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術前・入院前・検査前のPCRとCTは必要? 2020.12

  • 放射線科

  • 感染症科

  • 感染症
  • COVID-19

37,110

8

2020/12/12
2020/12/12 更新

本スライドの対象者

研修医/専攻医

内容

2020.11に掲載したもののこの項目の抜粋です。

黒田浩一

神戸市立医療センター中央市民病院


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術前・入院前・検査前のPCRとCTは必要? 2020.12

  1. COVID-192020.12 UPDATE 神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科 黒田浩一

  2. PCR検査についてのQ&A 術前・入院前・検査前のPCR/CTは必要?

  3. Q3:術前・入院前・検査前のPCR/CTは必要? PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液) 胸部CT ※無症状であることが前提 ※検査:消化管内視鏡、気管支鏡、肺機能検査など

  4. スクリーニング検査の目的は2つ 院内感染予防 患者のoutcomeの悪化を防ぐ(術前)

  5. 院内感染予防 院内感染の目標は「院内感染ゼロ」 - アウトブレイクによって、病院機能は著明に損なわれる 気管挿管などのエアロゾル発生手技は高リスク

  6. 潜伏期間中の手術/全身麻酔はリスク高い COVID-19の潜伏期間に外科的手術(全身麻酔)を行った場合の予後が悪いことを示した中国武漢で行われた観察研究(N=34) 術前は全員COVID-19の症状なし ICU入室44% ARDS 32.4% 死亡20.5% EClinicalMedicine. 2020 Apr 5:100331. doi: 10.1016/j.eclinm.2020.100331.

  7. 手術前後のCOVID-19は呼吸器合併症と死亡リスクが高い 手術前7日以内または手術後30日以内にCOVID-19と診断された患者1128名を対象とした多施設観察研究 30日死亡:23.8% 呼吸器合併症(肺炎・ARDS):51.2% 呼吸器合併症のある患者の30日死亡:38.0% 30日死亡のリスク:男性、70歳以上、ASA III-V、悪性疾患、緊急手術、major surgery Lancet. 2020 Jul 4;396(10243):27-38.

  8. 悪性腫瘍患者のCOIVD-19は予後不良 悪性腫瘍患者のCOVID-19(N=105)の予後について検討した観察研究。 血液悪性腫瘍、肺癌、転移のある悪性腫瘍、肺転移、40日以内の免疫チェックポイント阻害薬の使用、40日以内の外科手術は、重症化率と致死率の上昇に関連した。 Cancer Discov. 2020 Apr 28. doi: 10.1158/2159-8290.CD-20-0422.

  9. 無症状なのになぜPCR? 症状ないCOVID-19患者をみつける - pre-symptomatic transmission - asymptomatic transmission

  10. 疑問:本当に意味があるのか? social distanceを過去2週間守っている場合のリスクは0では? しかし...自己申告はどの程度信頼できるかは、患者によって異なる 有病率何%の場合に、pre-symptomatic transmissionのリスクが許容できなくなるのか? その有病率は、PCR検査で診断されたもので計算?抗体検査が必要(抗体検査の疫学研究では、確定診断例よりも多数感染者がいることが判明している)? そもそも偽陰性率の高い時期にPCR検査を行う意味はあるのか?

  11. 計算してみると...

  12. 実際どの程度の効果が期待できるのか 検査前確率:0.1%、感度50%、特異度99.9%とした場合  1万人検査して、10人の患者のうち5人診断・5人見落とし  1万人検査して、10人の偽陽性(陽性的中率33%)

  13. 実際どの程度の効果が期待できるのか 検査前確率:0.1%、感度50%、特異度99.99%とした場合  1万人検査して、10人の患者のうち5人診断・5人見落とし  1万人検査して、1人の偽陽性(陽性的中率83%)

  14. 実際どの程度の効果が期待できるのか 検査前確率:0.1%、感度30%、特異度99.9%とした場合  1万人検査して、10人の患者のうち3人診断・7人見落とし  1万人検査して、10人の偽陽性(陽性的中率23%)

  15. スクリーニングPCR検査の利点と欠点 利点: - 職員の安心(安全ではない) - 検査前確率と結果解釈を正しく意識すれば無症状病原体保有者をみつけて、 診療・感染対策に活かすことができる 欠点: - 偽陰性例・偽陽性例の存在 - 検査陰性で安心して、標準予防策の遵守率が低下するリスク - コスト(金銭面、採取する医師・検査する技師の仕事の増加)

  16. スクリーニング検査時の注意点 偽陽性例の存在を意識する:陽性であった場合、症状や行動歴を詳細に聴取して、対応を判断する。特にPCR検査ではなく、抗原検査でスクリーニング検査をする場合、陽性であった場合のフローを考えておく(PCR検査で再検?) 偽陰性例の存在を意識する:入院患者全員に対して、その患者が数日後に発症したとしても、職員が感染するリスクが低くなるようなら感染対策を実施する(標準予防策、特に手指衛生の徹底、ユニバーサルマスキング、アイシールド)

  17. スクリーニングPCR検査 感度には限界があるので、偽陰性例は存在するため、結局入院患者全員に感染対策の徹底が重要:標準予防策とユニバーサルマスク(+アイシールド) 特異度が99.9%であっても、偽陽性は問題となる(99.99%であれば、偽陽性はほとんど問題にならない) 検査前確率が重要であり、過去2週間の症状と行動歴によって、検査前確率が高い群のみスクリーニング検査してもよいかもしれない

  18. Risk-Benefitを考慮すると... 流行期は... - 術前は、全例PCR検査施行 - 予定入院のうち化学療法入院は、全例PCR検査施行  を考慮してもよいと思われる 非流行期は、PCR検査の有用性は低いため、行わない 「流行期」の決まった定義はない:各施設で設定すればよいと思われるが、例えば、「その医療圏の新規発症者数が増加傾向ではなく、1週間の感染経路不明新規患者が人口10万人あたり0.5人未満」(神戸市であれば、1週間で7人以下)を、「流行の収束とする」 Risk Benefit 注意:2020.11現在の個人的な意見です 検査能力の高い施設であれば、検査閾値は低くてもよい??

  19. 無症状なのになぜCT? PCRとどちらを優先?両方? 症状ないCOVID-19患者をみつける - 潜伏期間 - 無症状病原体保有者

  20. 胸部CTの有用性 無症状の患者において、胸部CTで異常所見を呈することがある  - 濃厚曝露歴のある医療従事者(PCR検査のタイミング不明)1, 2)  - ダイアモンド・プリンセス号に乗船かつPCR陽性者3) COVID-19患者(=症状あり)で、PCRより感度が高い可能性4-6)  - 感度94%、特異度37%4)  - 有病率が1%未満の場合の陽性的中率は非常に低い(1.5%)4) 1. Lancet Infect Dis. 2020;20(4):425-434. 2. Lancet Infect Dis. 2020;S1473-3099(20)30247-4. 3. Radiology: Cardiothoracic Imaging. 2020;2(2):2200110. doi:10.1148/ryct.2020200110 4. Radiology. 2020 Apr 17;201343. doi: 10.1148/radiol.2020201343 5. Radiology. 2020 Feb 19;200432. doi: 10.1148/radiol.2020200432 6. Radiology. 2020 Feb 26;200642. doi: 10.1148/radiol.2020200642.

  21. 本当に有用?? 無症状で曝露歴のない人における精度は不明 症状ある場合、PCRより感度が高い可能性がある。しかし、特異度は低く、有病率が低い地域では、陽性的中率は非常に低い 無症状の場合のdataはないが、検査前確率とCT検査の感度・特異度は低いと想定されるため、陽性的中率は非常に低いと予想される 放射線曝露・コスト・ availabilityの問題も存在する

  22. 慶応大学からの報告 2020.4.6-2020.5.29に全身麻酔の予定手術目的で入院する無症状の患者(292名)の術前胸部CTとRT-PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液)を施行 PCR陽性の3名(全員その後2週間症状なし)のCTは正常 CT異常は9名で、全員PCR陰性(うち7名は2回目のPCRを施行し陰性) CTの精度:感度0%、陽性的中率0%、特異度96.9%、陰性的中率98.9% 小規模な観察研究であるが... 東京の有病率では、術前CTの有用性は低い可能性が高い Journal of Infection and Chemotherapy. https://doi.org/10.1016/j.jiac.2020.09.025. Available online 29 September 20

  23. 原則スクリーニング胸部CTは不要 無症状かつ待機手術の場合は、原則CT検査不要 胸部CTを考慮する状況(下記はスクリーニング検査ではない) - COVID-19の症状(発熱、気道症状など)がある場合 - COVID-19への濃厚曝露歴がある場合 - 重症な状態での緊急手術で、症状や曝露歴の確認が不十分な場合 - その地域の有病率が非常に高い場合 注意:2020.11現在の個人的な意見です

  24. スクリーニング検査の重要なポイント 地域の流行状況 症状の有無 過去2週間の曝露歴・行動歴 COVID-19であった場合のリスク(院内感染・重症化) 検査のavailability、施設の財政状況、職員の思い(?) →施設ごとに総合的に判断して指針を作成する

  25. 当院での術前・入院前PCRの実績... 2020.5.7-2020.7.28(術前PCR) - 347例中1例陽性(0.28%):神戸市繁華街への頻回の外出歴 2020.7.29-9.30(術前+入院前PCR) - 3069例中2例陽性(0.07%) - 2例とも術前PCR(2例とも神戸市繁華街への外出歴あり)

  26. 抗原定量検査によるスクリーニング COVID-19を疑わない夜間緊急入院患者のスクリーニング :2020.10.5-10.31:360例中陽性例なし 2020.10.5-10.16:「判定保留(1-10 pg/mL)」はPCR施行 :157件施行、陽性0例、判定保留10例  判定保留例は全例PCR陰性 2020.10.17-10.31:「判定保留」の場合、遠心して再測定 :203例施行、陽性0例、判定保留4例  4例中3例は再測定で陰性、1例は再測定行わずにPCR施行し陰性

  27. 結果の解釈 陽性例は0.1%程度 事前の診察のある入院前の症例では1例も陽性例なし 事前に診察のない術前スクリーニングで3例陽性 神戸市の有病率では、入院前のスクリーニングPCRは不要な可能性が高い 術前2週間の問診票(症状と行動歴を記載)によって、検査の必要性を検討してもよいかもしれない

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