロンの下位系統 B.1.1.529系統 - BA.1系統:2022年3月まで主流、下位にBA.1.1系統もある - BA.2系統:3月下旬以降主流となった - その後、BA.2.12.1系統、BA.4/BA.5系統などが増加 BA.1とBA.2は、L452Rは陰性(デルタ・BA.4/5は陽性) S gene target failure(SGTF)は、BA.1・BA.4/5 SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第7報)(2022.1.26) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10945-sars-cov-2-b-1-1-529-7.html https://www.nicd.ac.za/omicron-lineages-ba-4-and-ba-5-faq/ [最終アクセス2022.7.10]

  28. オミクロンBA.1の特徴のまとめ 感染伝播性がデルタより2~3倍高く、倍加時間・世代時間・発症間隔・潜伏期間(約3日)がデルタより短い→急速に感染が拡大しやすい 入院リスク・死亡リスクは、デルタより低い(30-50%程度) 症状は、咽頭痛が多く、味覚嗅覚障害が少ない。肺炎は少ない。 カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ®:抗体カクテル療法)が無効である mRNAワクチン2回接種による感染予防効果は、デルタの場合より低く、2回目接種2か月後以降急速に減衰する。重症化予防効果は6か月程度は期待できるが、デルタと比較すると低い。booster接種によって効果は再上昇するが、2か月以降で、効果は減衰する。

  29. 主に南アフリカ・英国・デンマークなどのデータから 感染伝播性が高いことは確実(デルタの2-3倍?) - 実効再生産数・家族内2次感染率が高い - 倍加時間の短縮(英国では1.5日、1月中旬の東京・大阪 約2日) ※世代時間(ある患者が感染してから二次感染を起こすまでの時間)・発症間隔や潜伏期間がデルタ株より短縮している可能性が指摘されている(日本のデータでは、発症間隔2.6日、95%が0.7-4.9日) ※感染様式の変化は確認されていない SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html J Med Virol. 2021 Dec 30. doi: 10.1002/jmv.27560. SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の発症間隔の推定:暫定報告(2022.1.31) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10952-b11529-si.html 高い感染伝播性 JAMA. 2022 Jan 24. doi: 10.1001/jama.2022.0262.

  30. 短い潜伏期間 実地疫学調査および新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS) のデータを用いて潜伏期間の推定を行ったところ... 実地疫学調査:中央値は2.9日(95%信頼区間:2.6-3.2)、99%が曝露から6.7日以内に発症 HER-SYSのデータ:アルファの中央値は3.4日(95%信頼区間:3.3-3.6)、オミクロンは2.9日(95%信頼区間:2.5-3.2)。オミクロンでは、感染から95%・99%が発症するまでの日数は7.1日・9.7日 SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告(2022.1.13). https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10903-b11529-period.html

  31. 重症度・入院・死亡への影響(観察研究のみ) 南アフリカでは - デルタと比較して、入院オッズ 0.2(2.4% vs 12.8%) - 入院患者の重症化(呼吸不全)オッズ 0.3 英国のデータだと、入院・死亡リスクはデルタの50%未満 SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html 重症度(入院・死亡)はデルタより低い Lancet. 2022;399(10323):437-446. doi: 10.1016/S0140-6736(22)00017-4.

  32. 英国での検討では... ワクチン非接種者25%、感染既往あり7%の集団 - オミクロンはデルタより  入院リスク 約40% (ただし10歳未満は同等)  死亡リスク 約30% ワクチン非接種者に限定すると  入院リスク約30%、死亡リスク20% https://doi.org/10.1016/S0140-6736(22)00514-1

  33. オミクロンの重症度が低い理由 ウイルスそのものの特性 - 肺炎を起こす頻度・重症度が低い ワクチン接種率が高い状況で流行した 既感染率が高い状況で流行した(南アフリカ/英国) 2022年1-2月は、主に若年者で流行したため

  34. それほど入院リスクは低くない? ワクチン接種なし・感染の既往なしの場合 (診断されていない感染の既往も調整すると) - 入院リスクはデルタの約75% - 入院リスクはアルファと同等 N Engl J Med. 2022 Feb 17;386(7):e14. doi: 10.1056/NEJMp2119682. Ferguson N, Ghani A, Hinsley W, Volz E. Report 50: hospitalisation risk for Omicron cases in England. Imperial College London, December 22, 2021 (https://www.imperial.ac.uk/media/imperial-college/medicine/mrc-gida/2021-12-22-COVID19-Report-50.pdf.).

  35. 中和抗体薬の効果の低下 日本で2022.7現在使用可能な抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体(中和抗体薬)は... - カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ®) - ソトロビマブ(ゼビュディ®) ロナプリーブ®のBA.1に対する中和活性は著明に低下 ゼビュディ®はBA.1では中和活性維持、BA.2では効果低下

  36. 各亜系統について-2022年3月以降の状況-

  37. 変異株の変遷(BA.2→BA.5) BA.2系統への置換(2022年3月~) BA.2系統の特徴 BA.4/BA.5系統 BA.2.75系統

  38. BA.2系統:2022年3月~ 2022年2月時点で、デンマーク・英国・南アフリカで増加 2022年3月下旬以降、日本でも増加傾向となり主流となった 実効再生産数:BA.1の1.18-1.4倍 世帯内2次感染率は、BA.1より高い可能性がある(39% vs 29%) 発症間隔は、BA.1より短い可能性がある(2.7日 vs 3.3日) mRNAワクチンの効果は、BA.1と同等 ソトロビマブの効果が期待できない 入院リスク・重症化リスクと死亡リスクは、BA.1とほぼ同等 Cell. 2022 Jun 9;185(12):2103-2115.e19. doi: 10.1016/j.cell.2022.04.035. SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第8報)(2022.2.16)[accessed on 3/3/2022] medRxiv 2022.02.17.22271030; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.17.22271030 [accessed on 3/3/2022] SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England Technical briefing 38 (11 March 2022)

  39. 実効再生産数:BA.1の1.18-1.4倍 鼻粘膜で増殖しやすい 診断時のCt値(鼻咽頭or咽頭ぬぐい液)が、BA.2より3.5低い(ウイルス量多い) BA.1に感染した後に、BA.2に感染する可能性は稀だがありえる(20~60日後)  47例報告:入院例なし、ほとんどが20歳未満(70%)、90%がワクチン未接種だった(デンマーク) ソトロビマブの効果が低下している https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000888040.pdf (2022/1/26) bioRxiv 2022.02.14.480335; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.14.480335 medRxiv 2022.03.10.22272177; doi:https://doi.org/10.1101/2022.03.10.22272177 medRxiv 2022.02.19.22271112; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.19.22271112 bioRxiv 2022.02.07.479306; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.07.479306 bioRxiv 2022.02.14.480335; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.14.480335 BA.2系統:2022年3月~ medRxiv 2022.03.02.22271771; doi: https://doi.org/10.1101/2022.03.02.22271771 Cell. 2022 Jun 9;185(12):2103-2115.e19. doi: 10.1016/j.cell.2022.04.035.

  40. 神戸市:2022年3月下旬時点でBA.2が約50%を占めていた 東京都では4月1日時点で83%がBA.2と推定された(第78回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料より) 讀賣新聞オンライン(https://www.yomiuri.co.jp/national/20220331-OYT1T50251/) 2022年4月以降 ほぼBA.2に置き換わった

  41. XE系統の出現、その後の増加なし BA.1とBA.2の組換え体(recombinant) ほとんどの部分がBA.2で、一部がBA.1と入れ換わったもの 2022.1.19に英国で初めて発見された 2022.3.29までに約600例が英国で報告された、ただしその後増加なし 感染伝播性はBA.2の1.1倍程度である可能性が指摘されている 病毒性と免疫逃避など、まだ不明な点が多い 2022.4.11 日本国内の1例目が発表された(海外から入国した人)  2022.3.26に検疫で採取された検体から検出された Weekly epidemiological update on COVID-19 - 5 April 2022 (WHO). https://www-who-int.translate.goog/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---5-april-2022?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=op,sc オミクロン株の組換え体について(11/4/2022). https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/11073-cepr-b11529-re.html

  42. 続々と登場 オミクロンの急速かつ大規模な感染拡大によって、組換え体(recombinant)とアミノ酸変異体(variant, sublineage)が高頻度で出現している オミクロン:BA.1, BA.2, BA.3, BA.4, BA.5, XEなど BA.2に追加変異が起こった亜型の出現とその拡大(2022/4) - BA.2.12(S704L), BA.2.12.1(S704L+L452Q) - 米国NY州で感染が拡大→2022年5月には米国全体の主要なvariantとなる - BA.2より23-27%感染拡大のスピードが速い(重症度は変化なし) https://www.cityandstateny.com/politics/2022/04/new-highly-contagious-omicron-ba212-and-ba2121-subvariants-detected-ny/365639/ (on 13/4/2022) https://github.com/cov-lineages/pango-designation/issues/499

  43. 新規variantの特徴 BA.2.11(フランス):L452R BA2.12.1(米国):L452Q、S704L BA.4とBA.5(南ア):L452R、HV69-70del、F486V、Q493 ※L452Rはデルタ、L452Qはラムダでみられた変異である Bebtelovimabはこれらすべてののvariantに活性あり bioRxiv 2022.05.03.490409; doi: https://doi.org/10.1101/2022.05.03.490409 Lancet Infect Dis. 2022 Jun 28;S1473-3099(22)00422-4. doi: 10.1016/S1473-3099(22)00422-4.

  44. BA.4/BA.5系統 南アフリカ・欧州で、2022年4-5月以降、増加傾向となった この2つのsubvariantは、同じスパイク蛋白を持つ 日本でも2022年6月以降BA.5が増加傾向となり、第7波の原因となった BA.2より高い感染伝播性? 免疫回避(ワクチンや感染によって誘導された免疫への抵抗性) 入院リスクはBA.1と同等~やや高い? Growth advantageは、BA.4<BA.5(英国でのレポート) medRxiv. 2022;2022.06.28.22276983. doi:10.1101/2022.06.28.22276983 bioRxiv 2022.05.26.493539; doi: https://doi.org/10.1101/2022.05.26.493539 WHO. https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/

  45. 2022年6月以降、BA.4/BA.5が増加 神戸市website:https://www.city.kobe.lg.jp/a73576/kenko/health/infection/protection/covid_19.html

  46. 6月以降、米国でもBA.4とBA.5が増加 CDC. COVID Data Tracker. https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#variant-proportions [最終アクセス 2022.7.9]

  47. BA.5の症状の特徴 札幌市のデータ(BA.5流行期 39956人) 多い症状:咳(62.1%)、咽頭痛(60.1%)、鼻汁・鼻閉(39.6%)、痰(35.6%)、発熱(39.8%)、頭痛(40.0%)、関節痛・筋肉痛(28.8%)、倦怠感(27.4%)、味覚障害・嗅覚障害(3.9%)、下痢(15.8%) 全身症状・気道症状は20-50歳代に多い 発熱は高齢になるほど頻度が低下する 札幌市の感染状況・医療提供体制の週間分析 概況 (2022年8月24日分) https://www.city.sapporo.jp/hokenjo/f1kansen/documents/analysis_20220823.pdf

  48. -

  49. WHO. Weekly epidemiological update on COVID-19 - 24 August 2022. https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---24-august-2022 7/18~の週から8/15~の週まで 日本が新規感染者数世界1 ※単位人口あたりの数ではない ※全数診断または集計していない国もある

  50. なぜ日本でこれほどまでにBA.5が流行? 世界各国での検査数の減少 ワクチンの3回目接種から時間が経過(6ヶ月程度) - ただしこれは欧米諸国も同じ条件である 日本では、欧米諸国と比較して既感染者が少ない - 日本の既感染率は、英米と比較すると極めて低い - ハイブリッド免疫:ワクチンによる免疫+感染による免疫

  51. 米国のN抗体陽性率(既感染率) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Apr 29;71(17):606-608. doi: 10.15585/mmwr.mm7117e3. 米国でのseroprevalence(抗ヌクレオカプシド抗体:N抗体)の調査(2021.9-2022.2) 2021年終盤から急激に増加(オミクロン流行) 18歳未満の70%以上が既感染

  52. 英国のN抗体陽性率(既感染率) COVID-19 vaccine surveillance report: 4 August 2022 (week 31). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports(accessed on 22/8/2022) 健康な17歳以上の献血者のseroprevalence(抗ヌクレオカプシド抗体:N抗体)を調査 2021年終盤から急激に増加(オミクロン流行) 全体の68.6%が既感染(2022.6-7施行の検査) 17-29歳 78.7%、30-39歳 78% 40-49歳 74.3%、50-59歳 66.3% 60-69歳 58.7%、70-84歳 47.7%

  53. 日本のN抗体陽性率(既感染率) 第4回抗体保有調査速報結果(第80回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料5-1) 2021年度新型コロナウイルス感染症に対する血清疫学調査報告(第82回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料3-2-②) 日本でのseroprevalence(抗ヌクレオカプシド抗体:N抗体、S抗体)の調査(2022.2.2-3.6:BA.1流行期) 20歳以上を対象としている S抗体:上記のすべての県で96%以上 N抗体:東京5.65%、大阪5.32%、愛知3.09%、福岡2.71%、宮城1.49% N抗体+診断歴あり:東京6.4%、大阪6.1%、愛知3.7%、福岡3.3%、宮城2.0% N抗体+診断歴あり:全体で4.3%(第6波ピーク時)

  54. ハイブリッド免疫 DOI: 10.1126/science.abj2258 ・ワクチンによる免疫と感染による免疫のいずれも獲得することで、より強固な免疫が得られる可能性がある(抗体、メモリーB細胞、CD4陽性T細胞など) とはいえ、感染しないでワクチンによる免疫のみで対応したほうがよいと思われる ・後遺症の懸念 ・重症化の懸念 ・就労制限 ・家族内クラスター(特に免疫不全者と同居中)

  55. BA.2に対するハイブリッド免疫 N Engl J Med. 2022 Jul 7;387(1):21-34. doi: 10.1056/NEJMoa2203965. 感染はオミクロンより前のもの

  56. BA.5に対するハイブリッド免疫 ポルトガルでの検討、12歳以上を対象 2022.6.1-2022.7.4 2回接種率 98%以上、3回目接種率82%の集団 COVID-19に罹患することによる感染予防効果(未感染者と比較) - 従来株への感染:51.6%、アルファへの感染:54.8% - デルタへの感染:61.3% - BA.1/BA.2への感染:75.8% medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2022.07.27.22277602; this version posted July 28, 2022 N Engl J Med. 2022 Aug 31. doi: 10.1056/NEJMc2209479.

  57. ワクチン・感染後の中和抗体価 左図:ファイザーワクチン3回目接種後2週間の中和抗体価:BA.4、BA.5、BA2.12.1で特に低い 右図:COVID-19ワクチン3回接種者は75%、BA.1またはBA.2に感染後約1か月時点の抗体価:BA.4、BA.5、BA2.12.1で特に低い N Engl J Med. 2022 Jul 7;387(1):86-88. doi: 10.1056/NEJMc2206576.

  58. D:BA.1が主に流行していた時の入院患者30名:15名がワクチン未接種、8名2回接種、7名3回接種→BA.1感染によるBA.4/5に対する中和抗体上昇は軽度である ワクチンや感染による中和抗体価の上昇 医療従事者に対してmRNAワクチンを2回接種しても、接種後4週間時点のオミクロンに対する中和抗体はほとんど上昇しない 3回接種すれば、すべてのオミクロンのsubvariantにおいて中和抗体が上昇した(BA1/2よりBA4.5で低い傾向がみられた) N Engl J Med. 2022 Jun 30;386(26):2526-2528. doi: 10.1056/NEJMc2206725.

  59. ワクチン±感染による中和抗体価の上昇 中和抗体価 ファイザーワクチン3回目接種4-6か月後(中央値132日後) 3回接種後のbreakthrough感染後(中央値80日後) ※BA.1またはBA.2流行期のフランスのデータ ワクチン3回接種後のBA.5に対する中和抗体価の減衰が速い(従来株 11.5か月、BA.1 8か月、BA.5 5.5か月) medRxiv 2022.07.22.22277885; doi: https://doi.org/10.1101/2022.07.22.22277885

  60. BA.4/BA.5と中和抗体薬 BA.4/BA.5 - sotrovimab × - cilgavimab ○ - bebtelovimab ○ ※cilgavimabは別の研究では効果の低下が示されている Lancet Infect Dis. 2022 Jun 28;S1473-3099(22)00422-4. doi: 10.1016/S1473-3099(22)00422-4.

  61. BA.4/BA.5と中和抗体薬 Lancet Infect Dis. 2022 Jul;22(7):942-943. doi: 10.1016/S1473-3099(22)00365-6.

  62. BA.4/BA.5と中和抗体薬 レムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトレルビル、 bebtelovimabの効果は期待できる casirivimab/imdevimabとtixagevimab/cilgavimabの効果は低い ソトロビマブの効果は期待できない N Engl J Med. 2022 Jul 20. doi: 10.1056/NEJMc2207519.

  63. ワクチン・中和抗体薬・抗ウイルス薬 ワクチン3回接種によって中和抗体は上昇するが、従来株やBA.1よりも低値かつ減衰が早い(6か月弱) ワクチン3回接種後に、BA.1またはBA.2に感染すると、中和抗体価は著明に上昇し、長期間高値が維持される(6か月以上) 中和抗体薬では、bebtelovimabの効果が期待できる(日本では未承認) Cilgavimab(日本では8/30に特例承認)は、研究によって結果が異なる ロナプリーブ®とゼビュディ®の効果は期待できない 3種類の抗ウイルス薬は効果が期待できる

  64. BA.2.75系統(インド) BA.2系統の亜系統で、最初の検体は、2022年6月2日にインドで報告された スパイク蛋白にK147E、W152R、F157L、I210V、G257S、G339H、G446S、N460Kの各変異を有しており、BA.1系統、BA.2系統などで見られたQ493R変異は有さない インドではBA.2系統とその亜系統が主流であったが、BA.5系統の割合が上昇しつつあった。そのような傾向の中で、6月以降、BA.2.75系統の割合の上昇が検出されたことから、BA.5系統に対するBA.2.75系統の優位性の有無が注視されている 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株BA.2.75系統について(2022.7.8). https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/11276-covid19-ba-2-75.html

  65. -

  66. BA.2.75と中和抗体薬 ソトロビマブとtixagevimabは効果期待できる可能性がある bebtelovimabはやや効果が低い可能性がある Cilgavimabとロナプリーブ®は効果が期待できない bioRxiv 2022.07.14.500041; doi: https://doi.org/10.1101/2022.07.14.500041

  67. 季節性インフルエンザのCFR:0.006-0.018% オミクロンのCFR:0.13% 季節性インフルエンザの肺炎発生頻度:1-2% オミクロンの肺炎発生頻度:5.6% 別の検討では... 季節性インフルエンザの受診後28日以内の全死亡/入院:0.09%/1.62% オミクロンとインフルエンザの比較 case fatality ratio(CFR) 第74回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年3月2日)

  68. オミクロン vs インフルエンザ 感染伝播性は、オミクロンのほうがかなり高い 感染予防効果・重症化予防効果は、COVID-19ワクチンの方が高い 致死率は、大半の高齢者がCOVID-19ワクチン接種を2回しても、オミクロンのほうが高く、肺炎を呈する可能性(入院が必要)も、オミクロンのほうが高い 小児の重症度・致死率は、大差ない(ほぼ軽症で、入院・死亡は稀)

  69. インフルエンザ相当ではない 高い感染伝播性と高齢者や免疫不全者での重症化・死亡リスクが高いことから、ワクチン3回接種が進んでも、院内感染対策を緩和することは難しい 高齢者と基礎疾患のある人に対する3回目接種が進めば、入院が必要な患者は減少すると思われるが、完全に収束することは考えにくい 新規のVOCの出現とその流行によって、医療が逼迫する可能性はある 以上から、オミクロンは「インフルエンザ相当」とはいえない

  70. このsectionのまとめ オミクロンは、感染伝播性はデルタと比較して高く(2-3倍)、それまで流行していたデルタを駆逐して、第6波の原因になった。入院リスクはデルタより50%以上低いという報告が多いが、感染者の絶対数が著増し、主に都市部で医療逼迫の原因となった(2022年2月)。 オミクロンの亜系統のうち、当初はBA.1が流行したが、2022年3月下旬以降、BA.2が主流となり、6月下旬からはBA.4/BA.5が増加傾向となっている(感染伝播性と免疫回避↑) 潜伏期間は3日程度(曝露1週間以内に発症)で、デルタや従来株と比較すると短い。 インフルエンザと比較すると、感染伝播性は高い。また、特に、基礎疾患をもっている者や高齢者では、重症化リスクや死亡リスクが高い(小児では大差ない)。

  71. ウィズコロナ時代の院内感染対策

  72. 院内感染対策の基本 院内で患者・同僚からもらわない 患者・同僚からもらったとしても広めない 外から持ち込まない(院外での対策) 外から持ち込んだとしても広めない

  73. このsectionの内容 SARS-CoV-2の感染経路 一般的な院内感染対策(COVID-19病棟外)  - 患者・同僚からの感染伝播予防   院内感染対策の基本  - 感染しても広めない   院内に広めないために...   職員によるウイルスの拡散 オミクロンに対する院内感染対策

  74. SARS-CoV-2の感染経路

  75. SARS-CoV-2の感染経路 感染は主に気道分泌物を介して起こる  くしゃみ・咳・会話など 飛沫感染(2m以内)  口・鼻・目の粘膜への飛沫の付着 エアロゾル感染(空気感染とは厳密には異なる)  微小な飛沫あるいはエアロゾルの吸入(換気の悪い閉鎖空間) 接触感染  ウイルスが付着した手指による粘膜への接触 Ann Intern Med. 2021 Jan;174(1):69-79. doi: 10.7326/M20-5008.日本環境感染学会医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第4版) CDC. Scientific Brief: SARS-CoV-2 Transmission. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/science-briefs/sars-cov-2-transmission.html

  76. 日本環境感染学会医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第4版) http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=418

  77. ウイルスを含むエアロゾルの吸入 感染源から2m以内で感染リスクが最大(飛沫と同様) 感染源から2m以上離れていても、以下の場合に感染リスクがある ・換気が不十分な閉鎖空間 ・気道分泌物の放出量が大きい(運動・歌う・叫ぶ) ・長時間の曝露(典型的には15分以上) CDC. Scientific Brief: SARS-CoV-2 Transmission. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/science-briefs/sars-cov-2-transmission.html

  78. エアロゾル感染が起こる具体的な状況 エアロゾル発生手技 換気の悪い屋内の混雑した閉鎖空間 - 合唱の練習 - レストラン - フィットネスクラブ - コールセンター   など WHO:https://www.who.int/news-room/commentaries/detail/transmission-of-sars-cov-2-implications-for-infection-prevention-precautions CDC:https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/how-covid-spreads.html 3密(密閉・密集・密接) + 継続時間と音量

  79. 「富岳」でのシミュレーション 15分の会話(オミクロン) - 感染者がマスクなしの場合、1-2m離れていても感染リスクは高い - 感染者がマスクしていれば、1m以上離れていれば、感染リスクはほぼないが、50cm以内だとリスクあり 会話時間が長いほど感染リスクは上昇する 理化学研究所/神戸大学 坪倉誠. 室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策(2022/2/2) (https://www.r-ccs.riken.jp/fugaku/history/corona/projects/tsubokura/)

  80. 3密空間では2mを超えて感染しうる 飛沫は大きいものから小さいものまであり、小さいものをエアロゾルを呼ぶ 換気の悪い3密空間では、エアロゾルは2mを超えて感染しうる(ただし、エアロゾルであっても感染リスクは2m以内が最大) 顔を近づけての会話は、マスクをしていてもリスク 換気の悪い3密に注意:密閉・密集・密接

  81. 環境表面のウイルスからの感染リスク 汚染された(可能性のある)物品はいつから触れてもよい? - 紙・ティッシュペーパー・ダンボール:24-48時間以内 - 木・布:2日以内 - ガラス:4日以内 - ステンレス・プラスティック:3-7日以内 上記期間内に触った後は、アルコールによる手指衛生を行えばOK

  82. 接触感染は稀と考えられている 患者周囲の環境表面にウイルスは存在することはわかっているが、感染性があることと同義ではない(環境表面での失活、ウイルス量が少ないこと、宿主免疫、など) 明確に接触感染を証明した報告はほとんどない とはいえ、患者が排泄したばかりの気道分泌物が付着(高ウイルス量かつ失活していない)している高頻度接触面からの感染リスクはあるので、手指衛生はしっかりとしましょう WHO. https://www.who.int/news-room/commentaries/detail/transmission-of-sars-cov-2-implications-for-infection-prevention-precautions Infect Control Hosp Epidemiol. 2021 May 27;1-12. doi: 10.1017/ice.2021.254. Nature. 2021 Feb;590(7844):26-28. doi: 10.1038/d41586-021-00251-4. Lancet Infect Dis. 2020 Aug;20(8):892-893. doi: 10.1016/S1473-3099(20)30561-2.

  83. 感染経路のまとめ 飛沫の粘膜への付着またはエアロゾル吸入(2m以内)が主要な感染経路である 換気の悪い3密空間では、エアロゾル感染は2mを超えて起こりうる 接触感染も起こりうるが、実際には稀と考えられている

  84. 一般的な院内感染対策 COVID-19病棟以外の病院内

  85. 院内感染対策の基本(再掲) 院内で患者・同僚からもらわない 患者・同僚からもらったとしても広めない 外から持ち込まない(院外での対策) 外から持ち込んだとしても広めない

  86. 患者・同僚からの感染伝播予防 だれが感染していたとしても「安全・大丈夫!」な感染対策

  87. Nat Rev Microbiol. 2021 Aug;19(8):528-545. doi: 10.1038/s41579-021-00535-6. マスク・身体的距離 手指衛生 手指衛生 マスク・換気 ワクチン

  88. 院内感染対策の基本 COVID-19ワクチン接種(3回目接種) ユニバーサルマスキングと適切な換気(飛沫・エアロゾル) 目の防護のルーチン化、N95マスクのユニバーサルユース(飛沫・エアロゾル) 標準予防策(手指衛生)の徹底(接触感染) 感染経路別予防策 ワクチン+感染経路の遮断

  89. ワクチン+感染経路の遮断 全体的に感染リスクを減らす(ワクチン) 飛沫感染→ユニバーサルマスキング、目の防護 エアロゾル感染→マスクだけ△、適切な換気と3密回避 接触感染→手指衛生(標準予防策)

  90. ユニバーサルマスキング すべての医療従事者・患者・訪問者はマスクを着用する COVID-19患者は - 症状出現の約2日前からウイルス排泄あり - 症状出現前の感染伝播が50%弱 ユニバーサルマスクの目的 - 「気道症状のない感染者(職員・患者・訪問者)」から他者への伝播を防ぐ ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第4版. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/infection-control-recommendations.html#minimize Infect Control Hosp Epidemiol. 2020 May 6;1-2. doi: 10.1017/ice.2020.202.

  91. マスクを着用する意義 ウイルスを含む飛沫/エアロゾルの放出を減らす(周りを守る) - 無症候性または症状出現前の感染者(職員、別疾患で入院した患者) - 咳などの気道症状のあるCOVID-19確定患者 着用者の飛沫の吸入を減らす(着用者を守る) 米国CDC:Scientific Brief: Community Use of Cloth Masks to Control the Spread of SARS-CoV-2 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/more/masking-science-sars-cov2.html Nat Med. 2020 May;26(5):676-680.

  92. 「富岳」でのシミュレーション 15分の会話(オミクロン) - 感染者がマスクなしの場合、1-2m離れていても感染リスクは高い - 感染者がマスクしていれば、1m以上離れていれば、感染リスクはほぼないが、50cm以内だとリスクあり 会話時間が長いほど感染リスクは上昇する 理化学研究所/神戸大学 坪倉誠. 室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策(2022/2/2) (https://www.r-ccs.riken.jp/fugaku/history/corona/projects/tsubokura/)

  93. サージカルマスクよりN95マスク Sci Adv. 2020 Sep 2;6(36):eabd3083. doi: 10.1126/sciadv.abd3083. 放出する飛沫の量 N95マスク:0.1% サージカル:1% コットン:10%

  94. 目の防護は重要かもしれない 患者の飛沫の眼の粘膜曝露を減らすため、医療従事者は、患者に対応する際に、フェイスシールドまたはアイシールド/ゴーグルを着用する COVID-19でメガネを常用している人の割合(5.8%)は、一般人口の近視率より低い(31.5%)→メガネをすることによって、目を触る回数が減少するから? COVID-19の濃厚接触者調査をしているcommunity health worker(CHW)が、訪問時サージカルマスクに追加してフェイスシールドを着用するように方針を変更したところ、CHWが新規で感染することがなくなった(インド) COVID-19対応時に目の防護を行うことで、感染リスクが減少する(OR 0.57) JAMA Ophthalmol. 2020;138(11):1196-1199. doi: 10.1001/jamaophthalmol.2020.3906. JAMA. 2020;324(13):1348-1349. doi: 10.1001/jama.2020.15586. Clin Microbiol Infect. 2022 Jun 28;S1198-743X(22)00334-2. doi: 10.1016/j.cmi.2022.05.038.

  95. 標準予防策の徹底 適切なタイミングの手指衛生 適切な個人防護具の使用 - 吸痰時のサージカルマスク - 体液に触れる場合の手袋 - 衣服が汚染する可能性がある場合のエプロン/ガウン ハンドハイジーン研究会. http://www.goodhandhygiene.jp/practice/5moments/

  96. アルコールとSARS-CoV-2 皮膚の上で、SARS-CoV-2は9.04時間生存する 80%エタノールで15秒以内に失活→ 手指衛生で対応可能 Clin Infect Dis. 2020 Oct 3;ciaa1517. doi: 10.1093/cid/ciaa1517.

  97. 感染しても広めない

  98. 院内で広めないために... 感染しない(院内・院外) - ワクチン+院内感染対策+院外感染対策 感染したとしても、ヒトにうつさない行動 - ユニバーサルマスキング・手指衛生が基本 -院内で換気の悪い3密(密閉・密集・密接)環境をつくらない - 症状があるときは仕事を休む・帰る - 自身または同居者に症状がでたらすぐに検査(早期診断・早期隔離)

  99. 職員によるウイルスの拡散 発症の48時間前から感染させうる そのため、症状が出現した段階で就労停止したとしても、すでに感染伝播させてしまっていることがある 無症状の感染した職員がサージカルマスクを着用していたとしても、近距離で接触した患者・同僚がマスクをしていないと、感染伝播する可能性がある 特に、①食事介助・吸痰など患者がマスクをはずす処置時、②認知症やせん妄でマスクが着用できない患者を対応する場合、③リハビリなど長時間密接に関わる場合、などがリスクである

  100. オミクロンに対する院内感染対策 飛沫感染・エアロゾル感染リスクがこれまでより高い JAMA. 2022 Jan 24. doi: 10.1001/jama.2022.0262.

  101. オミクロンに対する院内感染対策 飛沫・エアロゾル感染をいかに防ぐ or 最小限にするかが重要 従来からの対策を継続・遵守率を高めることが基本 - ユニバーサルマスキング、目の防護、手指衛生、換気の悪い3密回避 - 職員へのワクチン接種の強い奨励(または義務化) - 症状のある職員の自宅待機 - 接触者追跡調査 - 全患者に対する入院時のスクリーニング検査(特に流行期は重要) JAMA. 2022 Jan 24. doi: 10.1001/jama.2022.0262.

  102. オミクロン流行期の院内感染対策の難しさ 無症状感染者が多い・発症前から感染伝播性がある  かつ、感染伝播性がこれまでのvariantより高い 入院後(多くは数日以内)に発症する患者からの伝播  入院時PCR検査が陰性でも数日後発症することがある 無症候性感染または発症直前の医療従事者からの伝播  発症数日前から感染伝播させるので発症時にはすでに感染伝播済み...  濃厚な接触の場合、サージカルマスクしていも感染してしまう事例もある

  103. 米国マサチューセッツ州での状況 ワクチン3回接種が進んだにも関わらず、院内感染は1.5倍以上になった 従来株 BA.1 JAMA. 2022 Jul 19;328(3):296-298. doi: 10.1001/jama.2022.9609.

  104. 流行期の追加の対策 booster接種の義務化(日本では「義務化」は難しい) - 十分ではないが感染予防効果がある - ブレイクスルー感染時、他者への感染リスクが低下する(42%↓) 検査を増やす(病院によって検査能力に差がある) - 入院時+入院後数日おき(特に大部屋の患者) - 職員(特に、クラスター発生病棟は定期的な検査が望ましい) N95マスクのユニバーサルユース(N95マスクの調達が難しい) JAMA. 2022 Jan 24. doi: 10.1001/jama.2022.0262. medRxiv 2021.12.27.21268278; doi: https://doi.org/10.1101/2021.12.27.21268278

  105. N95マスクの意義 患者から医療従事者への伝播をかなりの精度で防ぐことが可能となる(適切な手指衛生と組み合わせれば、手袋・ガウンなしでもほぼ予防可能である) 医療従事者から患者への伝播をかなり減らすことが期待される(理論的にはほぼ感染させないと思われるが、source controlとしてのデータはないため、個別にリスクを判断して、曝露した患者が濃厚接触者に該当するか判断する)

  106. スイスでの観察研究 医療従事者のCOVID-19罹患リスクを検討 2020.9-2021.9(オミクロン前) 対象者の26%が期間内に感染 COVID-19患者への曝露:なし 13%、曝露ありかつ曝露時常にrespirator使用 21%、曝露ありかつサージカル/mixedマスク 35% 曝露時のN95マスクで感染リスク COVID-19罹患と関連する因子 ・家庭内曝露 OR 7.79、COVID-19患者への曝露時間 OR 1.20 ・ワクチン接種 OR 0.55、常にrespirator使用(サージカルマスクまたはmixed mask use) 0.56 Respirator=FFP2やN95が該当する JAMA Netw Open. 2022 Aug 1;5(8):e2226816. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.26816.

  107. N95マスクを考慮するタイミング サージカルマスクの代わりに全職員が使用するのは現実的ではない(①それだけの量を確保できない、②職員の負担が大きい) 長時間(例:15分以上)マスクを着用できない患者(認知症、せん妄、知的障害など)の対応をする場合 吸痰や食事介助する場合(患者はマスクを着用できない、咳などで飛沫・エアロゾルが発生しやすい) 患者との体の接触が多い状況(リハビリ、体位変換) エアロゾル発生手技(挿管・気管支鏡など)を行う場合

  108. 院内伝播を完全に防ぐことは不可能 ゼロリスクはありえない 感染伝播性が非常に高く、無症状でも感染する以上、院内感染をゼロにすることは不可能と考えて、病院の体制(感染管理体制、積極的疫学調査、病床運用、人員確保、など)を考える必要がある(今後、社会はさらに「ウィズコロナ」になるであろうし、保健所の関与は減っていくと予想される)

  109. このsectionのまとめ 飛沫の粘膜への付着またはエアロゾルの吸入(2m以内)がSARS-CoV-2の主要な感染経路であるが、換気の悪い3密(密閉・密集・密接)空間では、エアロゾルは2mを超えて感染しうる ウィズコロナ時代の院内感染対策の基本は、COVID-19ワクチン接種(3回目接種推奨)、標準予防策の徹底、ユニバーサルマスキング・適切な換気、目の防護(特に患者がマスクを着用していない場合) 今後、N95マスクがどのような役割を果たすか注目される。

  110. 病院職員に対するCOVID-19ワクチン

  111. このsectionの内容 オミクロンに対するmRNAワクチンの効果(3回目接種) - 症候性感染予防効果 - 入院予防効果 - 死亡予防効果 - mRNAワクチンの安全性 - 3回目を接種すべきか? オミクロンに対するmRNAワクチンの効果(4回目接種)

  112. COVID-19ワクチン 最もCOVID-19感染予防効果が期待できる方策 - オミクロンへの感染予防効果の低下(特に2回接種) - booster接種の重要性が増した - 重症化予防効果は比較的高く維持されている

  113. オミクロンに対するmRNAワクチンの効果3回目接種

  114. 症候性感染予防効果 ファイザーワクチン2回接種後(左図B):2-4週間 65.5%、5-9週間 48.7%、10-14週間 30.1%、15-19週間 15.4%、20-24週間 11.5%、25週間(6か月)以上 8.8% ファイザー・モデルナ3回目接種後:2-4週間 67.2%/73.9%、5-9週間 55.0%/64.4%、10週間以上 45.7%/未検討 18歳以上を対象としたmRNAワクチンの2回接種による感染予防効果は2か月以降急速に減衰し、4か月時点ではほぼ消失する。Booster接種の効果はあるが、2か月程度で効果は減衰する。ファイザーとモデルナの差はわずか。 N Engl J Med. 2022 Mar 2. doi: 10.1056/NEJMoa2119451.

  115. 3回目接種の症候性感染予防効果 ファイザー2回接種後のbooster接種の症候性感染予防効果 ・ファイザー3回目接種:20週(5か月)以降で効果消失 ・モデルナ3回目接種は、ファイザーよりやや効果高い可能性があるが大差はない COVID-19 vaccine surveillance report: 7 July 2022 (week 27). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 9/7/2022)

  116. モデルナ2回接種後のbooster接種の症候性感染予防効果 ・ファイザー・モデルナ3回目接種:20週まで約60%維持されている 3回目接種の症候性感染予防効果 COVID-19 vaccine surveillance report: 7 July 2022 (week 27). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 9/7/2022)

  117. 高齢者に対するBooster接種による入院予防効果 ・COVID-19による入院は、接種15週以降でも80%以上 ・呼吸不全を伴う入院も、接種15週以降でも80%以上 入院予防効果 COVID-19 vaccine surveillance report: 7 July 2022 (week 27). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 9/7/2022)

  118. 入院予防効果 ファイザー ファイザー モデルナ COVID-19 vaccine surveillance report: 27 January 2022 (week 4). https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1050721/Vaccine-surveillance-report-week-4.pdf 2-3回目接種の入院予防効果 2回接種による 6か月以上の効果は期待できない

  119. 2-3回目接種の入院予防効果 mRNAワクチンは、2回目接種5か月までは高い効果があり、その後減衰する 3回目接種後3か月までは高い効果が確認された(HR 0.2) https://doi.org/10.1016/S0140-6736(22)00514-1

  120. mRNAワクチン3回目接種の効果 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 21 January 2022. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7104e3

  121. 3回目接種の入院予防効果の減衰は早い? ファイザーワクチンの効果を検討した観察研究(米国) 18歳以上を対象とした 3回目接種後3か月以内の入院予防効果は85%であったが、3-5ヶ月後は55%まで低下した(ただし、3回目接種から3か月以上経過していた対象者は非常に少ない数であった) Lancet Respir Med. 2022 Jul;10(7):689-699. doi: 10.1016/S2213-2600(22)00101-1.

  122. BA.1とBA.2に対する3回目接種の感染予防効果 シンガポール、観察研究 デルタ~オミクロン流行期 BA.1とBA.2に対する効果は感染予防効果・重症度予防効果は同等(デルタへの効果より低かった):2回→約20%(6か月持続)、3回→30-40%(5か月以上持続) Clin Microbiol Infect. 2022 Aug 23;S1198-743X(22)00418-9. doi: 10.1016/j.cmi.2022.08.002. BA.1 vs BA.2

  123. 3回接種の意義:重症化予防効果 Clin Microbiol Infect. 2022 Aug 23;S1198-743X(22)00418-9. doi: 10.1016/j.cmi.2022.08.002. 2回接種の重症化予防効果 ・6か月以上持続 ・デルタ:80%以上 ・BA.1とBA.2:40-60% 3回接種の重症化予防効果 ・5か月以上持続 ・BA.1とBA.2:80%以上 BA.1 vs BA.2

  124. BA.2に対するワクチン効果はBA.1と同等 症候性感染予防効果 ERからの入院予防効果 (COVID-19以外の理由で入院した患者も含む、ただし外傷を除く) COVID-19 vaccine surveillance report: 7 July 2022 (week 27). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 9/7/2022)

  125. BA.2に対する入院予防効果の減衰が早い? 2022.1.17-2022.3.31 イングランド、18歳以上 BA.1とBA.2に対するmRNAワクチンbooster効果を検討 ~2か月 70%→15週~ 40% 入院予防効果はBA.2で早く減衰? Lancet Infect Dis. 2022 Jul;22(7):931-933. doi: 10.1016/S1473-3099(22)00309-7. BA.1 vs BA.2

  126. BA.2に対する入院予防効果の減衰が早い? Lancet Infect Dis. 2022 Jul;22(7):931-933. doi: 10.1016/S1473-3099(22)00309-7.

  127. BA.4とBA.5に対するワクチン効果は? 英国での中間解析では、BA.4/BA.5に対するCOVID-19ワクチンの感染予防効果は、BA.2に対する効果と有意な差は認めなかった 詳細は検討は今後の行われる予定 COVID-19 vaccine surveillance report: 7 July 2022 (week 27). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 9/7/2022)

  128. 死亡リスク:2回目接種6か月後は約50%、3回目接種後約90% 死亡予防効果 COVID-19 vaccine surveillance report: 7 July 2022 (week 27). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 9/7/2022)

  129. 米国での観察研究(対象は18歳以上の成人) mRNAワクチン2回接種は、オミクロン流行期に入院28日以内の人工呼吸器使用または院内死亡を79%低下させた(フォローアップ期間の中央値:2回目接種後256日) mRNAワクチン3回接種は、オミクロン流行期に入院28日以内の人工呼吸器使用または院内死亡を94%低下させた(フォローアップ期間の中央値:3回目接種後60日) デルタ流行期やデルタ前と同等の効果であった 人工呼吸器/死亡予防効果(米国) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 18 March 2022. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7112e1

  130. BA.1とBA.2に対するワクチン効果(英国) COVID-19 vaccine surveillance report: 7 July 2022 (week 27). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 9/7/2022)

  131. mRNAワクチン3回目の安全性 ・2回目と3回目接種の副反応はほぼ同等(N=22191) ・2回目と3回目の接種間隔は約6か月(182日) ・3回目接種後:局所症状74.9%、全身症状69.9%。日常生活に支障28.3%、1医療機関受診1.8%、入院0.1%した。 ・3回の投与すべての健康診断調査完了したのは12591人(左図):3回目接種:局所症状79.4%、全身症状74.1%、2回目接種:局所症状77.6%、全身症状76.5%。3回目は、2回目よりも局所症状が多く、全身症状は少なかった。 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021;70(39):1379-1384. doi: 10.15585/mmwr.mm7039e4

  132. ファイザーワクチン3回目:心筋炎 イスラエル - 兵士:3回目1週間以内に10万接種あたり3.17例(2回目5.07例) - 18-24歳の男性:10万接種あたり11.25例、8例の心筋炎は全例軽症だった 米国 - 12-17歳の男性に対する3回目接種:100万接種あたり11.4例  ※2回目接種後、12-15歳 70.7例、16-17歳 105.9例 - 死亡例なし JAMA. 2022 Mar 17. doi: 10.1001/jama.2022.4425. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Mar 4;71(9):347-351. doi: 10.15585/mmwr.mm7109e2.

  133. COVID-19ワクチンの安全性 米国 2020.12-2021.7 ワクチン接種群と非接種群でCOVID-19以外での死亡を比較 ・COVID-19に関連しない死亡は60-70%減少した(健康志向が高い群?) ・18歳以上で有意な効果あり(12-17歳では2群間で差はなかった) →ワクチンによって死亡が増加するとは考えにくく、短期的には安全と言える MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Oct 29;70(43):1520-1524. doi: 10.15585/mmwr.mm7043e2.

  134. mRNAワクチン後の心筋炎:10-20歳代男性モデルナワクチンを避けたほうがよい ・日本国内のデータによると、心筋炎は特に10-20歳代男性のモデルナワクチン2回目接種後に多い ・カナダオンタリオ州は18-24歳に対してファイザーワクチンを推奨している ・スウェーデンでは30歳未満へのモデルナワクチン接種を停止している 全人口では、各国のデータから、  ファイザーワクチン100万回接種あたり1-5件  モデルナワクチン 100万回接種あたり1-30件 https://www.mhlw.go.jp/content/000844011.pdf https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000844075.pdf

  135. mRNAワクチンの3回目接種 オミクロン(主にBA.1とBA.2)に対する効果 - 感染予防効果:接種2-3か月まで50-70%程度         その後減衰し、接種4-5か月後には40%未満に低下 - 入院予防効果:80%以上(5か月以上持続) - 死亡抑制効果:90%程度(2-3か月まで確認) BA.1とBA.2に対する効果は同等というデータが多い BA.5に対する効果に関するデータはほとんどない

  136. 3回目を接種すべきか? 高齢者・基礎疾患を有する者・医療従事者は、特に接種が望ましい 感染予防効果高い(ただし3か月以降は効果が減衰する) 重症化予防効果高い(5か月以上) 副反応は2回目と同等で、安全性は高い オミクロンへの感染予防効果は、2回では不十分 接種前の抗体価の測定は不要(感染予防効果を認めるIgGカットオフ値は不明であり、高値であっても感染する可能性もある)

  137. 3回目接種:2022/8現在の日本 Booster doseは、2回目接種から5カ月以上あけて接種する 対象:2回接種した12歳以上全員 2021年12月~ファイザーワクチン3回目接種が医療従事者で開始 適宜、接種対象・接種可能なワクチンの種類が拡大 - ファイザー(12歳以上)、モデルナ・ノババックス(18歳以上)

  138. 各国での3回目接種についての推奨 12-17歳への推奨は、各国で多少異なっている 米国:ファイザー12歳以上、モデルナ18歳以上 英国:ファイザー16歳以上、12-15歳で重症化リスク or 免疫不全者と同居、モデルナ18歳以上 カナダ:ファイザー18歳以上、12-17歳で基礎疾患を有する者、モデルナ18歳以上 フランス:ファイザー12歳以上、モデルナ30歳以上 ドイツ:ファイザー12歳以上、モデルナ30歳以上 イスラエル:ファイザー12歳以上、モデルナ18歳以上 2022/3時点での推奨 第31回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料2(2022.3.24)

  139. 病院職員のCOVID-19ワクチン接種 義務ではないが、3回の接種が強く推奨される 接種者本人だけでなく、患者・同僚の利益にもつながる 患者→職員本人への感染予防効果 職員の市中感染への予防効果 職員→職員への感染予防効果 職員→患者への感染予防効果

  140. オミクロンに対するmRNAワクチンの効果4回目接種

  141. mRNAワクチンの4回目接種 中和抗体価は上昇する(3回目接種後よりやや高め) 高齢者に対する接種では - 感染予防効果:50-60%程度(ただし、効果は2か月程度) - 重症化予防効果:70-80%程度(ただし、10週以降の検討未) 医療従事者全体に対する接種の意義は不明 - 第7波が来た時に、休務が必要な医療従事者を減らす効果はあるかも?

  142. mRNAワクチンの4回目接種 ファイザーワクチン3回接種の4か月後に4回目のmRNAワクチンを接種 イスラエルの18歳以上の医療従事者を対象(COVID-19感染歴なし) 年齢中央値60歳 60歳未満で、ワクチン接種後の発熱はファイザー19.7%、モデルナ6.9% 中和抗体価:3回目接種4週間後<4回目接種4週間後(有意な差ではない) DOI: 10.1056/NEJMc2202542

  143. mRNAワクチンの4回目接種 ファイザーワクチン3回接種の4か月後に4回目のmRNAワクチンを接種 イスラエルの18歳以上の医療従事者を対象(COVID-19感染歴なし) 年齢中央値60歳 小規模(ワクチン接種者300名未満)の研究では感染予防効果を示すことができなかった(予防効果30%で有意差なし) DOI: 10.1056/NEJMc2202542

  144. mRNAワクチンの4回目接種 イスラエルの医療従事者(2021年9月までに3回目を接種)を対象としたファイザーワクチン4回目接種の効果(3回接種と比較)を検討した観察研究(COVID-19の既往のない者を対象とした) 2022年1月に4回目を接種 観察期間は1か月程度で、感染予防効果 約40%(6.9% vs 19.8%、重症例・死亡例は0であったため比較検討なし) JAMA Netw Open. 2022 Aug 1;5(8):e2224657. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.24657.

  145. 高齢者への4回目接種 ファイザーワクチン3回目接種の4か月後に4回目のファイザーワクチン接種@イスラエル 60歳以上を対象(約125万人)として4回目接種者と4回目非接種者を比較した(既往ある者は除外) 2022.1.10-3.2に診断された患者 4回目接種 vs 3回接種:接種後4週時点で、感染2分の1、重症例3.5分の1 N Engl J Med. 2022 Apr 5;NEJMoa2201570. doi: 10.1056/NEJMoa2201570. 感染予防効果:接種5週間後から低下し、8週時点で効果なし 重症化予防効果:接種6週間時点までは低下なし

  146. イスラエルの別の報告(4ヶ月以上の間隔で4回目) 2022.1.3-2022.2.18のデータを使用 60歳以上を対象とした観察研究 4回目接種からのf/u期間:26日(max 30日) 感染者(PCR陽性例):45%減少 症候性感染者:55%減少 COVID-19に関連した入院:68%減少 重症COVID-19:62%減少 COVID-19に関連した死亡:74%減少 高齢者への4回目接種 N Engl J Med. 2022 Apr 28;386(17):1603-1614. doi: 10.1056/NEJMoa2201688.

  147. イスラエルの別の報告 60歳以上を対象とした観察研究 4回目接種からのf/u期間:10週間まで 感染予防効果(上図):1か月は約60%、その後減衰して、2か月を越えると約20% 重症化(入院 or 死亡)予防効果(下図):10週間まで検討して73-86% 高齢者への4回目接種 BMJ. 2022 May 24;377:e071113. doi: 10.1136/bmj-2022-071113.

  148. 高齢者への4回目接種 60歳以上の高齢者施設の入所者で、ファイザーワクチン3回目接種から4か月以上が経過しているものが対象とした観察研究@イスラエル 2022年1月~3月(オミクロンBA.1が主体?) 観察期間:中央値73日 感染予防効果:34% 入院:軽症~中等症 64%、重症 67% 死亡:72% JAMA Intern Med. 2022 Jun 23;e222658. doi: 10.1001/jamainternmed.2022.2658.

  149. 高齢者施設入所中の60歳以上の高齢者を対象としてmRNAワクチン(モデルナが95%)4回目接種の効果(3回接種と比較)を検討した観察研究@カナダオンタリオ州(2022.12~2022.4.27、BA.1とBA.2の流行期)、効果の期間についての検討なし 感染予防効果19%、症候性感染予防効果31%、重症化(COVID19に関連した入院+死亡)予防効果40% BMJ. 2022 Jul 6;378:e071502. doi: 10.1136/bmj-2022-071502. 高齢者施設入所者への4回目接種

  150. 4回目接種の安全性 米国のデータ 対象は50歳以上 mRNAワクチン4回目接種後の副反応 4回とも同じワクチンを接種した場合、4回目接種では、3回目接種より全身反応・局所反応は少なかった 発熱は10~15%程度(ファイザー<モデルナ) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Jul 29;71(30):971-976. doi: 10.15585/mmwr.mm7130a4.

  151. ファイザー3回接種後、次はどちら? ファイザー3回接種の約7か月後にファイザー接種 ファイザー3回接種の約7か月後にモデルナ接種 PPP→Mのほうがスパイク蛋白に対するIgGは高い傾向ではあるがほぼ同等である(臨床的な効果の差の有無は不明) 副反応の頻度は大きさ差なし Lancet Infect Dis. 2022 Aug;22(8):1131-1141. doi: 10.1016/S1473-3099(22)00271-7.

  152. 各国での4回目接種についての推奨 米国:追加接種から4ヶ月以上経過した50歳以上、中等度から重症の免疫不全者 カナダ:追加接種から6ヶ月以上経過した70-80歳以上、長期ケア施設入居中の高齢者 WHO:推奨なし 英国:追加接種から6ヶ月以上が経過した75歳以上、介護施設に居住する高齢者、12歳以上の免疫不全者 フランス:追加接種から3ヶ月以上経過した80歳以上・免疫不全者、6ヶ月以上経過した60-79歳 ドイツ:追加接種から3ヶ月以上経過した70歳以上の者、5歳以上の免疫不全者、介護施設入所者、追加接種から6ヶ月以上経過した医療・介護従事者 イスラエル:追加接種から4ヶ月以上経過した60歳以上、18歳以上のハイリスク者、免疫不全者、療養施設入所者、医療従事者、ハイリスク者の介護者、など 2022/7時点での推奨 第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料(2022.7.22). 新型コロナワクチンの接種について.

  153. 日本での4回目接種 2022年4月27日に厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会)で対象者が決定された - 3回目接種から少なくとも5ヶ月以上あける - 60歳以上の者(努力義務あり) - 18歳以上で基礎疾患を有する者その他重症化リスクが高いと医師が認める者 第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(2022.4.27). 新型コロナワクチンの接種について. chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000934480.pdf

  154. 神戸市のCOVID-19ワクチン予約サイト 10分あれば簡単にスマホで予約できる

  155. 神戸市のCOVID-19ワクチン予約サイト 10分あれば簡単にスマホで予約できる

  156. 医療従事者に対する4回目接種 第7波(2022年7月~)に新規感染症が急速に増加し、医療従事者が感染することによって、(1)重症化リスクの高い患者への院内伝播、(2)感染による医療従事者の職場離脱で医療提供体制に影響が生ずることが懸念された(学術的な理由というよりは社会的な理由) 感染予防効果のエビデンスは限定的であるが、60歳未満の医療従事者・高齢者施設等の従事者に対する4回目接種を行う方針とした(2022.7.22~) 第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料(2022.7.22). 新型コロナワクチンの接種について.

  157. 医療従事者に対する4回目接種 米国:50歳未満の国民に対して、4回目のワクチン接種を2022年4月の時点で接種するよりも、次世代のブースター接種を待った方がよい。2022年7月になり、バイデン政権が、4回目接種の対象拡大を検討している(最終的な決定はFDAとCDCが判断する) 欧州:2022年7月現在、60歳未満や医療従事者への4回目接種はエビデンスがない、という立場を取っている 2022年7月中旬現在、医療従事者に対する4回目接種を推奨している主要先進国は、ドイツとイスラエルと日本くらいである 第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料(2022.7.22). 新型コロナワクチンの接種について.

  158. オミクロン対応ワクチン 米国・EUでは、2022年秋以降に、流行しているオミクロン(BA.4/BA.5)対応ワクチンの接種が検討されている ファイザー社・モデルナ社ともに、BA.1対応ワクチン(4回目接種として投与)の開発、免疫原性の検討はすでに行われており、従来のワクチンよりもBA.1に対する効果は高い(BA.5に対する中和抗体上昇効果は、BA.1に対するものよりも小さかった)→使用される? 現在、BA.4/BA.5に対するワクチン開発が進められている 第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料(2022.7.22). 新型コロナワクチンの接種について.

  159. オミクロン対応ワクチン WHOは、高い重症化予防効果が期待できる従来株用のCOVID-19ワクチンの3回接種を推奨しつつ、オミクロン対応ワクチンの開発の重要性・有用性を指摘している FDA(米国)は、BA.4/5と従来株に対応する2価ワクチンの開発・とboosterとしての使用を推奨 Interim statement on the composition of current COVID-19 vaccines (June 17, 2022). https://www.who.int/news/item/17-06-2022-interim-statement-on--the-composition-of-current-COVID-19-vaccines Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Recommends Inclusion of Omicron BA.4/5 Component for COVID-19 Vaccine Booster Doses (June 30, 2022). https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-fda-recommends-inclusion-omicron-ba45-component-covid-19-vaccine-booster

  160. オミクロンBA.1対応2価ワクチン(日本) 日本では、2022年10月以降に3回目以降の接種として、その使用が検討されている(第94回新型コロナウイルス感染対策アドバイザリーボード資料2-6、2022.8.10) 2022年8月30日現在、BA.5対応2価ワクチンについての検討は公表されていない

  161. オミクロンBA.1対応2価ワクチン 英国は2022年8月15日にモデルナの2価ワクチン(従来株25µg/BA.1 25µg)のワクチンをbooster接種用ワクチンとして承認した(世界初) 18歳以上を対象 1回0.5ml(従来株 25µg/BA.1 25µg) booster接種(3 or 4回目接種) First bivalent COVID-19 booster vaccine approved by UK medicines regulator (August 15, 2022). https://www.gov.uk/government/news/first-bivalent-covid-19-booster-vaccine-approved-by-uk-medicines-regulator https://www.gov.uk/government/publications/regulatory-approval-of-spikevax-bivalent-originalomicron-booster-vaccine

  162. オミクロンBA.1対応2価ワクチン BA.1対応ファイザーワクチン(感染歴なし、4回目接種での検討) - BA.1対応ワクチン30µg :従来ワクチンよりBA.1に対する中和抗体価1.75倍(武漢株 同等) - 従来ワクチン 30µg vs 2価ワクチン(15µg/15µg)を比較(GMT) - BA.1に対する中和抗体価は1.56倍(2価v 771 vs 従来v 455.8) - BA.5に対する中和抗体価:2価v 226.3 vs 従来v 78.4 (従来ワクチン30µgのBA.1に対する中和抗体価約500より低い) Pfizer/BioNTech COVID-19 Omicron-Modified Vaccine Options(2022.6.28) https://www.fda.gov/media/159496/download

  163. 従来株+BA.1対応 モデルナワクチン(感染歴あり/なし、4回目接種での検討) 4回目接種での効果を検討、3回目接種から3か月以上あけて 従来ワクチン 50µg vs 2価ワクチン(25µg+25µg) 副反応は同等 効果 - BA.1に対する中和抗体価(未感染者):1.75倍(従来ワクチンと比較) - 従来株に対する中和抗体価(未感染者):1.22倍(従来ワクチンと比較) オミクロンBA.1対応2価ワクチン medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2022.06.24.22276703; this version posted June 25, 2022.

  164. オミクロンBA.1対応2価ワクチン medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2022.06.24.22276703; this version posted June 25, 2022.

  165. オミクロンBA.1対応2価ワクチン BA.4/5に対する中和抗体価(GMT) - 未感染者:727.4 vs 115.6 (6.3倍) 4回目接種前後を比較 - 既感染者:2337.4 vs 719.5 (3.2倍) 4回目接種前後を比較 BA.5に対する十分な効果があるか不明 既感染者の場合は、効果が期待できるかもしれない medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2022.06.24.22276703; this version posted June 25, 2022.

  166. オミクロンBA.5対応2価ワクチン 米国ではBA.5対応ワクチンは2022年9-10月に使用可能になる??

  167. 60歳未満の医療従事者はどうすべき? 2022年7月からの第7波は、これまでの波と同様に1-3か月程度続く可能性があるので、その間の感染予防効果を期待するのであれば、早めの接種が望ましいと思われる。9月以降に接種することは、流行が継続していれば意義はあるが、収束傾向となっている場合は、得られる恩恵は小さい。 もし新規のオミクロン亜系統(BA.5)に対するmRNAワクチンが開発・流通するのであれば、その時に4回目接種するほうがよいかもしれない(欧米で秋~冬に流通→日本では冬~春に流通?) これまでの経緯から、4回目と5回目は5~6か月間隔で接種することになると予想される。そうであれば、8月初旬までに4回目接種したとしても、オミクロン用ワクチンが流通すると予想される2023年1~2月に、タイムリーに5回目接種が受けられるかもしれない BA.1またはBA.2に感染したことがある場合は、秋~冬のオミクロン対応ワクチン(BA.1?BA.5?日本での方針は未決定)を待てばよい

  168. このsectionのまとめ 18歳以上を対象としたmRNAワクチン2回接種による症候性感染予防効果は4か月でほぼ消失するが、booster接種によって、感染予防効果は60-80%に上昇する(ただし2ヶ月で減衰しはじめる)。mRNAワクチン2回接種の入院予防効果は、2回接種で70%であるが、6か月以降は減弱するため、booster接種が必要である。医療従事者は3回接種が望ましい。30歳未満はファイザーワクチンを選択する。60歳以上は、3回目から5か月以上の間隔をあけて、4回目接種を行う。

  169. COVID-19病棟での感染対策

  170. このsectionの内容 COVID-19病棟での感染対策 - 感染経路別予防策 - 使用する個人防護具 - いつまで感染伝播リスクがあるか - いつまで隔離が必要か

  171. 感染経路別予防策 接触予防策 飛沫予防策 空気予防策(エアロゾル発生手技の時に必要) 新型コロナウイルス感染症(COIVD-19) 診療の手引き 第6版 ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第4版.

  172. 使用する個人防護具(PPE) 個人防護具(personal protective equipment) 1. 眼・鼻・口を防護するもの  サージカルマスク or N95マスク  ゴーグル or フェイスシールド 2. 長袖ガウン 3. キャップ(必須ではない) 4. 手袋 新型コロナウイルス感染症(COIVD-19) 診療の手引き 第6版 ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第4版.

  173. N95マスクを使用する状況 エアロゾル発生手技を行う場合 気道吸引 NIV/HFNC 喀痰誘発 気管支鏡 胸骨圧迫 用手換気 気管挿管・抜管 オミクロン流行後は、常時で使用 新型コロナウイルス感染症(COIVD-19) 診療の手引き・第7版 ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第4版 を参考に作成

  174. キャップは必須ではない キャップ装着は、必須とは考えられていない ただし、髪に触れた際に、⼿指に付着したウイルスによる粘膜汚染など(手→髪→手→眼・鼻、手→髪→眼)が懸念されるため、特に髪を触りやすい人は着用したほうが安全と思われる

  175. シューズカバーは不要 集中治療室で最重症COVID-19診療している医療従事者の靴の裏のウイルスPCRが50%で陽性であった報告がある1) COVID-19診療している医療従事者の靴の前面のウイルスPCRが陽性であった報告がある2) しかし、シューズカバーを脱ぐ際に⼿指が汚染するリスクを考慮すると、シューズカバーの着用は推奨されない3,4) 1. Emerg Infect Dis. 2020 Apr 10;26(7). doi: 10.3201/eid2607.200885. 2. JAMA. 2020 Mar 4;323(16):1610-1612. doi: 10.1001/jama.2020.3227. 3. ⼀般社団法人 日本環境感染学会. 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第4版. 4. 国立感染症研究所. 新型コロナウイルス感染症に対する感染管理 2020年5月20日改訂.

  176. 効率的かつ負担の少ない感染対策 ポイント ・接触予防策を最小限にする ・身体密着がなく、体液・排泄物を浴びる可能性が低い場合はガウン不要(問診、診察、検温) ・専用病棟は不要(病室単位での隔離でよい) ・環境面の過剰な消毒は不要(手指消毒が基本) 第87回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料3-8(2022.6.8) 事務連絡. 効率的かつ負担の少ない医療現場における感染対策の徹底について(2022.8.5) 事務連絡. 病床や救急医療のひっ迫回避に向けた宿泊療養施設や休止病床の活用等について(2022.8.19)

  177. いつまで感染するリスクがあるか

  178. 「感染性がある」ことの評価方法は? 「PCR陽性」ではない ウイルス培養陽性 実際に起こったoutbreakの調査結果

  179. 主に軽症から中等症のCOVID-19患者の上気道検体のウイルス培養は、発症から10日まで陽性となりうる。無症状者も有症状者も同様の結果であった。 Euro Surveill. 2020;25(32):pii=2001483. https://doi.org/10.2807/1560-7917.ES.2020.25.32.2001483

  180. 重症または最重症のCOVID-19患者の上気道検体のウイルス培養は、発症から20日まで陽性となりうる。発症から15日を超えて陽性となる可能性は5%以下であった。 Nat Commun. 2021 Jan 11;12(1):267.

  181. 100名の患者からの感染伝播を調査した台湾の報告。Secondary caseは、index case発症から初回曝露までの期間が5日以下までの症例のみだった。感染率が高いのは、発症前曝露(pre-symptomatic transmission)、家庭内曝露、重症例/最重症例。無症状感染者からの感染(asymptomatic transmission)はなかった。 JAMA Intern Med. 2020 May 1. doi: 10.1001/jamainternmed.2020.2020. presymptomatic transmissionは発症4日前から起こりうる

  182. 高度免疫不全者では... 造血幹細胞移植後とCAR-T細胞療法の患者で発症から20日を越えてウイルス培養が陽性となった報告がある 3例報告されており、発症から25日、26日、61日目でのウイルス培養が陽性であった 高度免疫不全者には、マスク着用と手洗いを特に指導する必要がある、かつ、PCRで2回陰性化確認必要かもしれない N Engl J Med. 2020 Dec 1. doi: 10.1056/NEJMc2031670

  183. 感染伝播する期間のまとめ 発症2-4日前から発症後5-10日目までがリスクが高い - 院内感染のリスクが高い感染症である それ以降に感染伝播が起こる可能性は非常に低い → 発症から11日目以降の感染リスクはほぼない 最重症例(人工呼吸器管理)は20日間までリスクあり 高度免疫不全例の場合は、稀だがさらに長期リスクあるかも?

  184. いつまで隔離が必要か- 退院・感染対策終了基準 -

  185. 退院・隔離解除基準 発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合 原則PCR検査は行わない 従来の基準は、重症度を考慮していなかった

  186. 退院・隔離解除基準 2021年2月25日に、「人工呼吸器非使用例」と「人工呼吸器使用例」に分けられた。前者はこれまでと同様。後者は、「発症から15日間経過」に変更。また、「発症から20日間経過するまでは、退院後も適切な感染予防策を講じるものとする」と付記されている。

  187. -

  188. オミクロンかつ無症状の場合 オミクロンによる無症候性感染の場合、検体採取日から7日間療養し、8日目から療養解除が可能となった(これまでよりも短期間で通常の生活に戻ることができる) 新型コロナウイルス感染症の感染急拡大が確認された場合の対応について(2022.1.28). https://www.mhlw.go.jp/content/000889667.pdf

  189. まとめ:隔離解除のタイミング 解熱(72時間)と症状改善傾向を前提として 呼吸不全なし→発症から10日 呼吸不全あり→発症から14-20日 高度免疫不全→発症から20日 高度免疫不全の場合は、PCR陰性化確認を考慮する

  190. 隔離解除後に入院継続が必要な場合 通常の病棟・標準予防策でOK 転院も安全に可能 原則として、2-3か月以内の再感染は非常に稀なので、その期間内の発熱でPCR検査は不要(最初の感染によるPCR陽性が持続することがあるため、たとえ陽性だとしても、基本的に新しいCOVID-19とは考えない)※例外:濃厚接触者

  191. このsectionのまとめ COVID-19病棟で使用するPPEは、サージカルマスク(エアロゾル発生手技時は、N95マスク)、フェイスシールド(眼の防護)、長袖ガウン、手袋、キャップ(必須ではない)である COVID-19の感染伝播のリスクがあるのは、発症2-4日前から発症10日目(重症患者の場合は発症20日目まで)であるが、発症して1週間を超えるとリスクはかなり低くなる(症状が軽度な発症時期周辺がもっとも危険) 患者家族の安全に確保しつつ、レッドゾーンでの直接面会(特に終末期の場合)システムを構築することは重要である

  192. ウィズコロナ時代の病院外での感染対策 病院に持ち込まないためにできること

  193. このsectionの内容 病院外での感染対策の基本 医療従事者の感染は、市中感染・家庭内感染が多い 医療従事者の市中感染予防 医療従事者の家族内感染予防 学校での感染対策 濃厚接触者について 未成年へのCOVID-19ワクチン接種

  194. 病院外での感染対策(院内と同じ) COVID-19ワクチン接種(3回目接種も必要) 屋内や人混みでのマスク着用、換気 手指衛生(アルコール製剤 or 流水と石鹸) 身体的距離の確保(最低1m、可能なら2m) 換気の悪い3密(密集・密接・密閉)の回避 体調不良時は、外出しない・人と会わない

  195. 病院外での感染対策の難しさ 多数の国民がワクチン接種したこととオミクロンの流行によって、感染者のほとんどが軽症となった。第6波を超える大流行が起こらない限り、第3-5波のような医療逼迫が起こるリスクは低いと予想される そのため、一般社会に対する大部分の各種行動制限の撤廃、海外渡航制限の緩和、学校での種々の行動制限・感染対策の緩和、濃厚接触者の特定と出勤制限を求めない国の方針、保健所による積極的疫学調査の事実上の終了、がこの半年でどんどん進められてきた

  196. 病院外での感染対策の難しさ 良い悪いは別として、2022年7月現在、相当数の感染者の増加は、社会的に許容されている状況である ワクチンによる感染予防効果が低く、また、感染しても重症化リスクが低い未成年は、感染者全体の20-30%を占めている 第7波が到来した際は、大人である医療従事者がどれほど気をつけても、子どもによる家庭内への持ち込みのリスクは極めて高く、そして、それを防ぐことはほぼ不可能と思われる

  197. 医療従事者の感染は市中感染・家庭内感染が多い

  198. COVID-19大流行の米国 2020.11 https://www.beckershospitalreview.com/workforce/900-mayo-clinic-workers-diagnosed-with-covid-19-in-past-2-week.html

  199. 業務外での曝露がリスク アルファ流行期(2021.4~2021.7) 医療従事者のCOVID-19罹患リスク(質問票回答の前10日間) - 業務外の感染者への曝露(OR 19.9) - 感染した同僚への曝露(OR 2.26) - COVID-19患者対応(2.37) Clin Microbiol Infect. 2022 Jun 28;S1198-743X(22)00334-2. doi: 10.1016/j.cmi.2022.05.038.

  200. 医療従事者の市中感染予防 COVID-19ワクチン接種(3回目接種必要) 屋内や人混みでのマスク着用 手洗い 身体的距離の確保(最低1m、可能なら2m) 換気の悪い3密(密集・密接・密閉)の回避 体調不良時に外出しない

  201. マスクの効果(2次感染が50%減少) 2020.10.23-2021.2.28(従来株流行期)、マスクした場合の曝露とマスクなしの曝露の2次感染率を調査 家庭・医療機関外での濃厚接触者を対象とした、米国で実施 感染者・曝露者ともにマスクあり(12.5%) vs どちらかがマスクしていない場合(25.6%) 5-18歳に限定しても同様の結果。曝露者がマスクを使用すると2次感染率が低下。 感染者の症状の有無と2次感染率は関連なし。曝露時間が2時間以上の場合、2次感染率が高かった。 Emerg Infect Dis. 2022 Jan;28(1):69-75. doi: 10.3201/eid2801.211591.

  202. 米国カリフォルニア州 2021.2.18-2021.12.1(主にアルファ~デルタ期) 屋内(indoor public)でマスクを常時使用することで感染が著明に減少 特にN95 or KN95マスクで効果高かった 60%以上がワクチン接種0-1回接種の集団での研究 マスクの効果(オミクロン前) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Feb 11;71(6):212-216. doi: 10.15585/mmwr.mm7106e1.

  203. いつマスクをすべきなのか? 社会の流行レベルを、1週間の新規感染者数、1週間の新規入院患者数、入院患者に占めるCOVID-19患者の割合、から評価する 週3000人以上(神戸市) COVID-19 Community Levels (updated on 3/24/2022) https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/community-levels.html

  204. Mediumの場合 免疫不全または重症化リスクがある場合、マスクの着用が必要かどうか、医療従事者に相談する 重症化するリスクの高い人と家庭内または社会的に接触している場合、室内で一緒にいるときは、マスクの着用を検討する 可能な限り、室内空間の換気を良くする 上記以外の場合、個人の好みでマスクを着用する 症状がある場合は、マスクを着用する COVID-19 Community Levels (updated on 3/24/2022) https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/community-levels.html

  205. Highの場合 ワクチン接種の有無にかかわらず、公共の場では屋内で(学校を含む)フィット感のあるマスクを着用する 免疫不全または重症化リスクがある場合、より高い保護性能を持つマスクや呼吸器を着用する 重症化するリスクの高い人と家庭内または社会的に接触している場合、室内で一緒にいるときは、マスクの着用を検討する。 可能な限り、室内空間の換気を良くする COVID-19 Community Levels (updated on 3/24/2022) https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/community-levels.html

  206. 個人的なマスク着用の推奨 病院内・高齢者施設内(必須) 屋内(人が多い場合 and/or 換気が悪い場合) 公共交通機関内 人混み(屋外)

  207. 特に感染に気をつける状況 食事会(会食) 余暇活動 旅行先(人混み、食事中) 海外旅行(海外のマスク着用率は低い)

  208. ●職員のQOLを低下させてきた病院外での過剰な活動制限 - ルールにしていた病院もあるが、強制力を持たせてもよいのか? - パンデミックが始まって2年以上経過した現在も継続する? ●「安全に」「緩和」していく必要がある。一方で、病院内・施設クラスターの原因の多くは、患者ではなく職員の持ち込みである 医療従事者の長期間の活動制限

  209. Pandemicが始まって2年以上が経過した。食事会・旅行・余暇活動を長期間制限することは、各人のQOLやメンタルヘルスを大きく損なう可能性が高い。2年以上も「プロ意識を持て」というのは、「気合いで頑張れ」とそう変わらない。 そもそも、職員の感染は、旅行などの外出時より、子どもの学校・保育園クラスターなどからの家庭内感染のほうが多い(2022年7月時点で、会食による感染も増加傾向...) どうやったらもとの生活に(近い状態に)戻れるのかを考える。ワクチン接種した上で、手洗い・マスク・換気の悪い3密空間の回避(旅行そのものを制限する根拠はない)を適切に行う、体調不良者は会食などに参加しない、ことにつきる。 職員の活動制限をどう考える?

  210. 職員の生活制限のタイミングは? 私見:職員の感染者・濃厚接触者の増加によって、通常業務の支障を来すレベルとなった場合は、会食制限などを検討してもよいかもしれない(ただし過度な私権制限は控えるべき、また、流行状況が収束傾向となった場合は、制限解除を迅速に検討すべき) 当院の場合は、第7波の2022年7月29日に、家族・同居者以外との会食を控えるように通知(講演会・イベント・国内出張/旅行・海外渡航などについては、注意喚起のみ) 政府・専門家・学会の推奨があれば、それを参考にする

  211. 会食をする場合に気をつけること 全員COVID-19ワクチン接種済みであることが望ましい 体調不良者は参加しない 他のテーブルとの距離が1-2m以上ある店を選ぶ 換気のよい店を選ぶ なるべくマスクを着用 頻回にアルコールによる手洗いを行う 人数制限の意義:感染者の参加率↓、クラスター化した場合の就労制限対象となる医療従事者と濃厚接触者になる患者↓ 会食開始前に行うこと

  212. 余暇活動での感染対策 バーベキュー、スポーツジム、カラオケなど COVID-19ワクチン接種(3回) マスクの着用の徹底(食後の会話、歌唱時など) 十分な身体的距離の確保、換気 症状がある場合は「趣味など余暇活動」に参加しない

  213. 新型コロナウイルス感染症対策分科会. 分科会から政府への提言. 感染リスクが高まる「5つの場面」と「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」2020.10.23. https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/teigen_12_1.pdf

  214. 海外渡航:帰国時の対応の緩和 出国72時間以内の検査証明書の提出 誓約書の提出 スマートフォンの携行と必要なアプリの登録 ワクチン接種証明書

  215. 帰国時後の対応:ほぼフリーパス https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html

  216. -

  217. 家庭内感染予防 COVID-19ワクチン接種(適応ある12歳以上全員3回接種がベスト)  各人の感染リスク低下、だれかが感染しても家族内伝播リスク減少 家庭内への持ち込みを防ぐことは不可能 COVID-19の家族がいる場合、以下を行うと2次感染が減少する - Social distanceの確保 - マスクの着用 - 高頻度接触面の消毒 - 部屋の換気(窓を開ける) BMJ Glob Health. 2020 May;5(5):e002794. doi: 10.1136/bmjgh-2020-002794.

  218. 家庭内の感染伝播は10-20%以上で起こる COVID-19患者のいる家庭内の空気とCOVID-19患者の病室の空気のウイルス検出率は前者のほうが8-9倍高い 家庭内での感染は以下の状況でリスクが高い :寝室が同じ、30分以上の会話 Emerg Infect Dis. 2020 Aug;26(8):1666-1670. JAMA Intern Med. 2020 Sep 1;180(9):1156-1163. Clin Infect Dis. 2020 Nov 5;71(8):1953-1959. Clin Infect Dis. 2020 Nov 19;71(16):2099-2108. Clin Infect Dis. 2020 Nov 5;71(8):1943-1946. Clin Infect Dis. 2021 Jul 30;73(Suppl 2):S138-S145. Lancet Infect Dis. 2020 Aug;20(8):920-928. Lancet Infect Dis. 2020 Nov 2;S1473-3099(20)30833-1. Infect Control Hosp Epidemiol. 2022 Feb;43(2):248-252. 家庭内での伝播のリスクは高い

  219. 学校での感染対策 学校活動を維持することは、子どもの健全な発育のために最も優先されるべき 「不織布マスクの着用、手指衛生、教室の十分な換気」を徹底する 体育の時間、屋内でも会話なく身体的距離が確保できている場合は、マスク不要 学習塾・スポーツクラブ(経済産業省)や学童保育(厚生労働省)等校外でも、文部科学省が所管する学校での対応に準拠した感染対策を徹底することが極めて重要である 学校や学習塾、学童保育の教職員等は、子どもの健全な発育のためにも、積極的なワクチン接種を検討する 日本小児科学会. 2022年3月時点での新型コロナウイルス感染症流行下での学校活動について http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=141 学校生活における児童生徒等のマスク着用について(2022.5.24) https://www.mext.go.jp/content/20220525-mxt_kouhou01-000004520_01.pdf

  220. 学校でのユニバーサルマスキング 米国、2021.8.23~10.16(デルタ流行期)、幼稚園年長~高校生を対象 ユニバーサルマスキング要件のある学区 vs マスク要件のない学区で、罹患率の違いを検討:前者で生徒・教師のCOVID-19の発生が23%低かった。また、マスク要件なしから要件ありに途中で変更した学区では、感染者が著明に減少した。 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 8 March 2022. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7110e1

  221. 学校生活における児童生徒等のマスク着用について(2022.5.24) https://www.mext.go.jp/content/20220525-mxt_kouhou01-000004520_01.pdf

  222. 濃厚接触者について - 定義 - 日本環境感染学会. http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide4.pdf 国立感染症研究所 感染症疫学センター(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9357-2019-ncov-02.html) ・患者と同居あるいは長時間の接触(社内・航空機内等を含む)があった者 ・適切な感染防護なしに患者を診察、看護もしくは介護をしていた者 ・患者の気道分泌液もしくは体液などの汚染物に直接触れた可能性の高い者 ・手で触れることのできる距離(目安として1m)で、必要な感染予防なしで患者と15分以上の接触があった者 院内 院外

  223. 濃厚接触者についての最近の話題 オミクロンの潜伏期間の報告から、濃厚接触者の待期期間は、14日間から7日間に短縮されていたが(2022年1月)、2022年7月22日に待期期間が7日から5日にさらに短縮された(検査を行えば3日目に就労可能)。ただし、新しいエビデンスが発表されたわけではなく、潜伏期間が5日以上となる可能性は17%程度あることには注意が必要である。 大流行かつ未診断の感染者が多い一般社会においては、社会機能を維持するための合理的な判断と思われる。一方で、病院・高齢者施設においては、就労できない医療従事者を減らして、医療体制維持するための方策と思われるが、院内感染リスクが上昇するため、それをどの程度許容するか施設毎に検討する必要がある

  224. 濃厚接触者の就労制限 2022.1.28の事務連絡で変更 オミクロン流行期(70%以上がオミクロン)では 最終曝露日から7日間待機し、8日目から解除 Essential workerの場合、その所属する事業者で以下の検査を行い、陰性が確認できた場合は、待機期間を短縮することが可能(無症状であることが前提) - 最終曝露日から4日目と5日目の抗原定性検査が陰性→5日目に解除 - 検査は事業者が負担する 新型コロナウイルス感染症の感染急拡大が確認された場合の対応について(2022.1.28). https://www.mhlw.go.jp/content/000889667.pdf 当院の場合は曝露日から7日目にPCR検査して陰性確認している

  225. 濃厚接触者の待機期間(2022.7.22) 2022.7.22の事務連絡で変更 BA.5系統への置き換わりが進む中、感染者が急増しており、保健所業務の重点化や社会経済活動の維持の観点から、方針を変更 最終曝露日から5日間待機し、6日目から解除 または、Essential workerに限らず、最終曝露日から2日目と3日目の抗原定性検査が陰性であれば、3日目に解除 7日間が経過するまで、健康状態の自己確認、ハイリスク者のいる場所への不要不急の訪問・感染リスクの高い場所の利用や会食を避け、マスク着用する B.1.1.529系統(オミクロン株)が主流である間の当該株の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施について(2022.7.22). https://www.mhlw.go.jp/content/000968056.pdf

  226. オミクロンの潜伏期間(日本) SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告(2022.1.13). https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10903-b11529-period.html 積極的疫学調査 ・5日以内に90%以上が発症する HER-SYSのデータだと... ・6日目以降に17%が発症する

  227. すぐに注意喚起を追加 2022.7.30の事務連絡 B.1.1.529系統(オミクロン株)が主流である間の当該株の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施について(2022.7.30). https://www.mhlw.go.jp/content/000971531.pdf

  228. 東京新聞. https://www.tokyo-np.co.jp/article/166276 一般社会(学校も含まれる)で「濃厚接触者」はほとんどいなくなった(調査されない and 仕事継続可)

  229. 米国での濃厚接触者の就労制限 Booster接種済み - 就業制限なし - 検査は2回行う:曝露後すみやかに、曝露後5-7日後 その他の場合 - 曝露後7日間就業制限、かつ、職場復帰前48時間以内の検査陰性 - 曝露後10日間就業制限(職場復帰前48時間以内の検査は考慮) 共通:適切なPPEの使用、健康観察、体調不良時の自己隔離+検査 Interim Guidance for Managing Healthcare Personnel with SARS-CoV-2 Infection or Exposure to SARS-CoV-2. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/guidance-risk-assesment-hcp.html [accessed on July/10/2022]

  230. 欧州の隔離解除基準(オミクロン流行後) ※オミクロン流行地域では「3か月以内」のほうがよいかもしれない Guidance on quarantine of close contacts to COVID-19 cases and isolation of COVID-19 cases, in the current epidemiological situation, 7 January 2022. https://www.ecdc.europa.eu/en/covid-19/prevention-and-control/quarantine-and-isolation

  231. 医療職の濃厚接触者の就業制限 病院として「濃厚接触者」と”総合的に”考えた場合 (濃厚接触者の定義を満たさない「接触者」の一部を含んでもよい) - ワクチン接種歴の有無に関係なく、以下を行う  (ワクチン接種の有無で区別することは、日本では難しい印象) - 最低7日間就業制限→5日に変更(部署によっては7日間がよいかもしれない) - 曝露後数日以内と曝露後4-5日目にPCR検査し、陰性ならその時点から就業可 - 基本的な感染対策を遵守、7日間の健康観察、体調不良時の自己隔離+検査 院内のマンパワー、検査(PCR・抗原)へのアクセス、行政上のルールを踏まえて、各病院ごとに対応を決定

  232. 医療・介護職以外の濃厚接触者は? 患者が病院内で濃厚接触者となった場合 - 7日間隔離、かつ、5-7日目にPCR検査が安全である - 医療従事者と異なり、常時適切にマスク着用できているわけではない 一般社会(学校を含む) - そもそも積極的疫学調査されないため、濃厚接触者になりえない 家庭内での濃厚接触者 - 5日間待機して、6日目から復帰 - 2-3日目に抗原定性検査して、3 or 4日目に職場復帰

  233. 検査しながら就業するという方法もある 厚生労働省 事務連絡(2022.3.16) - ワクチン3回接種済み、または2回接種後6か月以内 - 無症状の濃厚接触者 - 毎日の業務前にPCR検査または抗原定量検査(止む得ない場合は抗原定性検査)で陰性が確認されている - すべてを満たす場合は、就業可 - 検査期間は、最終曝露日から5日間(確実性を上げるには7日間?) 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/content/000913724.pdf

  234. 同居家族が陽性となった場合、居住を分離できない濃厚接触者の職員の就業制限期間は? 同居家族が感染伝播リスクが消失した時点(発症10日目)を最終の濃厚接触とすると、その5-10日後までになるので、最長15-20日間も就労できなくなる(職場の人員不足が大きな問題となる、かつ、発症あら5-7日目以降に感染することはほとんどない)

  235. 同居家族が陽性となった場合、居住を分離できない濃厚接触者の職員の就業制限期間は? 発症から5日間が特に感染リスクが高い 医療従事者なので、マスク着用、手指衛生、環境消毒を適切に行うことができる(はず) COVID-19患者が幼児~小学校低学年の場合は、親と子が距離を取ることは難しいと思われる

  236. 神戸市立医療センター中央市民病院の場合 10歳未満の同居家族がCOVID-19に罹患した場合  同居者の発症から12(10)日間隔離(=5日+7(5)日)  12(10)日日のPCR検査が陰性であれば解除 10歳以上の同居家族がCOVID-19に罹患した場合  同居者が分離できていると申告のある日から7(5)日間隔離  分離開始7(5)日目のPCR検査が陰性であれば解除 2022年2月以降 2022年7月以降

  237. 未成年へのCOVID-19ワクチン接種 効果と安全性

  238. 未成年へのCOVID-19ワクチン接種 オミクロン前のワクチンの効果と安全性 - 12歳以上の未成年へのワクチン効果 - 12歳以上の未成年へのワクチンの安全性 - 5-11歳へのワクチン効果 - 5-11歳へのワクチンの安全性 若年者(5-18歳)におけるmRNAワクチンのオミクロンへの効果

  239. 12歳以上の未成年へのファイザーワクチン オミクロン流行前のBNT162b2ワクチンの効果 - 症候性感染予防効果:接種後5-6か月間80-90%減少(1-3) - 入院予防効果:6か月以上90%以上減少(4) - 救急外来受診抑制効果:接種後6ヶ月間約80%減少(5) 1. N Engl J Med. 2021;385(3):239-250. doi:10.1056/NEJMoa2107456 2. N Engl J Med. 2021;385(22):2101-2103. doi:10.1056/NEJMc2114290 3. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022;71(11):422-428. doi:10.15585/mmwr.mm7111e1 4. N Engl J Med. 2022;386(20):1899-1909. doi:10.1056/NEJMoa2202826. 5. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022;71(9):352-358. doi:10.15585/mmwr.mm7109e3

  240. 12歳以上へのファイザーワクチンの効果 オミクロン流行前 対象は2260人(小規模)、12-15歳 ファイザー 中和活性は16-25歳より高値 COVID-19の予防効果:100% N Engl J Med. 2021;385(3):239-250. doi: 10.1056/NEJMoa2107456.

  241. ワクチンによるMIS-Cの発症予防効果 2021.9.1-2021.10.31(デルタ期)にMIS-C(Multisystem Inflammatory Syndrome in Children)と診断された12-18歳の患者を対象とした(フランス) 33名の患者のうちファイザーワクチン2回接種済みの患者はいなかった 1回のワクチン接種で90%以上の発症予防効果が認められた JAMA. 2021 Dec 20;e2123262. doi: 10.1001/jama.2021.23262.

  242. ワクチンによるMIS-Cの発症予防効果 2021.7.1-2021.12.9(デルタ流行期)、米国の24の小児病院 ファイザーワクチン2回接種の12-18歳におけるMIS-Cの発症予防効果は91%であった MIS-C 102例のうち、2回接種済みは5名(5%)のみ(ICU入室1名、昇圧薬・MV・ECMOは0名)、両群死亡なし MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Jan 14;71(2):52-58. doi: 10.15585/mmwr.mm7102e1.

  243. 12歳以上の未成年へのワクチンの安全性 ●12-15歳へのファイザーワクチンの安全性 局所症状:12-15歳と16-25歳で同等、1回目と2回目でほぼ同等 全身症状:12-15歳と16-25歳で同等、1回目<2回目 ファイザーワクチン接種後の心筋炎:男性で、1回目接種後10万接種あたり0.56例、2回目接種後 10万接種あたり8.09例(16-24歳よりやや少ない)、女性では稀 N Engl J Med. 2021;385(3):239-250. doi: 10.1056/NEJMoa2107456. N Engl J Med. 2022 Jan 26;NEJMc2116999. doi: 10.1056/NEJMc2116999.

  244. 12歳以上におけるワクチン接種後心筋炎 12~29歳の男性の2回目で多い - 12-17歳の男性の2回目で最多 - 特に16-17歳男性で最多(左図) ファイザー<モデルナ(30歳未満はファイザーを優先する) ほとんど軽症で重症例は稀(5%未満) 100万接種あたりの心筋炎 mRNA COVID-19Vaccine-Associated Myocarditis. [https://www.cdc.gov/vaccines/acip/meetings/downloads/slides-2021-11-2-3/04-COVID-Oster-508.pdf] (11/2021) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Jul 9;70(27):977-982. doi: 10.15585/mmwr.mm7027e2. JAMA. 2022 Jan 25;327(4):331-340. doi: 10.1001/jama.2021.24110. BMJ. 2021 Dec 16;375:e068665. doi: 10.1136/bmj-2021-068665. Nat Med. 2022 Feb;28(2):410-422. doi: 10.1038/s41591-021-01630-0. https://www.mhlw.go.jp/content/000844011.pdf

  245. デルタ流行期 症候性感染予防効果 90.7% 重症例は両群とも0 MIS-Cも両群とも0 f/u期間:2~3か月 N Engl J Med. 2021 Nov 9;NEJMoa2116298. doi: 10.1056/NEJMoa2116298. FDA. https://www.fda.gov/media/153409/download 5-11歳へのワクチン効果

  246. 5-11歳へのワクチンの安全性 5-11歳を対象(N=2268名) 1回接種量10μg、ファイザー 2回目接種後の全身反応は16-25歳に対する30μgより少ない ワクチン接種群で、中和活性は99%以上で上昇(16-25歳に対する30µgと同等) N Engl J Med. 2021 Nov 9;NEJMoa2116298. doi: 10.1056/NEJMoa2116298. FDA. https://www.fda.gov/media/153409/download

  247. 5-11歳へのワクチンの安全性 ・日本での5-11歳に対するファイザーワクチンの副反応についての報告 ・発熱(37.5度以上) 1回目12.1%、2回目11.3% ・発熱(38.0度以上) 1回目6.1%、2回目4.8% ・2回目接種後の発熱は成人(20%以上)より少ない ・接種部位反応・全身症状は許容範囲内 ・全体的に副反応は成人と同程度または軽い傾向 別の報告では... ・2回目接種後の心筋炎は100万回接種あたり2.6件 第34回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(2022.8.8) 参考資料1 5-17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方(日本小児科学会) 2022.8.10

  248. 米国では、2021.11.3-2021.12.19に約870万回接種された 有害事象の97.6%が非重症(重症に分類されたのは100例) 発熱 1回目 7.9%、2回目 13.4% 心筋炎は、11例(トロポニン上昇15例)→約80万接種に1例 心筋炎による死亡例なし 死亡2例(ワクチンとの関連は現時点では認められていないがreview中) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Dec 31;70(5152):1755-1760. doi: 10.15585/mmwr.mm705152a1. 5-11歳へのワクチンの安全性

  249. 5-11歳の心筋炎の頻度は低い COVID-19 vaccine safety updates: Primary series in children and adolescents ages 5–11 and 12–15 years, and booster doses in adolescents ages 16–24 years [https://www.cdc.gov/vaccines/acip/meetings/downloads/slides-2022-01-05/02-COVID-Su-508.pdf] (1/2022)

  250. 若年者(5-18歳)におけるmRNAワクチンのオミクロンへの効果

  251. 米国での推奨(2022.8現在) パンデミックが始まってから2022年5月までの5-11歳の感染状況が日本と大きく異なっている(感染480万人以上、入院15000人、死亡180人以上) そのため、3回目接種の臨床データはまだ乏しい状況であるが(免疫原性は確認済み)、5-11歳への3回目接種を推奨(2回目から5か月以上あけて3回目を接種する) オミクロン(BA.1)流行期(2021.12~2022.2)に、ファイザーワクチン未接種の5-11歳の小児は、入院リスクが2回接種者と比較して、2.1倍だった MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Apr 22;71(16):574-581. doi: 10.15585/mmwr.mm7116e1.

  252. 2-3回接種のオミクロンへの感染予防効果↓ ファイザーワクチン(米国)2回接種の効果を検討した観察研究(2021.4~2022.1) 5-11歳(オミクロン流行期):ER受診 約50%減少(接種から2か月以内、それ以降の効果は検討されていない) 12-17歳(デルタ流行期):ER受診 約80%減少(5か月以上) 12-17歳(オミクロン流行期) - ER受診 約30-50%減少(5か月以内) - 5か月以上経過すると予防効果なし - 3回目接種で効果81%まで上昇(16-17歳) 入院予防効果は、74-94%であったが、オミクロン流行期のみでの検討はされていない MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Mar 4;71(9):352-358. doi: 10.15585/mmwr.mm7109e3.

  253. 2-3回接種のオミクロンへの感染予防効果↓ 米国で行なわれた前向きコホート研究(2021.7.25-2022.2.12) 1364名の小児と青年は毎週SARS-CoV-2検査を施行(症状関係なし) ワクチンを1回以上接種した子供は、未接種の子供よりマスク使用時間が長かった ファイザーワクチン2回接種のオミクロン感染予防効果は 2回目接種から14-82日  5-11歳(2021.11.2から接種推奨):31% 2回目接種から14-149日  12-15歳(2021.5.12から接種推奨):59%(デルタでは87%) 5-11歳への効果低く短期間? MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Mar 18;71(11):422-428. doi: 10.15585/mmwr.mm7111e1.

  254. 2回接種のオミクロンへの入院予防効果↓ 12-18歳:接種からの日数は162日(中央値) 5-11歳:接種からの日数は34日(中央値) N Engl J Med. 2022 May 19;386(20):1899-1909. doi: 10.1056/NEJMoa2202826. 入院予防効果

  255. 2回接種のオミクロンへの重症化予防効果 N Engl J Med. 2022 May 19;386(20):1899-1909. doi: 10.1056/NEJMoa2202826. オミクロン流行期でも、重症化予防効果高い:12-18歳の人工呼吸器レベル(critical case:Covid-19 leading to life-supporting interventions or death)を79%減少させる(2回目接種から中央値162日)

  256. 未成年(5-11歳、12-17歳)でのオミクロンに対するファイザーワクチン効果 米国NY州 5-11歳と12-17歳に対するファイザーワクチンの効果を検討 2021.12-2022.1(オミクロン流行期) 5-11歳では、ワクチンによる感染予防効果は、1-2か月以内にほぼ消失し、入院予防効果も1-2か月以内に急速に低下(約50%の効果) 12-17歳の場合、接種1-2か月であれば感染は、未接種者の2.3分の1であった JAMA. 2022 Jun 14;327(22):2242-2244. doi: 10.1001/jama.2022.7319.

  257. 米国で行われた観察研究 5-11歳に対するワクチン2回目接種の効果は2か月までしか検討されていないが、症候性感染予防効果は最初の1か月は60.1%、2ヶ月目は28.9% 12-15歳では、最初の1か月は59.5%、2か月目は16.6%、3ヶ月目以降は効果消失 12-15歳に対するbooster接種(2回目から5ヶ月以上の間隔で接種):接種2-6.5週後の感染予防効果は71.1% 未成年(5-11歳、12-17歳)でのオミクロンに対するファイザーワクチン効果 JAMA. 2022 Jun 14;327(22):2210-2219. doi: 10.1001/jama.2022.7493.

  258. 12-17歳へのファイザーワクチンの効果 12-17歳へのファイザーワクチン2-3回接種の救急外来受診抑制効果@米国(2021.11.1-2022.3.18) 2か月以内:73% 2-6か月:約40% 6か月以降:効果なし 3回目:87% ただし、f/u期間中央値19日(9-32) JAMA Network Open. 2022;5(8):e2225162. doi:10.1001/jamanetworkopen.2022.25162

  259. 12-17歳へのファイザーワクチンの効果 ファイザーワクチン2回接種の症候性感染・重症化予防効果を検討@ブラジル・スコットランド(2021.8-2022.4.19) オミクロン流行期の症候性感染予防効果(ブ/ス) - 2回目接種14-27日 64.7/82.6% - 98日以降 5.9%/50.6% - スコットランドでの効果が高かった オミクロン流行期の重症予防効果(入院+死亡)@ブラジル - 98日以降 80%以上

  260. 5-11歳へのファイザーワクチンの効果 イスラエルからの報告 2021.11.23以降に接種した5-11歳(2022.1.7まで) オミクロン流行期に検討 予防効果(2回目接種7-21日) - 感染51%、症候性感染48% - 感染予防効果は若年ほど認められる傾向があった 観察期間は非常に短い(2回目接種から1か月未満) N Engl J Med. 2022 Jul 21;387(3):227-236. doi: 10.1056/NEJMoa2205011.

  261. 5-11歳へのファイザーワクチンの効果 シンガポールでのファイザーワクチン2回接種の効果、2022.1.21-2022.4.8(オミクロンBA.1/2流行期) PCR or 抗原検査での診断例:36.8% 2回目接種から7-14日 48.8%、15-29日 37.6%、30-59日 28.5%、60日以降 25.6% COVID-19関連入院:82.7% 2回目接種から7-14日 87.8%、15-29日 84.5%、30-59日 80.4%、60日以降 データなし N Engl J Med. 2022 Aug 11;387(6):525-532. doi: 10.1056/NEJMoa2203209.

  262. ファイザーワクチン2回接種の効果を検討@カナダ(2022.1.2-2022.5.28:BA.1 or BA.2) 接種間隔:8週間を推奨 症候性感染予防効果:54% - 2回目接種7-29日後 67%、その後低下  60-89日後 51%、90日以降 35% 入院・死亡予防効果:81%(60日以降で74%) 接種間隔は8週間以上が最良であった  ただし、3か月を超えると感染予防効果は減衰 5-11歳へのファイザーワクチンの効果 Available at SSRN: https://ssrn.com/abstract=4176388 or http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.4176388

  263. 12歳以上の未成年への効果のまとめ オミクロンに対するBNT162b2ワクチン2回接種の効果 - 感染予防効果:20-60%、救急外来受診抑制効果:30-50% (接種後3-6か月) - 入院・最重症化予防効果:約40%・約80%(効果は6か月以上で確認) booster接種 - 短期的には効果が上昇することが示された(接種後2か月までのみ検討) - 感染は約70%減少、救急外来受診は約80%減少 - 長期的な効果については明らかではない

  264. 効果の持続期間のデータが不十分、かつ、稀な副反応として心筋炎が懸念されはするが、これまでに示された感染予防・重症化予防効果を考慮すると、オミクロン流行期における12歳以上に対するBNT162b2ワクチンは、積極的にbooster接種まで行うことが望ましい。なお、2022年5月現在、日本以外にも、米国・フランス・ドイツ・イスラエルなどで、12歳以上全員にbooster接種まで行うことが推奨されている。特に、基礎疾患(慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、悪性腫瘍、神経疾患など)をもつ重症化・入院リスクの高い12歳以上の未成年に対しては、積極的に接種を検討すべきである。 12歳以上の未成年への効果のまとめ

  265. 5-11歳以上への効果のまとめ 5-11歳に対するワクチン2回目接種の効果は2-3か月までしか検討されていないため長期的な成績は不明、かつ、booster接種の効果も今後の検討事項である ワクチン2回接種による効果... - 感染予防効果:約30-60% - 救急外来受診抑制効果:約50% ※感染予防効果:2回目接種5週以降には消失する可能性がある - 入院予防効果(接種後3か月までの検討):50-80%

  266. 基礎疾患のある重症化・入院リスクの高い5-11歳に対するワクチン2回接種は積極的に推奨される。一方、重症化リスクが極めて低い健康な5-11歳への接種は、感染者を減らす・入院を減らすという点で十分意義があると考えられるが、成人と比較するとそのメリットは小さい。そのため、得られる効果と副反応(16-25歳と比較すると発熱などの全身反応の頻度は低い)を本人・養育者に十分説明した上で、その考え方・希望に応じて、接種を検討する必要がある。特に感染者が多い状況では、重症化予防効果を期待して接種を推奨する。また、子どもをCOVID-19から守るためには、周囲の成人(同居家族や子どもに関わる業務従事者)のワクチン3-4回接種が重要である。 5-11歳以上への効果のまとめ

  267. 未成年へのワクチン接種のメリット 重症化予防効果がある(基礎疾患のある子どもは、重症化するリスクが高い) 頻度は低いが(日本での報告は非常に少ない)、小児多系統炎症性症候群(Multisystem Inflammatory Syndrome in Children、MIS-C)は重篤な病態である(年齢中央値は8-11歳で、10歳以上が40-50%程度) Long COVIDの予防 オミクロンに対する2回接種の発症予防効果はある(軽度かつ短期間)  →同居する家族(主に大人)に感染させる危険性が軽度減少する  →感染による病欠や学校内での流行による学級閉鎖が減る可能性がある N Engl J Med. 2020;383(4):334-346. doi: 10.1056/NEJMoa2021680. Lancet Child Adolesc Health. 2020;4(9):669-677. doi: 10.1016/S2352-4642(20)30215-7. 厚生労働省:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/column/0008.html 日本小児科学会:http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=379 Acta Paediatr. 2021;110(3):914-921. doi: 10.1111/apa.15673 Lancet Child Adolesc Health. 2021;5(10):708-718. doi: 10.1016/S2352-4642(21)00198-X.

  268. 未成年へのワクチン接種のデメリット ●副反応 ・発熱・倦怠感・頭痛は、若年成人と同等の頻度である ・心筋炎:思春期から若年成人の男性でリスク高い(1回目<2回目)  ただし頻度は低い(数万~10万人に1人)、ほとんどが軽症(90%以上)  5-11歳での心筋炎発症のリスクは、10-20歳台より低い  接種から1週間以内が多い→接種後1週間は自覚症状に注意  はげしい運動も控えることを考慮(日本小児科学会推奨) 厚生労働省:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/column/0008.html 日本小児科学会:http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=379

  269. 諸外国での5-11歳へのワクチン推奨 以下の国ではファイザーワクチンが選択されている 米国・カナダ・フランス・EU・イスラエル:全員 英国:重症化リスクある場合・免疫不全者と同居している場合は接種可能 ドイツ:基礎疾患を有する場合や重症化リスクのあるものと接触のある場合に推奨、個人や保護者が希望する場合は接種可能 WHO:基礎疾患があり重症化する重大なリスクがある場合は推奨、より優先度の高いグループの高い接種率が達成されてから小児のワクチンを検討すべき 第30回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(2022.2.10)資料1 2022年2月時点

  270. 子どもをCOVID-19から守るためには、周囲の成人(子どもに関わる業務従事者等)への新型コロナワクチン接種が重要である 基礎疾患のある子どもへのワクチン接種により、COVID-19の重症化を防ぐことが期待される 5~11歳の健康な子どもへのワクチン接種は12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種と同様に意義があると考える 健康な子どもへのワクチン接種には、メリット(発症予防等)とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応が必要である 日本での小児への接種の考え方(2022.1) 日本小児科学会. 5-11 歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方(2022.1.19). http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=404

  271. 第95回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年8月18日)資料 第6波以降感染者における小児の割合は増加した 第7波では感染者の絶対数がこれまでと比較して非常に大きくなった結果、小児の入院患者も増加した(入院が必要になる感染者の割合は非常に低い)

  272. 新潟大学医学部小児科学教室 @Niigata_u_ped (2022.8.1)

  273. 日本小児科学会は方針を変更(2022.8.10) 第7波(2022.7以降)になり、入院を要する小児のCOVID-19患者が著増した(小児の重症化は非常に稀であるが、感染者数が著増したため)。オミクロンは、発熱・熱性けいれん・咽頭痛・嘔吐の報告が多い。2歳未満・基礎疾患がある場合は重症化リスクが高い。 5-17歳のすべての小児にCOVID-19ワクチン接種を推奨 12-17歳に対しては、3回目接種も推奨 - 重症化予防効果が40-80%認められるため - 国内でも安全性のデータが蓄積されたため 周囲の成人が適切な回数(3-4回)のワクチンを接種することを推奨 5-17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方(日本小児科学会) 2022.8.10

  274. 2022年8月時点での結論 12歳以上へのbooster接種推奨(2回目との接種間隔は5-6ヶ月以上) 5-11歳への2回接種(primary series)も推奨された(2022.8-)  米国で効果(デルタ流行期)と安全性は十分に確認された  日本では2022年3月から接種開始(2022年8月30日時点で2回接種率19.7%)  オミクロンに対する感染予防効果は高くない(重症化予防効果は維持)  3回接種すればよいのかもしれないが、それについては、まだ検討されていない  異なるvariantが流行した場合、接種歴があったほうがよいかもしれない

  275. 5-11歳への3回目接種 今後3回目の接種が可能になる(2022年8月30日に追加承認) 2022.8.29の厚労省の会議で検討→翌日追加承認された(5か月以上の間隔で) 米国では2022.5.17に5-11歳へのファイザーワクチンboosterが承認された(2回目接種から5か月以上の間隔で接種) 安全性は確認されている - 2回目接種とほぼ同等 - 38.0℃以上の発熱 5.1%でやや多かった(1回目1.4%、2回目3.9%) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Aug 19;71(33):1047-1051. doi: 10.15585/mmwr.mm7133a3. コミナティ筋注5~11歳用の用法・用量追加承認について(2022.8.30). https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27677.html https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-fda-expands-eligibility-pfizer-biontech-covid-19-vaccine-booster-dose

  276. 6か月~4歳へのワクチン接種 プレス・リリース(文献化未) ファイザーワクチン(1回3µg):0, 3w, 11w(接種間隔 3-8週間・最低8週間) プラセボ対照無作為化比較試験@米国・欧州・ブラジル BA.2流行期(2022.3~2022.6) フォローアップ期間は、3回目接種から約2か月 症候性感染予防効果 73.2% ※米国ではモデルナワクチン(25µg) 2回接種(4-8週間隔)も使用可能 https://www.businesswire.com/news/home/20220823005341/en/ https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-fda-authorizes-moderna-and-pfizer-biontech-covid-19-vaccines-children 米国FDAは2022.6.17に6か月~4歳に対するファイザーワクチン、6か月~17歳に対するモデルナワクチンを承認した

  277. 感染を制御するための7つの対策 1. 権限ある立場の人による公的な声明で強化されたCOVID-19のリスクとリスク軽減に関する明確で一貫したメッセージの発信 2. すべての年齢層でワクチン接種を促進(特に、これまで接種が少なかったグループに重点を置く、免疫の減衰と新しい変異体による免疫逃避に対処する明確な長期的計画を併せ持つことが重要) 3. すべての公共施設(学校など)に換気・空気清浄機を設置する 4. 公衆衛生ガイドラインに従うことができるように無料の抗原定性検査を提供する 5. 感染し自己隔離する労働者に対する金銭的およびその他の支援 6. 感染率が高い場合、屋内の公共スペースや公共交通機関におけるFFP2/FFP3マスクの使用を体系的に促進する 7. ワクチンと抗ウィルス薬の公平な世界的供給への支援の強化 BMJ. 2022 Jul 19;378:o1793. doi: 10.1136/bmj.o1793. FFP2・N95・KN95 :ほぼ同等の濾過性能

  278. 病院外での感染対策(再掲) COVID-19ワクチン接種(3回目接種も必要) 屋内や人混みでのマスク着用、換気 手指衛生(アルコール製剤 or 流水と石鹸) 身体的距離の確保(最低1m、可能なら2m) 換気の悪い3密(密集・密接・密閉)の回避 体調不良時は、外出しない・人と会わない

  279. このsectionのまとめ 病院外での感染対策も、院内での感染対策と基本は同じ:COVID-19ワクチン接種(3回目接種も必要)、屋内や人混みでのマスク着用、換気、手指衛生(アルコール製剤 or 流水と石鹸)、身体的距離の確保、換気の悪い3密(密集・密接・密閉)の回避、体調不良時は人と会わない、ことが重要である。 現時点では、COVID-19ワクチン接種後も、基本的な感染対策(マスク・身体的距離の確保・換気の悪い3密回避・換気)は継続する 5-11歳へのワクチン2回接種の感染予防効果は短期間かつ低いが、重症化予防効果は期待できるため、特に大流行期は接種が推奨される(3回目接種については今後の知見待ち)

  280. ご清聴ありがとうございました

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.