テキスト全文
戦略的抗菌薬選択の概要と基本概念
#1. \やってみよう!/ 戦略的抗菌薬選択 Tuesday, June 9, 2026 Hirotaka Yamaguchi
抗菌薬選択における戦略的アプローチ
#6. Micro 細菌学 的知識 Biology
#7. 戦 Strategy 略 的 抗 菌 Antibiotics Micro 薬 Biology 選 Choice 択
#8. Chapter 1 戦略的 Strategy
#9. ほとんどの場面で 「超」広域抗菌薬は不要 重症だからといって、メロペネムは要らない。 さらに、ピペラシリン/タゾバクタムは使わない。 そして、キノロン系抗菌薬を使わずとも戦える。 ひとつの抗菌薬でスペクトラムが足りなければ 異なるカテゴリーを併用する。 (あるいは、原因菌が判明してから追加する)
#10. ほとんどの場面で 「超」広域抗菌薬は不要 「メロペンバンコ」は「デフォ」じゃない。 タゾピペが「最適解」であることは、まれ。 キノロンは「気軽に」使う薬ではない。
患者背景と感染臓器の特定方法
#11. 戦略的ってどういうこと? ①患者背景の把握 ②感染臓器の特定 ③原因菌の想定 ④想定菌に鑑みた抗菌薬選択
#12. 戦略的ってどういうこと? ①患者背景の把握 ②感染臓器の特定 ③原因菌の想定 ④想定菌に鑑みた抗菌薬選択
#13. 戦略的ってどういうこと? ①患者背景の把握 ②感染臓器の特定 ③原因菌の想定 ④想定菌に鑑みた抗菌薬選択
#14. 想定菌に鑑みた抗菌薬選択 ①懸念される耐性機構 ②抗菌薬のスペクトラム ③カバーを外す菌種
#15. 想定菌に鑑みた抗菌薬選択 ①懸念される耐性機構 菌種のカテゴリーによって取りうる耐性機構が異なる。 ②抗菌薬のスペクトラム ③カバーを外す菌種
#16. 想定菌に鑑みた抗菌薬選択 ①懸念される耐性機構 ②抗菌薬のスペクトラム 強弱ではなく、細菌マップに照らして範囲を考える。 ③カバーを外す菌種
#17. 想定菌に鑑みた抗菌薬選択 ①懸念される耐性機構 ②抗菌薬のスペクトラム ③カバーを外す菌種 すべての菌種を漏れなく駆逐したがることをやめる。
抗菌薬のプロファイルと選択基準
#18. (Chapter 1) 抗菌薬のプロファイル を掴めれば、選べる! ①懸念される耐性機構 ②抗菌薬のスペクトラム ③カバーを外す菌種
#19. Chapter 2 Micro 細菌学 的知識 Biology
グラム陰性桿菌の耐性機構と治療戦略
#23. グラム陰性桿菌 ESBLやAmpC型BLなど耐性機構が多彩、もっとも抗菌薬を選ぶのが難しいカテゴリー
#24. グラム陰性桿菌 耐性機構はプラスミドで伝播するESBLが多く、内因耐性のあるプロテウス属は要注意
#25. グラム陰性桿菌 特にエンテロバクターではAmpC型BLを考慮すべき、シトロバクター属の感受性は多彩
#26. グラム陰性桿菌 カルバペネムは必ずしも安全ではなく、アミノグリコシド系抗菌薬の併用も選択肢
#27. グラム陰性桿菌 市中発症の多くは抗菌薬を使わずとも軽快するが、ときにトリッキーに振る舞うヤツら
#28. グラム陰性桿菌 COPDを背景に原因菌となりやすく、βラクタム系抗菌薬の耐性機序とその程度が様々
#29. グラム陰性桿菌 咬傷を受けずとも、肝硬変など免疫不全があると重症化して致命的になりうるカテゴリー
グラム陽性球菌の感染症と抗菌薬選択
#30. グラム陰性桿菌 腹腔内感染の他、歯性感染や頭頚〜胸部縦隔の膿瘍性病変で原因となる偏性嫌気性菌たち
#31. グラム陰性桿菌 シデロフォアを産生し、肝硬変患者など鉄が多い環境で増殖して高病原性を暴発
#32. グラム陽性球菌 黄色ブドウ球菌と溶連菌が代表格で、抗MRSA薬(VCMなど)を使うか否かで迷う…かも?
#33. グラム陽性球菌 細菌性肺炎のメジャーな原因菌で、肺炎の初期治療薬は肺炎球菌+αを考えて選択
#34. グラム陽性球菌 丹毒/蜂窩織炎や壊死性皮膚軟部組織感染症、トキシックショック症候群の原因に想定
#35. グラム陽性球菌 心内膜炎や膿瘍の原因で、頻度は少ないがβラクタム系抗菌薬に耐性となっている懸念
#36. グラム陽性球菌 胆管炎や腹腔内感染症など、初期治療から必ずしもカバーしなくても良いのが腸球菌
グラム陽性桿菌の治療における注意点
#37. グラム陽性球菌 サブ 経皮的侵入やCRBSIの頻度が高く、黄色ブドウ球菌ではSAB bundle に照らした対応
#38. グラム陽性球菌 ほとんどの場合で意図せずカバーされてしまうので、抗菌薬選択で迷うことは無い(たぶん)
#39. グラム陽性桿菌 真の原因菌となる頻度は少ないが、背景次第でリステリアやクロストリジウムに要注意
#40. グラム陽性桿菌 メトロニダゾールで治療できることが多いが、診断が遅れると致死的となる病態の原因
#41. グラム陽性桿菌 高齢者や細胞性免疫不全の患者では、細菌性髄膜炎(市中発症)の原因菌として考慮必須
#42. グラム陽性桿菌 コンタミネーションのことが多いが、稀ながらCRBSIや肺炎の原因
#43. グラム陰性球菌 遭遇する頻度は多くなく、グラム染色像のみならず病態と感染臓器から菌種を想定
抗菌薬の種類とその適応
#44. グラム陰性球菌 アンピシリンに内因耐性をもち、気管支炎や肺炎の原因菌だが稀に菌血症を来すと致命的
#45. グラム陰性球菌 ほとんどの場合でセフトリアキソンが第一選択、接触者対応やSTI/STDの検索にも留意
#46. カンジダ 初手はミカファンギンが無難だが、菌種と感染臓器によってはフルコナゾールも考慮
#47. ちょっと特殊なカテゴリー 診断と想起が重要で、マクロライドやテトラサイクリンを使うべくして使う菌種たち
#48. 再掲 抗菌薬の「選び方」 に基づく細菌マップ (Chapter 2)
#49. Chapter 3 抗菌薬 Antibiotics
#50. この抗菌薬、なんでしょう? (スペクトラムから抗菌薬を思い浮かべれば、最適解が見つかる)
セフォタキシムとセフトリアキソンの使い分け
#51. ① セフトリアキソン ② セフォタキシム ③ セフォチアム ④ セフメタゾール
#52. ① セフトリアキソン ② セフォタキシム ③ セフォチアム ④ セフメタゾール
#53. CMZ セフメタゾール ESBL産生菌の他、まぁまぁ偏性嫌気性菌をカバーできるセファマイシン系(側鎖にメトキシ基)
#54. ① セファゾリン ② セフォタキシム ③ クリンダマイシン ④ ミノサイクリン
#55. ① セファゾリン ② セフォタキシム ③ クリンダマイシン ④ ミノサイクリン
#56. CTX セフォタキシム 中枢移行性も良いオールラウンダーで、セフトリアキソンとの使い分けも◎
#57. CTRX セフトリアキソン 中枢移行性も良く髄膜炎の治療ではお馴染み、Caイオン含有のリンゲル液との配合には要注意
アミノグリコシド系抗菌薬の役割と選択
#58. ① アジスロマイシン ② ドキシサイクリン ③ シプロフロキサシン ④ セフェピム
#59. ① アジスロマイシン ② ドキシサイクリン ③ シプロフロキサシン ④ セフェピム
#60. AZM アジスロマイシン 電解質異常や、向精神薬の副次作用などと相まってQTc延長や致死的不整脈のリスク
#61. ① セフトリアキソン ② セフォタキシム ③ セフォチアム ④ セフメタゾール
#62. ① セフトリアキソン ② セフォタキシム ③ セフォチアム ④ セフメタゾール
#63. CTM セフォチアム バッグ製剤を使えば簡便で、薬剤耐性の無いグラム陰性菌を狙い撃つなら、これ
#64. ① セフォチアム ② アンピシリン ③ ペニシリンG ④ セファゾリン
ペニシリン系抗菌薬の特性と使用法
#65. ① セフォチアム ② アンピシリン ③ ペニシリンG ④ セファゾリン
#66. ABPC アンピシリン 市中肺炎の治療にも使えて、ここぞという場面で重宝する古き良き広域ペニシリン
#67. ① メロペネム ② ゲンタマイシン ③ トブラマイシン ④ ピペラシリン
#68. ① メロペネム ② ゲンタマイシン ③ トブラマイシン ④ ピペラシリン
#69. GM ゲンタマイシン シナジーを狙う他、βラクタム系との併用でスペクトラムを補完し得るアミノグリコシド系
#70. ① メロペネム ② ゲンタマイシン ③ トブラマイシン ④ ピペラシリン
#71. ① メロペネム ② ゲンタマイシン ③ トブラマイシン ④ ピペラシリン
セファロスポリン系抗菌薬の選択基準
#72. TOB トブラマイシン 耐性傾向が強いグラム陰性桿菌の他、緑膿菌を狙って使うなら、これ
#73. ① セフトリアキソン ② リネゾリド ③ アンピシリン/スルバクタム ④ バンコマイシン
#74. ① セフトリアキソン ② リネゾリド ③ アンピシリン/スルバクタム ④ バンコマイシン
#75. VCM バンコマイシン 確立された抗MRSA薬で、血中濃度モニタリング下にAUC/MICを管理して用量調整
#76. ① ピペラシリン ② アンピシリン/スルバクタム ③ セフェピム ④ セフメタゾール
#77. ① ピペラシリン ② アンピシリン/スルバクタム ③ セフェピム ④ セフメタゾール
#78. PIPC ピペラシリン 院内肺炎でも使い勝手が良く、偏性嫌気性菌もカバーできてしまうペニシリン系
抗菌薬の併用療法とその効果
#79. ① アンピシリン ② アンピシリン/スルバクタム ③ セフェピム ④ セファゾリン
#80. ① アンピシリン ② アンピシリン/スルバクタム ③ セフェピム ④ セファゾリン
#81. CEZ セファゾリン 蜂窩織炎の他、黄色ブドウ球菌の治療に欠かせない初代セファロスポリン系
#82. ① セフタジジム ② セフェピム ③ レボフロキサシン ④ セフォタキシム
#83. ① セフタジジム ② セフェピム ③ レボフロキサシン ④ セフォタキシム
#84. CFPM セフェピム 「超」広域スペクトラムかつAmpC型BLにも安定、抗がん化学療法や血液内科の領域で重宝
#85. ① セフタジジム ② セフトリアキソン ③ レボフロキサシン ④ セフェピム
耐性菌に対する戦略的抗菌薬選択
#86. ① セフタジジム ② セフトリアキソン ③ レボフロキサシン ④ セフェピム
#87. CAZ セフタジジム 薬剤耐性を誘導しにくく、感染巣を問わず緑膿菌と戦うなら、これ
#88. ① セフタジジム ② アミカシン ③ トブラマイシン ④ ピペラシリン/タゾバクタム
#89. ① セフタジジム ② アミカシン ③ トブラマイシン ④ ピペラシリン/タゾバクタム
#90. AMK アミカシン 多剤耐性菌や抗酸菌も治療でき、アミノグリコシド系の最終兵器的な存在
#91. ① シプロフロキサシン ② メロペネム ③ レボフロキサシン ④ ミノサイクリン
#92. ① シプロフロキサシン ② メロペネム ③ レボフロキサシン ④ ミノサイクリン
抗菌薬の併用によるスペクトラム拡大
#93. MINO ミノサイクリン リケッチア感染症で頻用されるが、黄色ブドウ球菌もカバーできて(こっそり)広域
#94. ① メロペネム ② アンピシリン/スルバクタム ③ ピペラシリン ④ セフメタゾール
#95. ① メロペネム ② アンピシリン/スルバクタム ③ ピペラシリン ④ セフメタゾール
#96. ABPC/SBT (Chapter 3) アンピシリン/スルバクタム 頻用されがちだが腹腔内感染や膿瘍治療で活躍、BLBLICsの代表格でステップダウンも簡便
#98. これにマクロライド系抗菌薬を併用すると… セフォタキシム 中枢移行性も良いオールラウンダーで、セフトリアキソンとの使い分けも◎
#99. CTX + AZM 2剤を併用すると、ここまでスペクトラムが拡がる!! (レジオネラまでカバーでき、市中発症の重症肺炎では定番の組み合わせ)
抗菌薬選択の最適化と実践的アプローチ
#100. CTRX + AZM 2剤を併用すると、ここまでスペクトラムが拡がる!! (セフトリアキソンにアジスロマイシンを併用しても同様)
#101. これにアミノグリコシド系抗菌薬を併用すると… セフォタキシム 中枢移行性も良いオールラウンダーで、セフトリアキソンとの使い分けも◎
#102. CTX + GM 2剤を併用すると、ここまでスペクトラムが拡がる!! (耐性傾向が強い腸内細菌目細菌までカバーが手厚くなり、オススメの組み合わせ)
#103. これにアミノグリコシド系抗菌薬を併用すると… アンピシリン/スルバクタム 頻用されがちだが腹腔内感染や膿瘍治療で活躍、BLBLICsの代表格でステップダウンも簡便
#104. ABPC/SBT + GM 2剤を併用すると、ここまでスペクトラムが拡がる!! (メロペネムやピペラシリン/タゾバクタムとも肩を並べる広域スペクトラム)
#105. これにセファマイシン系抗菌薬を併用すると… トブラマイシン 耐性傾向が強いグラム陰性桿菌の他、緑膿菌を狙って使うなら、これ
#106. CMZ + TOB 2剤を併用すると、ここまでスペクトラムが拡がる!! (ESBLやAmpC型BLに加えて緑膿菌までカバーでき、院内発症の尿路敗血症で頼れる組み合わせ)
戦略的抗菌薬選択のまとめと今後の展望
#107. これにグリコペプチド系抗菌薬を併用すると… ピペラシリン 院内肺炎でも使い勝手が良く、偏性嫌気性菌もカバーできてしまうペニシリン系
#108. PIPC + VCM 2剤を併用すると、ここまでスペクトラムが拡がる!! (グラム染色が活用できなかったり原因菌不確定のとき、肺炎の初期治療でも重宝する組み合わせ)
#109. これにグリコペプチド系抗菌薬を併用すると… セフタジジム 薬剤耐性を誘導しにくく、感染巣を問わず緑膿菌と戦うなら、これ
#110. CAZ + VCM 2剤を併用すると、ここまでスペクトラムが拡がる!! (透析患者や院内発症の血流感染で活躍する組み合わせで、広域にカバー可能)
#111. これにペニシリン系抗菌薬を併用すると… ミノサイクリン リケッチア感染症で頻用されるが、黄色ブドウ球菌もカバーできて(こっそり)広域
#112. ABPC + MINO (Chapter 4) 2剤を併用すると、ここまでスペクトラムが拡がる!! (無駄に嫌気性菌を駆逐することなく、市中肺炎の原因菌をバランスよく網羅)
#113. Summary 戦 Strategy 略 的 抗 菌 Antibiotics Micro 薬 Biology 選 Choice 択
#114. ほとんどの場面で 「超」広域抗菌薬は不要 重症だからといって、メロペネムは要らない。 さらに、ピペラシリン/タゾバクタムは使わない。 そして、キノロン系抗菌薬を使わずとも戦える。 ひとつの抗菌薬でスペクトラムが足りなければ 異なるカテゴリーを併用する。 (あるいは、原因菌が判明してから追加する)
#115. 戦略的抗菌薬選択 || 想定菌に鑑みた抗菌薬選択 ①懸念される耐性機構 ②抗菌薬のスペクトラム ③カバーを外す菌種 Fin.