救急×緩和ケアってなあに?(第7回救急×緩和ケアセミナー)

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岡村 知直

みなとクリニック

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救急外来の現場に訪れるのは、「急性期疾患」の患者さんばかりではありません。そもそも「急性期」とは何でしょうか? 救急外来に運ばれたら「急性期」なのでしょうか?

救急外来に来る/急性期病院に入院する方々は、必ずしも急性期医療を受けたくて来たわけではありません。何らかの困りごとがあるかもしれませんし、困りごとが何かを患者さんご自身も言語化できていないかもしれません。

本スライドでは、社会のセーフティネットとも言える救急外来において実践されるべき「救急緩和ケア」についてまとめました。

<今後必要とされる救急緩和ケアとは>

・患者と対話するためのコミュニケーション力
・患者が本質的に求めている支援をトータルペインの観点から整理すること
・それらを多職種と患者・家族で共有し、「患者中心の医療」に統合していくこと

※本スライドは、2020年3月28日に開催された「第7回救急×緩和ケアセミナー」で使用されたスライドです。

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【公式】Antaa Slideへのアップロード方法

Antaa Slideは、医師・医学生のためのスライド共有プラットフォームです。 本スライドでは、Antaa Slideへのスライドアップロード方法を解説します。 ① Antaa Slideへのログイン方法 ② スライドのアップロード方法 ③ アップロードしたスライドの確認方法 ④ ご利用にあたっての注意点 勉強会やセミナーのために作ったスライドを、皆でシェアして知識をつないでいきましょう。アップロードをお待ちしています! ※登録には、医師資格登録年度または医学部卒業見込み年度の入力が必要です。 <以下のnoteもぜひご覧ください> Antaa Slideは、医師同士の“Giveの精神”でつながるスライド共有プラットフォーム https://note.com/antaa/n/n5fabdc34a32f Antaa Slideってどんなサービス? 反響をまとめてみました https://note.com/antaa/n/nd09bf6ed8f3f

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新型コロナウイルスワクチン(COVID-19ワクチン)Q&A

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タコでもわかる静注抗菌薬の話

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ショックのまとめ【定義・分類・鑑別を中心に】

救急外来や病棟急変でよく出会うショックについて、確実に知っておくべき知識を理解していますか? ショック=血圧低値と誤解されることが多い、ショックの概念についてまとめました! 生理学や生化学から、ショックの定義や分類、鑑別を中心にまとめています。 初期研修医の先生方や看護師さんにとっては、きっと学びの多いスライドとなっているはずなので、参考にしていただければ幸いです◎

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それって本当に尿管結石?!

<ERで「尿管結石?」って思ったら> 1. 安易に決めつけるのはNG! 2. エコーで“らしい”所見をチェック! 3. 鑑別疾患を意識して、重篤な疾患を見逃すな! 本スライドは、「三銃士 指導医・研修医レクチャーシリーズ」vol.10です。質問・コメントは以下へお願いします。 http://bit.ly/39kNKUy ※「三銃士」は、救急・集中治療医の坂本壮、総合診療医の髙橋宏瑞、鎌田一宏により運営される、医学教育の課題解決を目指した教育ユニットです。 ▶三銃士Facebookページ https://www.facebook.com/dartagnanproject ▶坂本壮のAmazon著者ページ https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B079T41LV8

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救急×緩和ケアってなあに?(第7回救急×緩和ケアセミナー)

1. みなとクリニック 岡村 知直 救急×緩和ケアってなあに?
2. すいません、岡村が作った造語です しかし、今後必要と思うので、今年3月まで  セミナーを立ち上げてみんなで考えてきました      救急×緩和ケアってなあに?
3. 急性期医療も緩和ケアも本質は一緒 相互補完できる 全てを「患者中心の医療」に統合していこう ジェネラリスト、スペシャリスト、そして急性期、慢性期、回復期、            本日のメッセージ みんなで「患者」を「支援」しよう
4. 研修医の時によくあった光景① 深夜4時のER 87歳脳梗塞後、ADL全介助で施設入所中の男性 1週間前まで誤嚥性肺炎で入院、退院後施設でもムセていた 深夜3時、発熱とSpO2低下にて救急要請 今年に入りすでに誤嚥性肺炎で3回入院している 急変時にはDNARと前回入院時確認されている
5. あなたの反応は? Question 1 D A B C よっしゃーテンション上がるぜ! 来るまでに鑑別診断を20個くらい挙げておくか! マジかよ、この前まで入院してたやん。施設一体何してんだよ。あそこの施設、すぐ救急車呼ぶからな~ DNARだから何もしないんだろ、そもそも救急車呼ぶなよ。貴重な医療資源を使って。。。 患者の推定意思を家族から聴取しつつ、感情に配慮したコミュニケーションを行わなくてはね!うん、今日もご飯が美味い!
6. 当時自分がショックだったこと 救急医療従事者も頑張っている 家族も疲れ果てている 患者もめちゃ辛いはず 施設もたぶん頑張っている 誰もハッピーになる未来が見えない      Dr A「こんなの急性期じゃないやろ!」
7. 研修医の時に経験した光景②(フィクションが入っています) 60代女性 肺がんstage4 呼吸器内科より、化学療法を受けていたが、現在3rd lineで効果乏しいと判断されている。 主治医は予後を3か月と見積もっていたが、本人・家族には伝えておらず「先のことはわからない」と伝えていた。 ADLは低下、ベッド上であったが特に支援は受けず夫が介助していた。ある日、ベッド上で意識障害、呼吸促拍しているため救急要請。
8. 研修医の時に経験した光景②(フィクションが入っています) あなたは救急の当直医で診察に関わった。 搬送時ショックバイタル。造影CTで肺塞栓症であった。 患者はるい痩著明で多臓器不全。原疾患の終末期と考えられ、夫に病状を伝え、侵襲的治療の無益性を伝えようとしたが。。。 夫は「今までそんな話を聞いたことはなかった。きっと治ると信じて頑張ってきたのにそんな話をしないでほしい。人工呼吸器も心臓マッサージも全てやってほしい!!!」
9. あなたの反応は? Question 2 D A B C 無益性に対する説明が不足してたかな。よーし、今からもっとたっぷりお話ししなきゃ! はあ。またあの先生か。ちゃんと病状説明してないからこんなことになるんだよ! がんの終末期になんで集中治療しなきゃいけないんだ。こっちも忙しいのに。助かるならいいけど、そもそも末期でしょ!? 患者さん、旦那さんともに病状を受け入れる暇もなくこんなことになってしまったんだな。できること、できないことを誠実にお話ししつつ、救急医としてベストを尽くそう。
10. 当時を振り返ると。。。 「急性期医療」と「終末期医療」は別のものだと考えていた 「急性期医療」こそ医療の花形かつ中心と思っていた 実際に救急外来の現場では「急性期疾患」の患者ばかりではない          そもそも急性期って何?          救急外来に運ばれたら急性期?          急性期=加算のこと?病状のこと?医師の判断?          終末期って何?          緩和ケアって何? みんな自分の都合いいように患者を操作していないか!?
11. 緩和ケアとは(2002年WHO憲章) 生命を脅かす疾患に関する問題に直面している患者とその家族に対して 痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し 的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって苦しみを予防し 和らげることで、QOLを改善するアプローチ
12. 緩和ケアとは(2002年WHO憲章) 生命を脅かす疾患に関する問題に直面している患者とその家族に対して 痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し 的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって苦しみを予防し 和らげることで、QOLを改善するアプローチ がん限定なんて 言うとらん!
13. 緩和ケアとは(2014年追加) 生命を脅かす疾患を持つ人だけでなく、慢性疾患を持つ人も対象とする 緩和ケアの提供に時間や予後による制限はない すべての医療レベルで緩和ケアの提供が必要である その人がいる場所によらず提供される Global Atlas of Palliative Care at the End of Life, WHO 2014より改変引用
14. 最初の2例で救急緩和をするためには。。。 病状の理解 予後予測 コミュニケーション
15. 疾患によるTrajectory Line
16. 外来 ER&入院 病気の診断 死亡 予防ケア 病気のケア 緩和ケア グリーフケア 16 Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  時間 Advance care planning
17. 外来 ER&入院 病気の診断 死亡 予防ケア 病気のケア 緩和ケア グリーフケア 17 Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  時間 Advance care planning Advance care planning
18. 外来 ER&入院 病気の診断 死亡 予防ケア 病気のケア 緩和ケア グリーフケア 18 Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  時間 Serious illness conversation
19. 外来 ER&入院 病気の診断 死亡 予防ケア 病気のケア 緩和ケア グリーフケア 19 Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  時間 Serious illness conversation 時間は少し タイミングは微妙
20. 外来 ER&入院 病気の診断 死亡 予防ケア 病気のケア 緩和ケア グリーフケア 20 Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  時間 Crisis communication
21. 外来 ER&入院 病気の診断 死亡 予防ケア 病気のケア 緩和ケア グリーフケア 21 Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  時間 Crisis communication
22. 外来 ER&入院 病気の診断 死亡 予防ケア 病気のケア 緩和ケア グリーフケア 22 Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  時間 Advance care planning Serious illness conversation Crisis communication
23. 可逆性100%に近い 可逆性0に近い 意思決定に十分な時間がない(数分~一時間) 意思決定するための時間に余裕はある(数日) 可逆性の判断が困難である D 難しい状況 Time Limited Trialの提示 Advance Directiveの議論 可能であればACP B 相手の価値観を探りつつ、医学的にできることとできないことを繰り返し伝える F 普段通りのコミュニケーション 数少ない合併症のリスクの説明で十分 高齢者・基礎疾患を有する患者であれば入院中にACP  E パターナリスティックなコミュニケーションが有効 まずは医学的な状況の共有を優先する A パターナリスティックなコミュニケーション 相手をこれ以上傷つけない心遣いを意識する C 最も難しい状況Time Limited Trialの提示 数時間の猶予がある 救急外来でのコミュニケーションタイプ別(岡村発案)
24. 岡村の雑感 コミュニケーションとして難易度が高い状況で、コミュニケーション教育を受けたことが無い救急医が、緩和ケアニーズの高い患者さんに対応している コミュニケーション能力の高い緩和ケア医が、救急医師と絡むことはほとんどない 救急医がトレーニングできる緩和ケア科を作りたい!!
25. 思い出症例③ 70代女性 経過:COPDで内科かかりつけだが、アドヒアランス不良、喫煙継続している女性。COPD急性増悪により複数回入院歴あり。最終入院は1か月前であった。 1週間前、喫煙を契機にCOPD増悪し救急搬送、入院した。 あなたは主治医としてβ刺激薬吸入、ステロイド投与、抗生剤投与、BIPAPによる急性期治療を行った。呼吸状態は安定した。
26. ナースステーションでの会話 Dr「また○○さんか、どうしようもないね」 Ns「どうせまた来るだろうけど、早く退院させて」 Dr「禁煙外来紹介しても行ってくれないしなあ」 Ns「夫もいつも煙草臭いし、他に家族もいないみたい」 SW「生活保護なんで、病気になってもお金かからないしな」
27. 追加情報 既往歴:COPDで過去6回入院歴あり      吸入薬もしたりしなかったり 社会歴:内縁の夫と二人暮らし 子供いない      生活保護 喫煙歴:20本/日×40年 現在も喫煙している    急性期治療は終了、これからのことを面談する予定    
28. Question 3 どうしましょう?
29. 追加情報 Dr「今回はCOPDの急性増悪です。これで6回目ですね。医学的には~~~~~~~~~~~~~~~~という状況です」 Pt,夫「はあ」 Dr「いい加減禁煙しないと死にますよ。ご主人も。」 Pt,夫「そうですねーなるべく止めます」 Dr「体力も落ちてますが、在宅ですか、通院ですか、転院ですか、選んでください」 Pt,夫「自宅で通院でいいです」 そして1か月後…
30. 追加情報 再増悪して搬送、何とか急性期医療を行い、救命に成功した。 Dr「どうして煙草を吸うの?」 Pt「いやー、なかなか止められないですねー」 Dr「はああ」
31. 追加情報 ある日ふと質問してみた  Dr「今のご主人の前の人との間に子供いないんですか」  Pt「40年前に、土砂崩れで全員死んだよ、私以外」  Dr「それから煙草吸い始めたんですか?」  Pt「・・・・・」
32. トータルペイン http://www.central.or.jp/pcu/
33. 必ずしも急性期医療を受けたくて来たわけではない 何らかの困りごとがあってやってきた 困りごとが何かは、患者は言語化できない 救急外来は社会のセーフティネットである 救急外来に来る/急性期病院に入院する人達は
34. “Providing care that is respectful of, and responsive to, individual patient preferences, needs and values, and ensuring that patient values guide all clinical decisions.” Institute of Medicine, May 15, 2015 患者中心の医療とは何か?
35. 急性期治療が終わったら?
36. 慢性疾患における急性期と急性期以降の違い 急性期:専門的な医療提供を、可能な限り迅速に、的確に      提供する        必要なもの:精度の高さ 医学知識 細かなケア 急性期以降:患者の価値観に沿いつつ、医学的にも妥当なケア        を行い、再発をなるべく防ぐ        必要なもの:多様な価値観に合わせる柔軟性              課題発見力 医学知識             
37. ジェネラリストこそ、救急×緩和ケアの担い手である             スペシャリスト) 自分の手にした技術、知識をもとに、どうしたら目の前の患者に使えるかを考える   →適応がなければ興味を失う 病気を見る ・ジェネラリスト=ER医、緩和ケア医、総合内科医) 目の前の患者にとって何が問題なのかを考える 患者の文脈に沿った医療提供を、多職種と連携して行う      ↑この二つがジェネラリストの専門性   →医療以外も含めて、患者全体を見る     (どこまで見るかは個人の嗜好ですが)
38. 今のところの私見 ①患者と対話するためのコミュニケーション力 ②患者が本質的に求めている支援をトータルペインの観点から整理 ③上記内容を多職種と患者・家族で共有し、「患者中心の医療」に統合していく    ♡救急医であろうと緩和ケア医であろうと、誰でもいい♡    ♡誰かがやればいいし、お互いに協力できたらなおいい♡ 今後必要とされる救急緩和ケア
39. 急性期医療も緩和ケアも本質は一緒 相互補完できる 全てを「患者中心の医療」に統合していこう ジェネラリスト、スペシャリスト、そして急性期、慢性期、回復期、            本日のメッセージ みんなで「患者」を「支援」しよう
40. このレクチャーは Question4 D A B C 素晴らしかった 感動した また聞きたい 見学行きたい