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ステロイド糖尿病の病態と血糖管理

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けー@代謝内科

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投稿者

izumip@糖尿病内分泌内科

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テキスト全文

  • #1.

    izumip@糖尿病内分泌内科

  • #2.

    本スライドの対象者  糖尿病に興味がある初期研修医、専攻医の先生  カーボカウントは知っているけど、外来で導入す るにはハードルが高いと思っている専門医の先生  導入編を読んでいただいた方すべて 1型糖尿病の診療経験豊富な糖尿病専門医が イラストを交えて分かりやすくお伝えします!

  • #3.

    目次 1. インスリンの選び方 • 各栄養素による血糖値の上昇…スライド4 • 各種インスリンの特徴…スライド5~7 2. 糖質量の見積もり • 主食の見積もり…スライド8 • 主菜・副菜の見積もり…スライド9~11 3. CIR、ISFの調整 • • CIRの調整 • 計算方法…スライド15~17 • 注意点…スライド18~20 ISFの調整…スライド21

  • #4.

    1. インスリンの選び方  主要な栄養素による血糖上昇のイメージ図 血糖値 糖質 タンパク質 0 • • 2 4 6 脂質 8 10 12 14 糖質は食後2時間、タンパク質は食後2.5~5時間、脂質は少 なくとも食後7時間以上血糖値の上昇に影響する。 ただし、糖尿病性胃腸運動障害の有無、体格、体調などに より変動する可能性がある。

  • #5.

    1. インスリンの選び方  各種インスリンの作用時間のイメージ図 インスリンの作用 超速効型 速効型 中間型 • 2 4 6 8 10 12 〰 0 持効型 14 24 インスリンの効果持続時間を把握することはインスリン量 の調整において非常に重要。血糖の上昇(または低下)が、 どのインスリンが不足(または過剰)していたかを探るの に役立つ。

  • #6.

    1. インスリンの選び方 血糖値 糖質摂取による急激な血糖上昇 を抑えるには、超速効型インス リンが適している。 糖質 タンパク質 0 2 インスリンの作用 4 6 脂質 8 10 12 14 胃腸運動障害により血糖上昇が緩や かな場合、皮下脂肪が少なく超速効 型が早く効きすぎる場合は速効型を 選択することも。 超速効型 速効型 中間型 2 4 6 8 10 12 〰 0 持効型 14 24

  • #7.

    1. インスリンの選び方  超速効型インスリンの種類 • • • 従来、ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラが使われて いた。 近年、ノボラピッドを改良したフィアスプ、ヒューマログ を改良したルムジェブが使用できるようになった。 作用発現時間・最大効果発現時間が速い順に並べると ルムジェブ>フィアスプ>ヒューマログ・ノボラピッド・アピドラ1,2) 1) T Heise. Diabetes Obes Metab. 2020 2) CEM De Block. Diabetes Obes Metab. 2022 新規 従来 速い方が食後血糖の上昇を抑えられますが、速すぎ て食事中に低血糖になるという場合もあるので、症 例によってどれが適しているか吟味しましょう。

  • #8.

    2. 糖質量の見積もり  主食の見積もり 大体の見積もりを知って おきましょう 米飯 ≒重量×0.4 食パン ≒重量×0.5 うどん(ゆで) ≒重量×0.2 中華麺(ゆで) ≒重量×0.3

  • #9.

    2. 糖質量の見積もり  おかずの見積もり(主菜) お刺身≒0g 焼き魚≒0g ステーキ≒0g ゆで卵≒0g

  • #10.

    2. 糖質量の見積もり  おかずの見積もり(主菜) <甘い味付け> 生姜焼き≒10g 西京焼き≒10g 唐揚げ1個≒5g 天ぷら1個≒5~10g <揚げ物>

  • #11.

    2. 糖質量の見積もり  おかずの見積もり(副菜) <糖質の少ない野菜> ほうれん草のお浸し ≒0g 冷ややっこ1丁 ≒5g <糖質の多い野菜> かぼちゃの煮物 100g≒25g ポテトサラダ 100g≒10g

  • #12.

    2. 糖質量の見積もり  主食の見積もりは重量から大体計算できる。  主菜、副菜の見積もりのポイントは • 揚げ物かどうか(ころもの糖質) • 糖質の多い野菜かどうか • 味付けが甘いかどうか  中食(買い食い)の時は栄養成分表示を見る。  外食の時は、飲食店チェーンでは栄養成分を公開して いる場合も多いので確認すること。  ネットの情報もある程度参考に。

  • #13.

    2. 糖質量の見積もり(おまけ)  Glycemic Index (GI値)について • GI値とは…糖質50gを含む食品を摂取した場合、 摂取後2時間の血糖がどれくらい上昇するかを 示す。GI値が高い=急激に血糖が上昇する。GI 値が低い=緩やかに血糖が上昇する。 • GI値に影響する因子(の例) • 食物繊維…多いと消化しにくい • 脂質、酢…胃排出速度、小腸からの消化吸 収を遅くする ⇒食後血糖上がりにくい

  • #14.

    2. 糖質量の見積もり(おまけ)  Glycemic Index (GI値)について • こんな経験ありませんか? 糖質の量は同じなのに、食パン よりごはんを食べたときの方が 血糖が上がる気がするんです… 白米はGI値が高く、血糖値が急激に 上昇します。白米を食べる時は食直 前ではなく5分前とか10分前にイン スリンを打ってもいいかもしれませ んね。

  • #15.

    3. CIR、ISFの調整 ※ICRでも考え方は同じですが、 今回はCIRで統一します  ISF50mg/dl、CIR10-10-10、目標血糖値150mg/dl でカーボカウントするとき • 朝食前血糖値200㎎/dl、50gの糖質を摂取する 食事インスリン…50g÷10=5 補正インスリン…(200-150)÷50=1 ⇒合計6単位打てば良い • 朝食前血糖値100㎎/dl、80gの糖質を摂取する 食事インスリン…80g÷10=8 補正インスリン…(100-150)÷50=-1 ⇒合計7単位打てば良い

  • #16.

    3. CIR、ISFの調整  ISF50mg/dl、CIR10-10-10、目標血糖値150mg/dl でカーボカウントするとき • 朝食前血糖値200㎎/dl、50gの糖質を摂取する 食事インスリン…50g÷10=5 補正インスリン…(200-150)÷50=1 ⇒合計6単位注射したところ、 4時間後の血糖値が200㎎/dlと高かった。 ⇒食前と食後で血糖値が同じ、つまり食事イン スリンは6単位でちょうどいい ⇒CIRは50÷6≒8

  • #17.

    3. CIR、ISFの調整  ISF50mg/dl、CIR10-10-10、目標血糖値150mg/dl でカーボカウントするとき • 朝食前血糖値200㎎/dl、50gの糖質を摂取する 食事インスリン…50g÷10=5 補正インスリン…(200-150)÷50=1 ⇒合計6単位注射したところ、 4時間後の血糖値が100㎎/dlと低かった。 ⇒食後が食前に比べて100mg/dl(=インスリ ン2単位分)血糖が低下した。つまり、食事に必要 なインスリンは6-2=4単位 ⇒CIRは50÷4≒13

  • #18.

    3. CIR、ISFの調整  CIRの調整を行う時の注意点 • CIRは同じ時間帯の何回か分を算出して平均する。 …1度の計算で修正するのではなく、同じ時間帯で何度 か計算し、平均をとる。計算が大変なときは、毎回食後 血糖値が上がっていればCIR1下げる、食後血糖値が下 がっていればCIR1上げるでもOK。 • 運動による血糖の低下の可能性はないか? …ウィンドウショッピングや散歩でも案外血糖値は下が ります。 • 月経前や体調不良による血糖上昇の可能性は? …月経前1週間はプロゲステロンの影響で血糖上昇! • 糖質の見積もりはあっているか? …そもそも見積もりが間違っていたらどうにもならない

  • #19.

    3. CIR、ISFの調整  CIRの調整を行う時の注意点 • 基礎インスリンの量は合っているか? 血糖 血糖 基礎インスリンが足りてい ないと、何も食べなくても 血糖値が上昇する。 追加インスリンの量が足りていても 血糖値が上がってしまう。 日本人では、総インスリン量の25~30%が基礎インスリン になることが多いが、運動量や体格、年齢にも影響される。 Kuroda A. Diabetes Care 2011, Mitsui Y. J Diabetes Investig 2022

  • #20.

    3. CIR、ISFの調整  CIRの調整を行う時の注意点 • 脂質・タンパク質の過剰摂取はないか? 血糖値 インスリンの作用 糖質 超速効型 速効型 タンパク質 中間型 脂質 2 4 6 8 10 12 14 0 2 4 6 8 〰 0 持効型 10 12 14 脂質やタンパク質の過剰摂取があると、超速効型インスリンの 効果が切れてから血糖値が上昇する。中間型インスリン1~2単 位や、インスリンポンプなら一時的に基礎インスリン量を増や すことなどで対応するが、何単位打てば良いか計算が難しい (実際は勘や経験で値を決めることが多い)。 24

  • #21.

    3. CIR、ISFの調整  ISFの調整 • 一番正確なのは、何も食べずに超速効型インス リンを打って4時間後に血糖がどれくらい下が るか見ること(導入編スライド13参照) • 時間帯によってISFを変える場合もあるが、ISF とCIR両方変更するとややこしいので、最初は CIRだけ調整するのでも良い。 例えば、 ・朝はカウンターホルモンが出るので血糖値が下がりにくい=ISFは低い ・日中は活動量が多いので血糖値が下がりやすい=ISFは高い

  • #22.

    Take Home Message 食事の栄養素による血糖上昇とインスリンの血糖 降下作用の時間的関連を理解しよう。 食事の中の糖質量の見積もりをしてみよう(練習 あるのみ!)。 CIR、ISFの調整をするときには糖質量以外の要因 で血糖値が変動していないか確認しよう。

誰でもできる!カーボカウント<実践編>

  • 糖尿病内分泌代謝内科

  • 初期研修医

  • ノボラピッド
  • ルムジェブ
  • アピドラ
  • ヒューマログ
  • GI値
  • フィアスブ

20,421

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投稿者プロフィール
izumip@糖尿病内分泌内科

地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター

概要

1型糖尿病の診療経験豊富な糖尿病専門医が、カーボカウントについてイラストを交えて分かりやすくお伝えします!導入編のスライドをご覧いただいた先生、糖尿病に興味がある初期研修医・専攻医の先生、カーボカウントは知っているけど、外来で導入するにはハードルが高いと思っている専門医の先生を対象としています。

導入編はこちら➡https://slide.antaa.jp/article/view/65cb6b285e254188

◎目次

・本スライドの対象者

・1. インスリンの選び方

・2. 糖質量の見積もり

・3. CIR、ISFの調整

・Take Home Message

本スライドの対象者

研修医/専攻医/専門医

参考文献

  • T Heise. Diabetes Obes Metab. 2020

  • CEM De Block. Diabetes Obes Metab. 2022

  • Kuroda A. Diabetes Care 2011, Mitsui Y. J Diabetes Investig 2022

テキスト全文

  • #1.

    izumip@糖尿病内分泌内科

  • #2.

    本スライドの対象者  糖尿病に興味がある初期研修医、専攻医の先生  カーボカウントは知っているけど、外来で導入す るにはハードルが高いと思っている専門医の先生  導入編を読んでいただいた方すべて 1型糖尿病の診療経験豊富な糖尿病専門医が イラストを交えて分かりやすくお伝えします!

  • #3.

    目次 1. インスリンの選び方 • 各栄養素による血糖値の上昇…スライド4 • 各種インスリンの特徴…スライド5~7 2. 糖質量の見積もり • 主食の見積もり…スライド8 • 主菜・副菜の見積もり…スライド9~11 3. CIR、ISFの調整 • • CIRの調整 • 計算方法…スライド15~17 • 注意点…スライド18~20 ISFの調整…スライド21

  • #4.

    1. インスリンの選び方  主要な栄養素による血糖上昇のイメージ図 血糖値 糖質 タンパク質 0 • • 2 4 6 脂質 8 10 12 14 糖質は食後2時間、タンパク質は食後2.5~5時間、脂質は少 なくとも食後7時間以上血糖値の上昇に影響する。 ただし、糖尿病性胃腸運動障害の有無、体格、体調などに より変動する可能性がある。

  • #5.

    1. インスリンの選び方  各種インスリンの作用時間のイメージ図 インスリンの作用 超速効型 速効型 中間型 • 2 4 6 8 10 12 〰 0 持効型 14 24 インスリンの効果持続時間を把握することはインスリン量 の調整において非常に重要。血糖の上昇(または低下)が、 どのインスリンが不足(または過剰)していたかを探るの に役立つ。

  • #6.

    1. インスリンの選び方 血糖値 糖質摂取による急激な血糖上昇 を抑えるには、超速効型インス リンが適している。 糖質 タンパク質 0 2 インスリンの作用 4 6 脂質 8 10 12 14 胃腸運動障害により血糖上昇が緩や かな場合、皮下脂肪が少なく超速効 型が早く効きすぎる場合は速効型を 選択することも。 超速効型 速効型 中間型 2 4 6 8 10 12 〰 0 持効型 14 24

  • #7.

    1. インスリンの選び方  超速効型インスリンの種類 • • • 従来、ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラが使われて いた。 近年、ノボラピッドを改良したフィアスプ、ヒューマログ を改良したルムジェブが使用できるようになった。 作用発現時間・最大効果発現時間が速い順に並べると ルムジェブ>フィアスプ>ヒューマログ・ノボラピッド・アピドラ1,2) 1) T Heise. Diabetes Obes Metab. 2020 2) CEM De Block. Diabetes Obes Metab. 2022 新規 従来 速い方が食後血糖の上昇を抑えられますが、速すぎ て食事中に低血糖になるという場合もあるので、症 例によってどれが適しているか吟味しましょう。

  • #8.

    2. 糖質量の見積もり  主食の見積もり 大体の見積もりを知って おきましょう 米飯 ≒重量×0.4 食パン ≒重量×0.5 うどん(ゆで) ≒重量×0.2 中華麺(ゆで) ≒重量×0.3

  • #9.

    2. 糖質量の見積もり  おかずの見積もり(主菜) お刺身≒0g 焼き魚≒0g ステーキ≒0g ゆで卵≒0g

  • #10.

    2. 糖質量の見積もり  おかずの見積もり(主菜) <甘い味付け> 生姜焼き≒10g 西京焼き≒10g 唐揚げ1個≒5g 天ぷら1個≒5~10g <揚げ物>

  • #11.

    2. 糖質量の見積もり  おかずの見積もり(副菜) <糖質の少ない野菜> ほうれん草のお浸し ≒0g 冷ややっこ1丁 ≒5g <糖質の多い野菜> かぼちゃの煮物 100g≒25g ポテトサラダ 100g≒10g

  • #12.

    2. 糖質量の見積もり  主食の見積もりは重量から大体計算できる。  主菜、副菜の見積もりのポイントは • 揚げ物かどうか(ころもの糖質) • 糖質の多い野菜かどうか • 味付けが甘いかどうか  中食(買い食い)の時は栄養成分表示を見る。  外食の時は、飲食店チェーンでは栄養成分を公開して いる場合も多いので確認すること。  ネットの情報もある程度参考に。

  • #13.

    2. 糖質量の見積もり(おまけ)  Glycemic Index (GI値)について • GI値とは…糖質50gを含む食品を摂取した場合、 摂取後2時間の血糖がどれくらい上昇するかを 示す。GI値が高い=急激に血糖が上昇する。GI 値が低い=緩やかに血糖が上昇する。 • GI値に影響する因子(の例) • 食物繊維…多いと消化しにくい • 脂質、酢…胃排出速度、小腸からの消化吸 収を遅くする ⇒食後血糖上がりにくい

  • #14.

    2. 糖質量の見積もり(おまけ)  Glycemic Index (GI値)について • こんな経験ありませんか? 糖質の量は同じなのに、食パン よりごはんを食べたときの方が 血糖が上がる気がするんです… 白米はGI値が高く、血糖値が急激に 上昇します。白米を食べる時は食直 前ではなく5分前とか10分前にイン スリンを打ってもいいかもしれませ んね。

  • #15.

    3. CIR、ISFの調整 ※ICRでも考え方は同じですが、 今回はCIRで統一します  ISF50mg/dl、CIR10-10-10、目標血糖値150mg/dl でカーボカウントするとき • 朝食前血糖値200㎎/dl、50gの糖質を摂取する 食事インスリン…50g÷10=5 補正インスリン…(200-150)÷50=1 ⇒合計6単位打てば良い • 朝食前血糖値100㎎/dl、80gの糖質を摂取する 食事インスリン…80g÷10=8 補正インスリン…(100-150)÷50=-1 ⇒合計7単位打てば良い

  • #16.

    3. CIR、ISFの調整  ISF50mg/dl、CIR10-10-10、目標血糖値150mg/dl でカーボカウントするとき • 朝食前血糖値200㎎/dl、50gの糖質を摂取する 食事インスリン…50g÷10=5 補正インスリン…(200-150)÷50=1 ⇒合計6単位注射したところ、 4時間後の血糖値が200㎎/dlと高かった。 ⇒食前と食後で血糖値が同じ、つまり食事イン スリンは6単位でちょうどいい ⇒CIRは50÷6≒8

  • #17.

    3. CIR、ISFの調整  ISF50mg/dl、CIR10-10-10、目標血糖値150mg/dl でカーボカウントするとき • 朝食前血糖値200㎎/dl、50gの糖質を摂取する 食事インスリン…50g÷10=5 補正インスリン…(200-150)÷50=1 ⇒合計6単位注射したところ、 4時間後の血糖値が100㎎/dlと低かった。 ⇒食後が食前に比べて100mg/dl(=インスリ ン2単位分)血糖が低下した。つまり、食事に必要 なインスリンは6-2=4単位 ⇒CIRは50÷4≒13

  • #18.

    3. CIR、ISFの調整  CIRの調整を行う時の注意点 • CIRは同じ時間帯の何回か分を算出して平均する。 …1度の計算で修正するのではなく、同じ時間帯で何度 か計算し、平均をとる。計算が大変なときは、毎回食後 血糖値が上がっていればCIR1下げる、食後血糖値が下 がっていればCIR1上げるでもOK。 • 運動による血糖の低下の可能性はないか? …ウィンドウショッピングや散歩でも案外血糖値は下が ります。 • 月経前や体調不良による血糖上昇の可能性は? …月経前1週間はプロゲステロンの影響で血糖上昇! • 糖質の見積もりはあっているか? …そもそも見積もりが間違っていたらどうにもならない

  • #19.

    3. CIR、ISFの調整  CIRの調整を行う時の注意点 • 基礎インスリンの量は合っているか? 血糖 血糖 基礎インスリンが足りてい ないと、何も食べなくても 血糖値が上昇する。 追加インスリンの量が足りていても 血糖値が上がってしまう。 日本人では、総インスリン量の25~30%が基礎インスリン になることが多いが、運動量や体格、年齢にも影響される。 Kuroda A. Diabetes Care 2011, Mitsui Y. J Diabetes Investig 2022

  • #20.

    3. CIR、ISFの調整  CIRの調整を行う時の注意点 • 脂質・タンパク質の過剰摂取はないか? 血糖値 インスリンの作用 糖質 超速効型 速効型 タンパク質 中間型 脂質 2 4 6 8 10 12 14 0 2 4 6 8 〰 0 持効型 10 12 14 脂質やタンパク質の過剰摂取があると、超速効型インスリンの 効果が切れてから血糖値が上昇する。中間型インスリン1~2単 位や、インスリンポンプなら一時的に基礎インスリン量を増や すことなどで対応するが、何単位打てば良いか計算が難しい (実際は勘や経験で値を決めることが多い)。 24

  • #21.

    3. CIR、ISFの調整  ISFの調整 • 一番正確なのは、何も食べずに超速効型インス リンを打って4時間後に血糖がどれくらい下が るか見ること(導入編スライド13参照) • 時間帯によってISFを変える場合もあるが、ISF とCIR両方変更するとややこしいので、最初は CIRだけ調整するのでも良い。 例えば、 ・朝はカウンターホルモンが出るので血糖値が下がりにくい=ISFは低い ・日中は活動量が多いので血糖値が下がりやすい=ISFは高い

  • #22.

    Take Home Message 食事の栄養素による血糖上昇とインスリンの血糖 降下作用の時間的関連を理解しよう。 食事の中の糖質量の見積もりをしてみよう(練習 あるのみ!)。 CIR、ISFの調整をするときには糖質量以外の要因 で血糖値が変動していないか確認しよう。

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