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ちゃんとできる!カルテの書き方!

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投稿者

松島和樹

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テキスト全文

  • #1.

    ✨ 初期研修医オリエンテーション カルテの書き方 川崎病院 総合診療科 在宅専門医プログラム責任者 神戸総合診療・家庭医療専門医プログラム責任者 松島和樹

  • #3.

    カルテ=診療録の目的 医師法第24条1項:医師は、診療をしたときは、遅滞なく 診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。 l 公的な記録 → 正確な言葉で l 情報共有 → わかりやすく l 思考の整理 → 論理的に l 保険請求の根拠となる l 訴訟等で証拠となることもある

  • #4.

    医療業界のおかしな日本語 l 〜にて → (どこどこ)で、(なになに)によって l 体言止め l 認められる → みられる l 〜となった l 「てにをは」の省略 倉原先生のブログ https://pulmonary.exblog.jp/19661894/ l 略語にも注意! l PD=パーキンソン病、膵頭十二指腸切除術、腹膜透析、(癌の)進行

  • #5.

    カルテの型 l POMR(Problem Oriented Medical Record) l 1969年にWeedさんが提唱 l 日野原先生が日本に広めた l プロブレムリストの作成とSOAP形式での記録 l 時代が経つにつれ、困難も出てきている l とはいえ、内科系ではベースの書き方 日内会誌 106:2529〜2534,2017

  • #6.

    POMR 日内会誌 106:2529〜2534,2017

  • #7.

    型を身につける:まずは一読! 医学界新聞の連載

  • #8.

    研修医が書くカルテ l 救急外来での診療記録 l 入院時サマリー l 入院後の日々の記録 l 退院時サマリー l 院内急変時、処置時の診療記録 l 一般外来での診療記録(初診、再診) 基本の型をベースに 状況に応じて書き方を アレンジしよう!

  • #9.

    救急外来 来院時刻を書いておくと たまに役立つ 「昔の病気」と 「今持っている病気」 問診するときも意識して! 入院指示を出すのに必要 食事形態も! 遠方の家族が影響力を持っていることも あるので要注意!

  • #10.

    ADL(Activities of Daily Living) l Basic ADL l Dressing 着替え l Eating 食事 l Ambulating 移動・歩行 l Toileting 排泄 l Hygiene 衛生:入浴、歯磨き、整髪 生きるために必要な能力 不足=要介護状態 l Instrumental ADL l Shopping 買い物 l Housekeeping 掃除、洗濯など l Accounting 金銭管理 l Food preparation 炊事 l Transport 乗り物を利用した外出 社会生活のために必要な能力 不足=要支援状態

  • #11.

    救急外来でのACP

  • #12.

    S・O・A・P S:Subjective(来院までの主観的な情報) l 患者さんにとっての、症状の始まりから病院につくまでのストーリー l できる限り時系列でまとめる l Pertinent positive/negative:主訴に関連する陽性症状/陰性症状 → 最初は頭から爪先まで一通り訊く訓練をしよう! l それぞれの症状についてのOPQRSTA l 必要に応じて:接触歴、食歴、性交渉歴、月経、渡航歴、ペット、住居… l 前医でのデータや熱型もあれば記載

  • #13.

    OPQRSTA l もともと痛みの鑑別でよく使われているが他の症状でも使える l Onset:発症時刻・様式 l Provocative / Palliative factor:増悪寛解因子 l Quality:性状 l Radiation / Region:放散・部位 l Severity:強さ l Time:持続時間 l Associated symptoms:随伴症状

  • #14.

    S・O・A・P O:Objective(来院後に得られた客観的な情報) l General appearanceとVital signs:呼吸数も忘れずに! l 身体所見 l Pertinent positive/negative:主訴に関連する陽性所見/陰性所見 → 最初は頭から爪先まで一通り見る訓練をしよう! l 検査所見 l 一般的には血液→尿→生理→画像の順 l 客観的情報なので「著明に上昇」とかは書かない

  • #15.

    S・O・A・P A:Assessment l S・Oで集めた素材を、プロブレムにまとめる l まとまらない素材はそのまま問題点として残しても良い l どうまとめるのがよいのかは、自分と指導医のAを繰り返し比べて学ぶ l うまくまとめるには個々の疾患知識も必要なので焦らず一つ一つ勉強! l プロブレムごとに、鑑別とその理由を書く l #◯◯疑い はやめておいた方がいい:◯◯に引っ張られるので l 主訴以外のプロブレムも漏れなく書いておく方がよい

  • #16.

    S・O・A・P P:Plan l 明確に分けなくてもいいけれど、このようなことを書く l 診断プラン:今後必要な問診、診察、検査とそのスケジュール l 治療プラン:内服、注射、手技、その他 l 予防プラン:合併症予防、ヘルスメンテナンス、患者教育など l Disposition:帰宅/入院、外来フォロー、セーフティネットなど l 退院調整(入院後):治療の見通し、家族面談の予定など l 検査のオーダーは、その結果に応じてどう動くかまで考えてから入力せよ (My指導医からの教え)

  • #17.

    入院時サマリー 簡潔にまとめよう そっくりそのまま 退院サマリーに使うので しっかりまとめよう 外来カルテのコピペでok コメディカルにも わかりやすいように

  • #18.

    入院時サマリー

  • #19.

    入院後 日々の記録 l 情報にはストックとフローがある 日内会誌 107:2491〜2497,2018

  • #20.

    入院後 日々の記録 最初にストック情報 ・行った検査・治療の履歴 ・時系列で簡潔に 例) #感染性心内膜炎 2023/3/30 入院 VCM1g開始 4/2 培養フォロー陰性 TDMでVCM0.8gに 4/5 心エコーフォロー:疣贅なし フロー情報は重要なもの、変化があったものを記載 S) に何気ない患者との会話が書いてあったりするとほっこりするし 意外と退院調整に役立ったりする ACP的な話が出たら、ストック情報にも追記する!

  • #21.

    人それぞれいろんな工夫があります よろしければコメント欄で 共有ください!

カルテの書き方2023【初期研修医向け】

  • 総合診療科

  • 初期研修医

  • ADL
  • ACP
  • カルテ
  • サマリー
  • 診療録

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投稿者プロフィール
松島和樹

医療法人川崎病院

投稿した先生からのメッセージ

カルテの書き方はいろんな流派があると思いますが、できるだけ簡潔にまとめました。

概要

院内の初期研修医向けに作った、カルテの書き方についてのスライドです。

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

参考文献

  • 「型」が身につく カルテの書き方

テキスト全文

  • #1.

    ✨ 初期研修医オリエンテーション カルテの書き方 川崎病院 総合診療科 在宅専門医プログラム責任者 神戸総合診療・家庭医療専門医プログラム責任者 松島和樹

  • #3.

    カルテ=診療録の目的 医師法第24条1項:医師は、診療をしたときは、遅滞なく 診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。 l 公的な記録 → 正確な言葉で l 情報共有 → わかりやすく l 思考の整理 → 論理的に l 保険請求の根拠となる l 訴訟等で証拠となることもある

  • #4.

    医療業界のおかしな日本語 l 〜にて → (どこどこ)で、(なになに)によって l 体言止め l 認められる → みられる l 〜となった l 「てにをは」の省略 倉原先生のブログ https://pulmonary.exblog.jp/19661894/ l 略語にも注意! l PD=パーキンソン病、膵頭十二指腸切除術、腹膜透析、(癌の)進行

  • #5.

    カルテの型 l POMR(Problem Oriented Medical Record) l 1969年にWeedさんが提唱 l 日野原先生が日本に広めた l プロブレムリストの作成とSOAP形式での記録 l 時代が経つにつれ、困難も出てきている l とはいえ、内科系ではベースの書き方 日内会誌 106:2529〜2534,2017

  • #6.

    POMR 日内会誌 106:2529〜2534,2017

  • #7.

    型を身につける:まずは一読! 医学界新聞の連載

  • #8.

    研修医が書くカルテ l 救急外来での診療記録 l 入院時サマリー l 入院後の日々の記録 l 退院時サマリー l 院内急変時、処置時の診療記録 l 一般外来での診療記録(初診、再診) 基本の型をベースに 状況に応じて書き方を アレンジしよう!

  • #9.

    救急外来 来院時刻を書いておくと たまに役立つ 「昔の病気」と 「今持っている病気」 問診するときも意識して! 入院指示を出すのに必要 食事形態も! 遠方の家族が影響力を持っていることも あるので要注意!

  • #10.

    ADL(Activities of Daily Living) l Basic ADL l Dressing 着替え l Eating 食事 l Ambulating 移動・歩行 l Toileting 排泄 l Hygiene 衛生:入浴、歯磨き、整髪 生きるために必要な能力 不足=要介護状態 l Instrumental ADL l Shopping 買い物 l Housekeeping 掃除、洗濯など l Accounting 金銭管理 l Food preparation 炊事 l Transport 乗り物を利用した外出 社会生活のために必要な能力 不足=要支援状態

  • #11.

    救急外来でのACP

  • #12.

    S・O・A・P S:Subjective(来院までの主観的な情報) l 患者さんにとっての、症状の始まりから病院につくまでのストーリー l できる限り時系列でまとめる l Pertinent positive/negative:主訴に関連する陽性症状/陰性症状 → 最初は頭から爪先まで一通り訊く訓練をしよう! l それぞれの症状についてのOPQRSTA l 必要に応じて:接触歴、食歴、性交渉歴、月経、渡航歴、ペット、住居… l 前医でのデータや熱型もあれば記載

  • #13.

    OPQRSTA l もともと痛みの鑑別でよく使われているが他の症状でも使える l Onset:発症時刻・様式 l Provocative / Palliative factor:増悪寛解因子 l Quality:性状 l Radiation / Region:放散・部位 l Severity:強さ l Time:持続時間 l Associated symptoms:随伴症状

  • #14.

    S・O・A・P O:Objective(来院後に得られた客観的な情報) l General appearanceとVital signs:呼吸数も忘れずに! l 身体所見 l Pertinent positive/negative:主訴に関連する陽性所見/陰性所見 → 最初は頭から爪先まで一通り見る訓練をしよう! l 検査所見 l 一般的には血液→尿→生理→画像の順 l 客観的情報なので「著明に上昇」とかは書かない

  • #15.

    S・O・A・P A:Assessment l S・Oで集めた素材を、プロブレムにまとめる l まとまらない素材はそのまま問題点として残しても良い l どうまとめるのがよいのかは、自分と指導医のAを繰り返し比べて学ぶ l うまくまとめるには個々の疾患知識も必要なので焦らず一つ一つ勉強! l プロブレムごとに、鑑別とその理由を書く l #◯◯疑い はやめておいた方がいい:◯◯に引っ張られるので l 主訴以外のプロブレムも漏れなく書いておく方がよい

  • #16.

    S・O・A・P P:Plan l 明確に分けなくてもいいけれど、このようなことを書く l 診断プラン:今後必要な問診、診察、検査とそのスケジュール l 治療プラン:内服、注射、手技、その他 l 予防プラン:合併症予防、ヘルスメンテナンス、患者教育など l Disposition:帰宅/入院、外来フォロー、セーフティネットなど l 退院調整(入院後):治療の見通し、家族面談の予定など l 検査のオーダーは、その結果に応じてどう動くかまで考えてから入力せよ (My指導医からの教え)

  • #17.

    入院時サマリー 簡潔にまとめよう そっくりそのまま 退院サマリーに使うので しっかりまとめよう 外来カルテのコピペでok コメディカルにも わかりやすいように

  • #18.

    入院時サマリー

  • #19.

    入院後 日々の記録 l 情報にはストックとフローがある 日内会誌 107:2491〜2497,2018

  • #20.

    入院後 日々の記録 最初にストック情報 ・行った検査・治療の履歴 ・時系列で簡潔に 例) #感染性心内膜炎 2023/3/30 入院 VCM1g開始 4/2 培養フォロー陰性 TDMでVCM0.8gに 4/5 心エコーフォロー:疣贅なし フロー情報は重要なもの、変化があったものを記載 S) に何気ない患者との会話が書いてあったりするとほっこりするし 意外と退院調整に役立ったりする ACP的な話が出たら、ストック情報にも追記する!

  • #21.

    人それぞれいろんな工夫があります よろしければコメント欄で 共有ください!

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