医師・医学生のためのスライド共有

Antaa Slide

お知らせ

ログイン
診療科
風邪への抗菌薬遅延処方 L001.png

すでにアカウントをお持ちの方はこちら

関連テーマから出会おう。

閲覧履歴からのおすすめ

Antaa Slide
セーフティーネットアドバイス

セーフティーネットアドバイス

小林聡史

続けて閲覧
QUIZ session ~なめくじに塩、直腸脱に〇〇~

QUIZ session ~なめくじに塩、直腸脱に〇〇~

小林聡史

続けて閲覧
投稿者

小林聡史

1/21

テキスト全文

  • #1.

    風邪への抗菌薬遅延処方~delayed antibiotic prescribing strategy~ 湯沢町保健医療センター S3 小林聡史 JAMA Internal Medicine January 2016 Volume 176, Number 1

  • #2.

    背景 プライマリケアでは 診断がしばしば困難、抗菌薬の適応が不明瞭になりやすい 悪化リスクを過剰に心配しがち

  • #3.

    Delayed antibiotic prescribing strategy(遅延処方) 不要な抗菌薬処方を減らすため「遅延処方」が提唱 すぐに抗菌薬処方する群より症状コントロールが不良だったという論文もあれば、合併症は差がなかったという論文もある UKではuncomplicated respiratory infectionsへの抗菌薬処方の50%以上が遅延処方 殆どの論文はUK発 ↓ スペインでもやってみた

  • #4.

    Patient 18歳以上の急性単純性気道感染(咽頭炎、副鼻腔炎、気管支炎、 軽度~中等度のCOPD急性増悪) 医師が抗生剤を出すかどうか迷う程度(Reasonable doubt) *例(急性咽頭炎):Centor(non-modified)が2-3点

  • #5.

    *Exclusion 過去に遅延処方トライアルに参加 症状が1週間以上持続、症状が強い 重症疾患の疑い(肺炎、乳様突起炎、扁桃周囲膿瘍など) 重症基礎疾患があり合併症リスクが高い 65歳以上で下記2つ以上合致 or 80歳以上で下記1つ以上合致 (1年以内の入院、糖尿病、心不全の既往、ステロイド内服中)

  • #6.

    Intervention/Comparison:4群に分ける Immediate:すぐ抗生剤をもらい同日から服用開始 No prescription:抗生剤なし Delayed prescription 〇Collection:3日後にクリニックの受付に行けば       抗生剤がもらえる 〇Patienl-led:抗生剤はすぐもらう

  • #7.

    説明 Immediate/No prescription 群に ・最初の数日で悪くなるのは正常だけど、とても悪化したと感じたら再診を検討 ・咽頭炎≧5日、他疾患≧10日の改善不良があれば再診を検討 Delayed prescription 群に ・最初の数日で悪くなるのは正常だけど、とても悪化したと感じたら抗生剤使用または再診を検討 ・咽頭炎≧5日、他疾患≧10日の改善不良があれば抗生剤考慮

  • #8.

    Outcome Primary  症状の期間と重症度 Secondary  抗生剤使用、患者満足度、  抗生剤の効果に関する信頼(belief)、  仕事や活動の欠席

  • #9.

    Design RCT 〇(Electronic online platform) 隠蔽化 △(記載なし) Intention to treat 〇 盲検化 ×(不能) Sample size計算 〇(各群毎150と計算、実際は約100)

  • #10.

    Baseline 平均40代 半分がNonsmoker 咽頭炎が半分 COPDはほぼいない 発症後5-6日で受診

  • #11.

    1-6点のうち5,6点の人=症状が重度の人が約半分 (本人の評価?)

  • #12.

    Primary outcome:症状の期間 すぐ処方する群で症状の持続期間が優位に短い 重度な症状だと0.5-1日短い 症状消失まで0.6-2.7日短い

  • #13.

    Primary outcome:症状の重症度 最大の重症度に有意差なし ただしサンプルサイズは不足

  • #14.

    Secondary outcome 遅延処方群(Collection, Patient-led)で抗菌薬をもらったり使用したのは2-3割 処方なし群でも1割は抗菌薬使用している すぐ処方群でも1割は抗菌薬使用してない

  • #15.

    仕事や活動の欠席率は遅延処方群(Collection, Patient-led)で少ない 患者満足度は各群で差なし

  • #16.

    Limitation サンプルサイズは資金不足のため足りなかった COPD急性増悪の症例数が少なかった 抗菌薬のプラセボ効果があるかもしれない  →Real worldをより反映しているかも!

  • #17.

    著者の結論 抗菌薬の遅延処方はすぐ処方するのと比べて 症状の持続期間や重症度はわずかに悪いが 臨床的にはほぼ同程度 と考えられる

  • #18.

    感想 日本でも十分できそうな戦略 Populationが僕らの実臨床と乖離あり(年齢、発症から来院までの日数) 絶対抗菌薬必要ないだろ!という軽い人は含まれてない 「絶対抗菌薬出さない」以外のオプションとして覚えておいてもいいかもしれない

風邪への抗菌薬遅延処方

  • 内科

  • ゆきあかり

11,300

12

更新

シェア

ツイート

投稿者プロフィール
小林聡史

はるな生活協同組合通町診療所

概要

昔作ったスライドです。卒業した専攻医プログラムの人へのシェアのためにアップ。

本スライドの対象者

研修医

テキスト全文

  • #1.

    風邪への抗菌薬遅延処方~delayed antibiotic prescribing strategy~ 湯沢町保健医療センター S3 小林聡史 JAMA Internal Medicine January 2016 Volume 176, Number 1

  • #2.

    背景 プライマリケアでは 診断がしばしば困難、抗菌薬の適応が不明瞭になりやすい 悪化リスクを過剰に心配しがち

  • #3.

    Delayed antibiotic prescribing strategy(遅延処方) 不要な抗菌薬処方を減らすため「遅延処方」が提唱 すぐに抗菌薬処方する群より症状コントロールが不良だったという論文もあれば、合併症は差がなかったという論文もある UKではuncomplicated respiratory infectionsへの抗菌薬処方の50%以上が遅延処方 殆どの論文はUK発 ↓ スペインでもやってみた

  • #4.

    Patient 18歳以上の急性単純性気道感染(咽頭炎、副鼻腔炎、気管支炎、 軽度~中等度のCOPD急性増悪) 医師が抗生剤を出すかどうか迷う程度(Reasonable doubt) *例(急性咽頭炎):Centor(non-modified)が2-3点

  • #5.

    *Exclusion 過去に遅延処方トライアルに参加 症状が1週間以上持続、症状が強い 重症疾患の疑い(肺炎、乳様突起炎、扁桃周囲膿瘍など) 重症基礎疾患があり合併症リスクが高い 65歳以上で下記2つ以上合致 or 80歳以上で下記1つ以上合致 (1年以内の入院、糖尿病、心不全の既往、ステロイド内服中)

  • #6.

    Intervention/Comparison:4群に分ける Immediate:すぐ抗生剤をもらい同日から服用開始 No prescription:抗生剤なし Delayed prescription 〇Collection:3日後にクリニックの受付に行けば       抗生剤がもらえる 〇Patienl-led:抗生剤はすぐもらう

  • #7.

    説明 Immediate/No prescription 群に ・最初の数日で悪くなるのは正常だけど、とても悪化したと感じたら再診を検討 ・咽頭炎≧5日、他疾患≧10日の改善不良があれば再診を検討 Delayed prescription 群に ・最初の数日で悪くなるのは正常だけど、とても悪化したと感じたら抗生剤使用または再診を検討 ・咽頭炎≧5日、他疾患≧10日の改善不良があれば抗生剤考慮

  • #8.

    Outcome Primary  症状の期間と重症度 Secondary  抗生剤使用、患者満足度、  抗生剤の効果に関する信頼(belief)、  仕事や活動の欠席

  • #9.

    Design RCT 〇(Electronic online platform) 隠蔽化 △(記載なし) Intention to treat 〇 盲検化 ×(不能) Sample size計算 〇(各群毎150と計算、実際は約100)

  • #10.

    Baseline 平均40代 半分がNonsmoker 咽頭炎が半分 COPDはほぼいない 発症後5-6日で受診

  • #11.

    1-6点のうち5,6点の人=症状が重度の人が約半分 (本人の評価?)

  • #12.

    Primary outcome:症状の期間 すぐ処方する群で症状の持続期間が優位に短い 重度な症状だと0.5-1日短い 症状消失まで0.6-2.7日短い

  • #13.

    Primary outcome:症状の重症度 最大の重症度に有意差なし ただしサンプルサイズは不足

  • #14.

    Secondary outcome 遅延処方群(Collection, Patient-led)で抗菌薬をもらったり使用したのは2-3割 処方なし群でも1割は抗菌薬使用している すぐ処方群でも1割は抗菌薬使用してない

  • #15.

    仕事や活動の欠席率は遅延処方群(Collection, Patient-led)で少ない 患者満足度は各群で差なし

  • #16.

    Limitation サンプルサイズは資金不足のため足りなかった COPD急性増悪の症例数が少なかった 抗菌薬のプラセボ効果があるかもしれない  →Real worldをより反映しているかも!

  • #17.

    著者の結論 抗菌薬の遅延処方はすぐ処方するのと比べて 症状の持続期間や重症度はわずかに悪いが 臨床的にはほぼ同程度 と考えられる

  • #18.

    感想 日本でも十分できそうな戦略 Populationが僕らの実臨床と乖離あり(年齢、発症から来院までの日数) 絶対抗菌薬必要ないだろ!という軽い人は含まれてない 「絶対抗菌薬出さない」以外のオプションとして覚えておいてもいいかもしれない

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

0 件のコメント

コメントするにはログインしてください >

小林聡史さんの他の投稿スライド

蕁麻疹診療のまとめ【分類・評価から治療・自然経過まで】

#ゆきあかり #知識をつなぐ2020

156

89,496

最終更新:2021年1月5日

12月:気管支拡張症

#ゆきあかり #気管支拡張症

51

39,698

最終更新:2020年8月18日

坐骨神経痛 2020年2月

#ゆきあかり

104

100,593

最終更新:2020年2月24日

もっと見る



診療科ごとのスライド

内科(539)

消化器内科(69)

循環器内科(91)

呼吸器内科(135)

血液内科(37)

糖尿病内分泌代謝内科(69)

腎臓内科(51)

アレ膠リウマチ内科(51)

脳神経内科(115)

総合診療科(234)

救急科(433)

外科(39)

消化器外科(4)

呼吸器外科(38)

乳腺外科(0)

整形外科(92)

脳神経外科(23)

泌尿器科(25)

形成外科(24)

皮膚科(35)

眼科(19)

耳鼻咽喉科(14)

歯科口腔外科(9)

リハビリテーション科(12)

心臓血管外科(8)

小児科(66)

産婦人科(52)

精神科(73)

放射線科(88)

麻酔科(14)

緩和ケア科(29)

感染症科(236)

産業医(9)

初期研修医(533)

医学生(65)

その他(368)


Antaa Slide Post Banner
今すぐ投稿
Antaa Slide Post Banner今すぐ投稿

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

投稿者インタビュー
Antaa QA

医師同士の質問解決プラットフォーム

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.

Follow us on Facebook
Follow us on Twitter