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さくら@漢方/腎臓内科

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テキスト全文

  • #1.

    漢方薬初めの一歩 ~ なんとなく使い勝手のわからないそんなあなたへ ~

  • #2.

    このスライドの対象 ・漢方は興味があるが、まだ使用したことのない初期研修医の方 ・他科で今まで漢方の使用機会がなかった先生方 漢方薬は、同じ病気に違う薬を使うこと も多く、どれを処方すれば良いかわかり づらいですよね。 漢方は、その方の体質、病気の原因とな る病態に合わせて処方するので、うまく 使うと治療の幅が広がります。

  • #3.

    Take Home Message ▶不定愁訴や西洋薬が副作用で使えない時こそ漢方を。 西洋薬との併用も効果あり。治療の幅が広がります。 ▶まず体質を確認して処方を 大まかな体質 頑丈な『実証』と虚弱な『虚証』 の把握が大切 ▶『甘草』と『麻黄』は1日量に注意 ▶処方しやすい漢方からまず処方してみよう。おすすめ漢方5選 ①芍薬甘草湯②五苓散③葛根湯④補中益気湯⑤猪苓湯

  • #4.

    1. 不定愁訴や西洋薬が副作用で使えない時こそ漢方を。 西洋薬との併用も効果あり。治療の幅が広がります。 ・不定愁訴で検査等でも異常なく、西洋薬の適応がない場合。 ・いわゆる未病、病気ではないが体の不調がある場合。 ・西洋薬が副作用などで使いずらい場合。 ・西洋薬で効果が不十分で追加する場合。 こんな時に漢方薬が有効です。 漢方は苦手でしたが、 こんな使い方で効果を感じ 西洋薬との併用で相乗効果も 実感しています。

  • #5.

    例えばこんな使い方を・・・ ・動悸、胸部不快感、咽頭違和感などの不定愁訴 ⇒ 漢方で症状軽減!! ・片頭痛などの習慣性頭痛 ⇒ 漢方併用で頭痛の頻度をへらす

  • #6.

    ・浮腫があるが検査で異常なく、利尿剤など適応がない 漢方で ⇒ 自覚症状の改善を図る ・アレルギー性鼻炎に対し抗アレルギー薬で眠気など副作用、 もしくは効果不十分 ⇒ 漢方へ切り替えもしくは併用。

  • #7.

    漢方処方を始めやすく 使用しやすい漢方から処方してみる 自分の領域でよく直面する病態で 漢方が使用できないか検討してみる その病態に対して 適応ある漢方薬で使い分けてみる 例:更年期障害に対して代表的な漢方 当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸など使用してみる 効 果 を 感 じ さ ら に 打 率 を 上 げ て い く に は 証 的を 確含 なめ 処専 方門 を的 すな る漢 的方 中的 率診 を断 上に げつ てい いて く学 び 、

  • #8.

    2. まず体質を確認して処方を 大まかな体質 頑丈な『実証』と虚弱な『虚証』の把握が大切 ・証とは大まかに、その患者さんの状態をしめす漢方独特の用語です。 虚実、陰陽などいろいろありますが、 今回まず虚実のみおさえておきましょう。 ・虚実とは体力(胃腸の強さも含む)がどのような傾向か示めしています。 ・実証とは がっちりタイプの人 胃腸も丈夫でたくさん食べすぎても、一食抜いても平気なタイプ ・虚証とは 実証とは反対で ひ弱なタイプ 胃腸も弱く、消化器症状が起きやすい人

  • #9.

    ・ 虚実を間違えて使用すると、効果が出ず、 かえって悪化することもあるので注意。 ・ 特に、虚証の人に実証の方剤を投与すると、 胃腸の調子を崩したり、動悸が出る。 (実証の人に虚証の方剤を投与すると効果はあまり出ませんが、 副作用は出にくいです。迷うようであれば虚証の方剤から使用を。) ・そのほか詳しくは省きますが、 『熱』は熱がある(火照ったりしている)人に使う熱を冷ます作用がある薬 『寒』は冷えている人に使う、温める薬 と、覚えておくとよい。

  • #10.

    葛根湯の例を見てみましょう。 ① 葛根湯 証: 中間~実 、熱 と書いてあります。 これは葛根湯は 普通~体力のある人で 熱をもっている人を冷ます作用がある薬という意味です。

  • #11.

    3.『甘草』と『麻黄』は1日量に注意!! ほかの薬剤も注意するものはありますが、基本の2つを押さえましょう。 ・甘草 偽性アルドステロン症を引き起こします。 漢方ではいろいろな方剤に入っているので注意。 合計で2.5g/日以上であれば特に注意が必要。 これ以下でも起こることもあり (漢方以外にも、市販の胃薬などにも入っていることがあり) ・麻黄 エフェドリンが主成分であり、動悸などに注意。

  • #12.

    4.まず処方してみよう。 試しに処方できるおすすめ漢方5選 ・これから紹介する漢方は比較的『証』を気にせず処方でき、 西洋薬と同じように病状に合わせて処方しても 効果が出やすいと思われるものを選びました。

  • #13.

    ① 五苓散(ごれいさん) ・代表的な利水剤(漢方で水分の調整を促す薬の意味)で 水分の代謝異常(水毒)を調整し、正常に戻す働きがある。 <どんな人に有効か> 浮腫ある時、歯痕舌、尿量が少な目、口喝あり <使ってもらいたい症状> ・浮腫 (利尿剤と比較し効果はマイルドですが脱水になることもなく、 高齢者でも使用しやすい) ・片頭痛、めまい(特にお天気頭痛、雨の日に悪化などキーワードがある場合、 使うことで症状が和らぐ) ・下痢 (不思議なことに、利尿作用だけでなく、水分の代謝を 正常化してくれるので下痢も効果あり。) 厚ぼったい舌と 歯の跡がつく 歯痕舌は水毒の 特徴。顎が小さ い人は時に水毒 がなくとも出る こともあり。

  • #14.

    ②芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) ・芍薬と甘草の二種類の生薬を組み合わせたシンプルな方剤です。 病名にかかわらず急激に起こる筋肉のけいれんを伴う疼痛に効果があります。 効果は早く数分単位で効果が出ることもあり。一日量として甘草を6g含むため 偽性アルドステロン症の注意が必要。 <使ってもらいたい症状> ・こむら返り ・腹痛 ・生理痛 (頓服で内服することもあります)

  • #15.

    ③ 葛根湯(かっこんとう) ・風邪薬として有名ですが、悪寒があるが発汗ない初期の風邪に良く効き、 短期の使用が効果的です。 また、肩こりなどにも効果的ですが、長期で内服の場合麻黄も含むため 胃腸の弱い方では注意が必要です。 <使ってもらいたい症状> ・肩こり (首の後ろから肩にかけてのこりに効果あり。 胃腸の弱い方、高齢者では長期使用は注意。2/3程度の使用も可) ・感冒(初期)

  • #16.

    ④ 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) ・体力低下が著明で、元気が出ない時の第一選択として処方します。 <使ってもらいたい症状> ・全身倦怠感 ・夏バテ ・寝汗 ・病後の体調不良(コロナ感染後の体調不良にも) ・感染予防(免疫賦活作用があるといわれ、インフルエンザ 感染では予防効果の報告もあり)

  • #17.

    ⑤ 猪苓湯 (ちょれいとう) ・尿路感染に伴う諸症状によく使用します。 <使ってもらいたい症状> ・軽度の膀胱炎(抗生剤の必要はないが、排尿時違和感など ある時に使用) ・慢性膀胱炎(膀胱炎を繰り返す場合)

  • #18.

    5.よくある質問 1. 漢方薬はいつ頃効果が出ますか? 芍薬甘草湯などは効果が出やすく飲んですぐに効果が見られます。 ほかの漢方でも早いと2週間程度で自覚症状の改善が見られます。1月程度使用しても 効果が感じられない場合にはほかの処方を考えてみてください。 NSAIDsに胃薬をあらかじめ 2. 副作用はありますか? 漢方薬は副作用が少ないと思われる方もいると思いますが、 これは方剤の中に生薬の副作用を打ち消すための生薬があらかじめ 入っているためです。(例えば胃腸に負担をかけやすい生薬の場合 あらかじめ胃腸の調子を整える生薬が入っている。) 副作用はあり、偽性アルドステロン症や間質性肺炎、薬剤性肝炎、 山梔子の長期投与で起こる腸間膜静脈硬化症にも注意が必要です。 処方するようなものですね! 昔の偉い人に処方する薬であった ため、何か問題があって処罰される のを防ぐ保身の意味があったとも いわれています。

  • #19.

    3. 漢方を飲むのが苦手ですが、どうやったらいいでしょうか? 粉が苦手で飲めない方は粉薬1包に水50cc程度注ぎ、電子レンジで 500wで30秒ほど温めて溶かしてから飲む方法やこれにココアなど 入れて味をつける方法や服薬用のゼリー状のオブラートを使用する方法も あります。 メーカーによってはカプセルや錠剤などの剤型もありますので、確認してみる とよいと思います。 また、漢方は一つ一つ味が違うため、一つだめでも他は内服できることも あります。

  • #20.

    4. 食前に飲まないとだめですか? 漢方は生薬の吸収を良くし、効果が出やすいように食前処方となっています。 しかし、飲み忘れなどある場合には食後でも内服するようにお話ししています。 むしろ、胃腸の弱い方は食後の内服を指導しています。 (保険上は食前処方とする必要も。) 5. 漢方はいつ中止できますか? 急性期に使用する薬は病気が改善したときに中止します。 慢性的な症状に対し使用している場合には、症状が良くなれば休薬し、休薬で 体調が悪化し、内服していたほうが調子が良い場合には継続しましょう。

  • #21.

    6. 漢方は何剤も併用できますか? 漢方薬はそれぞれ効果が逆のものもあり、併用することで効果が出ない こともあります。一つの病気、症状に対応する西洋薬と違い、 併用することで多くの症状が良くなるわけではないため注意が必要です。 基本は漢方薬は1剤、多くても2剤程度での処方としましょう。 (県によっては漢方の多剤処方は保険で切られることもあります。神奈川県では おおむね2剤の満量処方以上では保険で切られています。) 7. 漢方の投与量は決まっていますか? 体格、年齢などによって常用量の1/2~2/3程度で調整することも多いです。 内服により改善があれば、少量で維持することも可能です。

  • #22.

    8. 漢方専門医にはどうやったらなれますか? 日本東洋医学会認定の漢方専門医であれば、まず基本領域(内科、 小児科、外科、耳鼻科等)の資格取得後、学会指定研修施設で3年以上 の臨床研修が必要です。 詳しくは学会ホームページを確認してください。 (日本東洋医学会 www.jsom.or.jp/medical/index.html) 9. 専門医でないと漢方薬は処方できませんか? ほかの薬剤と同様に、専門医でなくとも処方できます。 むしろいろいろな領域の方に知っていただき、処方していくことで 治療の幅が広がると思っています。一つの方剤でもいろいろな使い方 あるのが漢方の魅力です。ぜひ、効果を実感してみてください。

漢方薬初めの一歩~なんとなく使い勝手のわからないそんなあなたへ~

  • 内科

  • 産婦人科

  • 初期研修医

  • 甘草
  • 芍薬甘草湯
  • 葛根湯
  • 補中益気湯
  • 麻黄
  • 猪苓湯
  • 不定愁訴

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投稿者プロフィール
さくら@漢方/腎臓内科

内科クリニック

概要

漢方は、その方の体質、病気の原因となる病態に合わせて処方するので、うまく使うと治療の幅が広がります。漢方に興味があるがまだ使用したことのない初期研修医の方、他科で今まで漢方の使用機会がなかった先生方を対象としています。

◎目次

・このスライドの対象

・Take Home Message

・1.不定愁訴や西洋薬が副作用で使えない時こそ漢方を。

・2.まず体質を確認して処方を

・3.『甘草』と『麻黄』は1日量に注意!!

・4.まず処方してみよう。試しに処方できるおすすめ漢方5選

・①五苓散(ごれいさん)

・②芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

・③葛根湯(かっこんとう)

・④補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

・⑤猪苓湯(ちょれいとう)

・5.よくある質問

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

テキスト全文

  • #1.

    漢方薬初めの一歩 ~ なんとなく使い勝手のわからないそんなあなたへ ~

  • #2.

    このスライドの対象 ・漢方は興味があるが、まだ使用したことのない初期研修医の方 ・他科で今まで漢方の使用機会がなかった先生方 漢方薬は、同じ病気に違う薬を使うこと も多く、どれを処方すれば良いかわかり づらいですよね。 漢方は、その方の体質、病気の原因とな る病態に合わせて処方するので、うまく 使うと治療の幅が広がります。

  • #3.

    Take Home Message ▶不定愁訴や西洋薬が副作用で使えない時こそ漢方を。 西洋薬との併用も効果あり。治療の幅が広がります。 ▶まず体質を確認して処方を 大まかな体質 頑丈な『実証』と虚弱な『虚証』 の把握が大切 ▶『甘草』と『麻黄』は1日量に注意 ▶処方しやすい漢方からまず処方してみよう。おすすめ漢方5選 ①芍薬甘草湯②五苓散③葛根湯④補中益気湯⑤猪苓湯

  • #4.

    1. 不定愁訴や西洋薬が副作用で使えない時こそ漢方を。 西洋薬との併用も効果あり。治療の幅が広がります。 ・不定愁訴で検査等でも異常なく、西洋薬の適応がない場合。 ・いわゆる未病、病気ではないが体の不調がある場合。 ・西洋薬が副作用などで使いずらい場合。 ・西洋薬で効果が不十分で追加する場合。 こんな時に漢方薬が有効です。 漢方は苦手でしたが、 こんな使い方で効果を感じ 西洋薬との併用で相乗効果も 実感しています。

  • #5.

    例えばこんな使い方を・・・ ・動悸、胸部不快感、咽頭違和感などの不定愁訴 ⇒ 漢方で症状軽減!! ・片頭痛などの習慣性頭痛 ⇒ 漢方併用で頭痛の頻度をへらす

  • #6.

    ・浮腫があるが検査で異常なく、利尿剤など適応がない 漢方で ⇒ 自覚症状の改善を図る ・アレルギー性鼻炎に対し抗アレルギー薬で眠気など副作用、 もしくは効果不十分 ⇒ 漢方へ切り替えもしくは併用。

  • #7.

    漢方処方を始めやすく 使用しやすい漢方から処方してみる 自分の領域でよく直面する病態で 漢方が使用できないか検討してみる その病態に対して 適応ある漢方薬で使い分けてみる 例:更年期障害に対して代表的な漢方 当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸など使用してみる 効 果 を 感 じ さ ら に 打 率 を 上 げ て い く に は 証 的を 確含 なめ 処専 方門 を的 すな る漢 的方 中的 率診 を断 上に げつ てい いて く学 び 、

  • #8.

    2. まず体質を確認して処方を 大まかな体質 頑丈な『実証』と虚弱な『虚証』の把握が大切 ・証とは大まかに、その患者さんの状態をしめす漢方独特の用語です。 虚実、陰陽などいろいろありますが、 今回まず虚実のみおさえておきましょう。 ・虚実とは体力(胃腸の強さも含む)がどのような傾向か示めしています。 ・実証とは がっちりタイプの人 胃腸も丈夫でたくさん食べすぎても、一食抜いても平気なタイプ ・虚証とは 実証とは反対で ひ弱なタイプ 胃腸も弱く、消化器症状が起きやすい人

  • #9.

    ・ 虚実を間違えて使用すると、効果が出ず、 かえって悪化することもあるので注意。 ・ 特に、虚証の人に実証の方剤を投与すると、 胃腸の調子を崩したり、動悸が出る。 (実証の人に虚証の方剤を投与すると効果はあまり出ませんが、 副作用は出にくいです。迷うようであれば虚証の方剤から使用を。) ・そのほか詳しくは省きますが、 『熱』は熱がある(火照ったりしている)人に使う熱を冷ます作用がある薬 『寒』は冷えている人に使う、温める薬 と、覚えておくとよい。

  • #10.

    葛根湯の例を見てみましょう。 ① 葛根湯 証: 中間~実 、熱 と書いてあります。 これは葛根湯は 普通~体力のある人で 熱をもっている人を冷ます作用がある薬という意味です。

  • #11.

    3.『甘草』と『麻黄』は1日量に注意!! ほかの薬剤も注意するものはありますが、基本の2つを押さえましょう。 ・甘草 偽性アルドステロン症を引き起こします。 漢方ではいろいろな方剤に入っているので注意。 合計で2.5g/日以上であれば特に注意が必要。 これ以下でも起こることもあり (漢方以外にも、市販の胃薬などにも入っていることがあり) ・麻黄 エフェドリンが主成分であり、動悸などに注意。

  • #12.

    4.まず処方してみよう。 試しに処方できるおすすめ漢方5選 ・これから紹介する漢方は比較的『証』を気にせず処方でき、 西洋薬と同じように病状に合わせて処方しても 効果が出やすいと思われるものを選びました。

  • #13.

    ① 五苓散(ごれいさん) ・代表的な利水剤(漢方で水分の調整を促す薬の意味)で 水分の代謝異常(水毒)を調整し、正常に戻す働きがある。 <どんな人に有効か> 浮腫ある時、歯痕舌、尿量が少な目、口喝あり <使ってもらいたい症状> ・浮腫 (利尿剤と比較し効果はマイルドですが脱水になることもなく、 高齢者でも使用しやすい) ・片頭痛、めまい(特にお天気頭痛、雨の日に悪化などキーワードがある場合、 使うことで症状が和らぐ) ・下痢 (不思議なことに、利尿作用だけでなく、水分の代謝を 正常化してくれるので下痢も効果あり。) 厚ぼったい舌と 歯の跡がつく 歯痕舌は水毒の 特徴。顎が小さ い人は時に水毒 がなくとも出る こともあり。

  • #14.

    ②芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) ・芍薬と甘草の二種類の生薬を組み合わせたシンプルな方剤です。 病名にかかわらず急激に起こる筋肉のけいれんを伴う疼痛に効果があります。 効果は早く数分単位で効果が出ることもあり。一日量として甘草を6g含むため 偽性アルドステロン症の注意が必要。 <使ってもらいたい症状> ・こむら返り ・腹痛 ・生理痛 (頓服で内服することもあります)

  • #15.

    ③ 葛根湯(かっこんとう) ・風邪薬として有名ですが、悪寒があるが発汗ない初期の風邪に良く効き、 短期の使用が効果的です。 また、肩こりなどにも効果的ですが、長期で内服の場合麻黄も含むため 胃腸の弱い方では注意が必要です。 <使ってもらいたい症状> ・肩こり (首の後ろから肩にかけてのこりに効果あり。 胃腸の弱い方、高齢者では長期使用は注意。2/3程度の使用も可) ・感冒(初期)

  • #16.

    ④ 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) ・体力低下が著明で、元気が出ない時の第一選択として処方します。 <使ってもらいたい症状> ・全身倦怠感 ・夏バテ ・寝汗 ・病後の体調不良(コロナ感染後の体調不良にも) ・感染予防(免疫賦活作用があるといわれ、インフルエンザ 感染では予防効果の報告もあり)

  • #17.

    ⑤ 猪苓湯 (ちょれいとう) ・尿路感染に伴う諸症状によく使用します。 <使ってもらいたい症状> ・軽度の膀胱炎(抗生剤の必要はないが、排尿時違和感など ある時に使用) ・慢性膀胱炎(膀胱炎を繰り返す場合)

  • #18.

    5.よくある質問 1. 漢方薬はいつ頃効果が出ますか? 芍薬甘草湯などは効果が出やすく飲んですぐに効果が見られます。 ほかの漢方でも早いと2週間程度で自覚症状の改善が見られます。1月程度使用しても 効果が感じられない場合にはほかの処方を考えてみてください。 NSAIDsに胃薬をあらかじめ 2. 副作用はありますか? 漢方薬は副作用が少ないと思われる方もいると思いますが、 これは方剤の中に生薬の副作用を打ち消すための生薬があらかじめ 入っているためです。(例えば胃腸に負担をかけやすい生薬の場合 あらかじめ胃腸の調子を整える生薬が入っている。) 副作用はあり、偽性アルドステロン症や間質性肺炎、薬剤性肝炎、 山梔子の長期投与で起こる腸間膜静脈硬化症にも注意が必要です。 処方するようなものですね! 昔の偉い人に処方する薬であった ため、何か問題があって処罰される のを防ぐ保身の意味があったとも いわれています。

  • #19.

    3. 漢方を飲むのが苦手ですが、どうやったらいいでしょうか? 粉が苦手で飲めない方は粉薬1包に水50cc程度注ぎ、電子レンジで 500wで30秒ほど温めて溶かしてから飲む方法やこれにココアなど 入れて味をつける方法や服薬用のゼリー状のオブラートを使用する方法も あります。 メーカーによってはカプセルや錠剤などの剤型もありますので、確認してみる とよいと思います。 また、漢方は一つ一つ味が違うため、一つだめでも他は内服できることも あります。

  • #20.

    4. 食前に飲まないとだめですか? 漢方は生薬の吸収を良くし、効果が出やすいように食前処方となっています。 しかし、飲み忘れなどある場合には食後でも内服するようにお話ししています。 むしろ、胃腸の弱い方は食後の内服を指導しています。 (保険上は食前処方とする必要も。) 5. 漢方はいつ中止できますか? 急性期に使用する薬は病気が改善したときに中止します。 慢性的な症状に対し使用している場合には、症状が良くなれば休薬し、休薬で 体調が悪化し、内服していたほうが調子が良い場合には継続しましょう。

  • #21.

    6. 漢方は何剤も併用できますか? 漢方薬はそれぞれ効果が逆のものもあり、併用することで効果が出ない こともあります。一つの病気、症状に対応する西洋薬と違い、 併用することで多くの症状が良くなるわけではないため注意が必要です。 基本は漢方薬は1剤、多くても2剤程度での処方としましょう。 (県によっては漢方の多剤処方は保険で切られることもあります。神奈川県では おおむね2剤の満量処方以上では保険で切られています。) 7. 漢方の投与量は決まっていますか? 体格、年齢などによって常用量の1/2~2/3程度で調整することも多いです。 内服により改善があれば、少量で維持することも可能です。

  • #22.

    8. 漢方専門医にはどうやったらなれますか? 日本東洋医学会認定の漢方専門医であれば、まず基本領域(内科、 小児科、外科、耳鼻科等)の資格取得後、学会指定研修施設で3年以上 の臨床研修が必要です。 詳しくは学会ホームページを確認してください。 (日本東洋医学会 www.jsom.or.jp/medical/index.html) 9. 専門医でないと漢方薬は処方できませんか? ほかの薬剤と同様に、専門医でなくとも処方できます。 むしろいろいろな領域の方に知っていただき、処方していくことで 治療の幅が広がると思っています。一つの方剤でもいろいろな使い方 あるのが漢方の魅力です。ぜひ、効果を実感してみてください。

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