医師・医学生のためのスライド共有

Antaa Slide

お知らせ

ログイン
診療科
基本から学ぼう!B型肝炎の治療 L1.png

すでにアカウントをお持ちの方はこちら

関連テーマから出会おう。

閲覧履歴からのおすすめ

Antaa Slide
免疫抑制・化学療法によるB型肝炎ウイルス再活性化への対策

免疫抑制・化学療法によるB型肝炎ウイルス再活性化への対策

黒田浩一

続けて閲覧
健康診断で要精査 肝機能障害の対応方法

健康診断で要精査 肝機能障害の対応方法

湯浅駿

続けて閲覧
投稿者

くるとん@消化器内科

1/24

テキスト全文

  • #1.

    基本から学ぼう︕B型肝炎の治療 くるとん@消化器内科 twitter︓@Dr_Claude_Japan

  • #2.

    B型肝炎とは︖ üB型肝炎ウイルス(HBV)が⾎液・体液を介して,感染し⽣じる疾患である ü感染経路は主に垂直感染(⺟⼦感染)と,それ以外の⽔平感染に分類 *⺟⼦感染防⽌策が取られており,現在新規の⺟⼦感染はほどんどない ü⽔平感染の原因は,性交渉,ピアスの⽳あけ,⼊れ墨などでの不適切な器具 の消毒,⿇薬での注射器の共⽤があるが,性交渉による感染が近年最多 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #3.

    B型肝炎の⾃然経過 宿主(患者)の免疫応答とHBV-DNAの増殖から4期に分類 ①免疫寛容期 患者の免疫反応が未発達でHBV-DNA増殖は 活発だが肝炎の活動性はほどんどない ②免疫応答期 免疫反応が活発となり,活動性肝炎となる ③低増殖期 HBe抗原セロコンバージョンにより感染が鎮静化し, HBV-DNAが低値となる ④寛解期 HBs抗原が消失し,HBs抗体が出現する 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #4.

    B型肝炎の⾃然経過 乳 幼 児 感 染 HBe抗原陽性 HBV-DNA⾼値 ALT正常 (無症候性キャリア) 免疫応答 HBe抗原陽性 肝炎持続 HBV-DNA⾼値 ALT上昇 HBe抗原陽性 HBV-DNA⾼値 ALT⾼値 (HBe抗原陽性慢性肝炎) 肝硬変 HBe抗原 セロコンバージョン HBe抗原陰性 HBV-DNA低~⾼値 ALT⾼値 (HBe抗原陰性慢性肝炎) 成 HBe抗原陽性 ⼈ 免疫応答 HBV-DNA⾼値 感 ALT上昇 染 (急性肝炎) HBe抗原陰性 HBs抗原陰性 HBV-DNA低値 HBs抗体陽性 ALT正常 HBs抗原 (臨床的寛解) (⾮活動性キャリア) セロコンバージョン 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #5.

    HBVマーカーによる病態把握 HBs抗原 HBs抗体 HBe抗原 HBe抗体 HBc抗体 HBV-DNA 臨床像 (ー) (+) (ー) (ー) 低抗体価 検出感度以下 既感染 (+) (ー) (+) (ー) ⾼抗体価 ⾼値 HBe抗原陽性 無症候性キャリア (+) (ー) (ー) (+) ⾼抗体価 低値 HBe抗体陽性 無症候性キャリア (+) (ー) (+)or(ー) (ー)or(+) ⾼抗体価 ⾼〜低値 B型慢性肝炎 HBs抗原が陽性であった場合には,少なくとも HBe抗原,HBe抗体,HBV-DNAの測定を⾏い,臨床像の把握を⾏う 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #6.

    B型肝炎の治療適応 ①組織学的進展度(慢性肝炎 or 肝硬変, ②ALT値, ③HBV-DNA 上記3項⽬が,治療を選択する上で最も重要な基準となる 慢性肝炎︓HBe抗原の陽性,陰性に関わらず, ALT 31U/L以上かつHBV-DNA 3.3 LogIU/mL(2000IU/mL)以上 が治療対象となる 肝硬変︓HBV-DNAが陽性であれば治療対象となる 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #7.

    B型肝炎の治療⽬標 治療⽬標は,⽣命予後およびQOLの改善である ⻑期⽬標として,HBs抗原の消失を図る 短期⽬標は ①ALT持続正常化(30U/L以下) ②HBe抗原陰性 かつ HBe抗体陽性 ③HBV-DNA増殖抑制 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #8.

    B型肝炎の治療薬-ペグインターフェロン期間を限定(24-48週間)して投与することで,持続的効果を⽬指す治療 慢性肝炎に対する初回治療では,原則として第⼀に検討する 若年者や挙児希望の患者など⻑期投与を避けたい症例で,特に検討する ⻑所︓drug freeで効果持続,⻑期経過でHBs抗原が⾼率に陰性化する 短所︓治療反応例は20-30%程度で,副作⽤の頻度が⾼い 肝硬変に対する保険適⽤はない 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #9.

    B型肝炎の治療薬-核酸アナログB型肝炎の逆転写を阻害する薬物である 原則として,⻑期継続投与が必要である ⻑所︓経⼝薬であり,短期的には副作⽤がほとんどない 肝硬変症例にも投与可能である 短所︓投与中⽌による再燃率が⾼い.耐性変異が出現することがある インターフェロンと⽐較して,HBs抗原量の低下が少ない 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #10.

    B型肝炎の治療薬-核酸アナログ現在,本邦で発売されている核酸アナログ製剤は以下の通りである ・ラミブジン(LAM) 商品名︓ゼフィックス® ・アデホビル(ADV) 商品名︓ヘプセラ® ・エンテカビル(ETV) 商品名︓バラクルード® ・テノホビル・ジソプロキシフマル酸塩(TDF) 商品名︓テノゼット® ・テノホビル・アラフェナミド(TAF) 商品名︓ベムリディ® 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #11.

    B型肝炎の治療薬-核酸アナログ・エンテカビル(ETV) 商品名︓バラクルード® ・テノホビル・ジソプロキシフマル酸塩(TDF) 商品名︓テノゼット® ・テノホビル・アラフェナミド(TAF) 商品名︓ベムリディ® 薬剤耐性変異のリスクが低い,上記の3剤が主に使⽤されている バラクルード®,テノゼット®は腎機能低下時には減量が必要であり, バラクルード®は妊婦への投与は不可である 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #12.

    B型肝炎の治療-実践編症例:60歳 男性 主訴:なし 検診でHBs抗原陽性, AST 50U/L, ALT 70U/Lと肝機能障害を指摘され, 消化器内科外来を受診 家族歴 ⽗親が肝臓癌で死亡, ⽣活歴 飲酒なし ⾎液検査 HBV-DNA 4.1 LogIU/mL, ⾎⼩板 15万/μL, PT 80%, T-Bil 1.1mg/dL, Cr 1.8mg/dL 腹部US 肝の辺縁はやや鈍化,軽度の脾腫あり 明らかな肝細胞癌なし

  • #13.

    B型肝炎の治療-実践編HBs抗原陽性で肝臓癌の家族歴があり,HBVの垂直感染疑い ⾎⼩板は軽度低下も肝予備能は保たれている 画像所⾒と併せて,慢性肝炎>肝硬変と診断する ALT 31U/L以上かつHBV-DNA 3.3 LogIU/mL以上を 満たしており,治療対象と判断 年齢は⾼く,インターフェロンの適応はなく,核酸アナログを選択 腎機能障害あり,ベムリディ® 25mg1T1✖朝⾷後投与とした

  • #14.

    B型肝炎の治療薬-核酸アナログ治療中⽌を検討する場合,再燃を来しにくい症例を判別する必要がある 治療中⽌の必要条件 ü核酸アナログ投与開始後,2年以上経過 肝炎再燃,重症化のリスク について⼗分説明する ü中⽌時,HBV-DNAが検出感度以下 ü中⽌時,HBe抗原が陰性 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #15.

    B型肝炎の治療-医療費助成厚⽣労働省と各都道府県が,B型肝炎の治療(インターフェロン及び核酸 アナログ製剤)に対する医療費助成を⾏っている 医 療 機 関 4.⾃⼰負担額の ⽀払い 患 者 ' ( 1.申請 保 健 所 , 3.受給者の交付 - 2.審査 世帯の市町村民税(所得割)課税年額 自己負担限度額 (月額) 23500円以上 20,000円 23500円未満 10,000円 都 道 府 県

  • #16.

    de novo B型肝炎

  • #17.

    de novo B型肝炎 B型肝炎ウイルス感染患者において,免疫抑制剤や化学療法により, HBVが再増殖することをHBV再活性化と呼ぶ キャリアからの再活性化と既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体また はHBs抗体陽性)からの再活性化に分類されるが,後者がde novo B型 肝炎と称される 重症化しやすく,原疾患の治療を困難にするため,発症そのものを阻⽌す ることが最も重要である 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #18.

    de novo B型肝炎の予防 免疫抑制剤,化学療法の治療前に全例,HBs抗原の測定を⾏う HBs抗原陽性の場合 消化器内科(特に肝臓専⾨医)にコンサルトし,出来るだけ早期に 核酸アナログ製剤を開始する またHBe抗原,HBe抗体,HBV-DNA定量の測定も⾏っておく 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #19.

    de novo B型肝炎の予防 HBs抗原陰性の場合 HBc抗体とHBs抗体を測定し,いずれかあるいは両⽅が陽性であれば, HBV-DNA定量を測定する HBV-DNAが陽性であれば出来るだけ早期に核酸アナログ製剤を開始し, 検出感度以下であれば,1-3ヶ⽉に1回HBV-DNA(およびAST/ALT)の 測定を⾏い,陽性となれば治療を⾏う 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #20.

    de novo B型肝炎のアルゴリズム 全例 HBs抗原 HBs抗原(+) HBs抗原(ー) HBc抗体, HBs抗体 HBe抗原,HBe抗体 HBV-DNA定量 HBc抗体(+)またはHBs抗体(+) HBc抗体(ー)かつHBs抗体(ー) HBV-DNA定量 1.3LogIU/mL以上 通常の対応 1.3LogIU/mL未満 HBV-DNA定量 1回/1-3ヶ⽉ AST/ALT 1回/1-3ヶ⽉ 1.3LogIU/mL以上 1.3LogIU/mL未満 核酸アナログ投与 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #21.

    TAKE HOME MESSAGE üHBs抗原陽性の場合は,HBV-DNAまで測定しよう︕ ü核酸アナログは中⽌によって肝炎が増悪することがあり, 基本的には継続が必要である ü免疫抑制剤や化学療法を投与する際には,B型肝炎の 再活性化(de novo B型肝炎)に注意する

基本から学ぼう!B型肝炎の治療

  • 消化器内科

  • HBV
  • B型肝炎
  • de novo B型肝炎
  • インターフェロン
  • バラクルード
  • 核酸アナログ

70,374

337

更新

シェア

ツイート

投稿者プロフィール
くるとん@消化器内科

総合病院

概要

B型肝炎の病態と治療に加え、de novo B型肝炎についてまとめました。

◎目次

・B型肝炎とは?

・B型肝炎の自然経過

・HBVマーカーによる病態把握

・B型肝炎の治療適応

・B型肝炎の治療目標

・B型肝炎の治療薬-ペグインターフェロン-

・B型肝炎の治療薬-核酸アナログ-

・B型肝炎の治療-実践編-

・B型肝炎の治療薬-核酸アナログ-

・B型肝炎の治療-医療費助成-

・de novo B型肝炎

・de novo B型肝炎の予防

・de novo B型肝炎のアルゴリズム

・TAKE HOME MESSAGE

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

テキスト全文

  • #1.

    基本から学ぼう︕B型肝炎の治療 くるとん@消化器内科 twitter︓@Dr_Claude_Japan

  • #2.

    B型肝炎とは︖ üB型肝炎ウイルス(HBV)が⾎液・体液を介して,感染し⽣じる疾患である ü感染経路は主に垂直感染(⺟⼦感染)と,それ以外の⽔平感染に分類 *⺟⼦感染防⽌策が取られており,現在新規の⺟⼦感染はほどんどない ü⽔平感染の原因は,性交渉,ピアスの⽳あけ,⼊れ墨などでの不適切な器具 の消毒,⿇薬での注射器の共⽤があるが,性交渉による感染が近年最多 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #3.

    B型肝炎の⾃然経過 宿主(患者)の免疫応答とHBV-DNAの増殖から4期に分類 ①免疫寛容期 患者の免疫反応が未発達でHBV-DNA増殖は 活発だが肝炎の活動性はほどんどない ②免疫応答期 免疫反応が活発となり,活動性肝炎となる ③低増殖期 HBe抗原セロコンバージョンにより感染が鎮静化し, HBV-DNAが低値となる ④寛解期 HBs抗原が消失し,HBs抗体が出現する 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #4.

    B型肝炎の⾃然経過 乳 幼 児 感 染 HBe抗原陽性 HBV-DNA⾼値 ALT正常 (無症候性キャリア) 免疫応答 HBe抗原陽性 肝炎持続 HBV-DNA⾼値 ALT上昇 HBe抗原陽性 HBV-DNA⾼値 ALT⾼値 (HBe抗原陽性慢性肝炎) 肝硬変 HBe抗原 セロコンバージョン HBe抗原陰性 HBV-DNA低~⾼値 ALT⾼値 (HBe抗原陰性慢性肝炎) 成 HBe抗原陽性 ⼈ 免疫応答 HBV-DNA⾼値 感 ALT上昇 染 (急性肝炎) HBe抗原陰性 HBs抗原陰性 HBV-DNA低値 HBs抗体陽性 ALT正常 HBs抗原 (臨床的寛解) (⾮活動性キャリア) セロコンバージョン 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #5.

    HBVマーカーによる病態把握 HBs抗原 HBs抗体 HBe抗原 HBe抗体 HBc抗体 HBV-DNA 臨床像 (ー) (+) (ー) (ー) 低抗体価 検出感度以下 既感染 (+) (ー) (+) (ー) ⾼抗体価 ⾼値 HBe抗原陽性 無症候性キャリア (+) (ー) (ー) (+) ⾼抗体価 低値 HBe抗体陽性 無症候性キャリア (+) (ー) (+)or(ー) (ー)or(+) ⾼抗体価 ⾼〜低値 B型慢性肝炎 HBs抗原が陽性であった場合には,少なくとも HBe抗原,HBe抗体,HBV-DNAの測定を⾏い,臨床像の把握を⾏う 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #6.

    B型肝炎の治療適応 ①組織学的進展度(慢性肝炎 or 肝硬変, ②ALT値, ③HBV-DNA 上記3項⽬が,治療を選択する上で最も重要な基準となる 慢性肝炎︓HBe抗原の陽性,陰性に関わらず, ALT 31U/L以上かつHBV-DNA 3.3 LogIU/mL(2000IU/mL)以上 が治療対象となる 肝硬変︓HBV-DNAが陽性であれば治療対象となる 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #7.

    B型肝炎の治療⽬標 治療⽬標は,⽣命予後およびQOLの改善である ⻑期⽬標として,HBs抗原の消失を図る 短期⽬標は ①ALT持続正常化(30U/L以下) ②HBe抗原陰性 かつ HBe抗体陽性 ③HBV-DNA増殖抑制 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #8.

    B型肝炎の治療薬-ペグインターフェロン期間を限定(24-48週間)して投与することで,持続的効果を⽬指す治療 慢性肝炎に対する初回治療では,原則として第⼀に検討する 若年者や挙児希望の患者など⻑期投与を避けたい症例で,特に検討する ⻑所︓drug freeで効果持続,⻑期経過でHBs抗原が⾼率に陰性化する 短所︓治療反応例は20-30%程度で,副作⽤の頻度が⾼い 肝硬変に対する保険適⽤はない 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #9.

    B型肝炎の治療薬-核酸アナログB型肝炎の逆転写を阻害する薬物である 原則として,⻑期継続投与が必要である ⻑所︓経⼝薬であり,短期的には副作⽤がほとんどない 肝硬変症例にも投与可能である 短所︓投与中⽌による再燃率が⾼い.耐性変異が出現することがある インターフェロンと⽐較して,HBs抗原量の低下が少ない 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #10.

    B型肝炎の治療薬-核酸アナログ現在,本邦で発売されている核酸アナログ製剤は以下の通りである ・ラミブジン(LAM) 商品名︓ゼフィックス® ・アデホビル(ADV) 商品名︓ヘプセラ® ・エンテカビル(ETV) 商品名︓バラクルード® ・テノホビル・ジソプロキシフマル酸塩(TDF) 商品名︓テノゼット® ・テノホビル・アラフェナミド(TAF) 商品名︓ベムリディ® 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #11.

    B型肝炎の治療薬-核酸アナログ・エンテカビル(ETV) 商品名︓バラクルード® ・テノホビル・ジソプロキシフマル酸塩(TDF) 商品名︓テノゼット® ・テノホビル・アラフェナミド(TAF) 商品名︓ベムリディ® 薬剤耐性変異のリスクが低い,上記の3剤が主に使⽤されている バラクルード®,テノゼット®は腎機能低下時には減量が必要であり, バラクルード®は妊婦への投与は不可である 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #12.

    B型肝炎の治療-実践編症例:60歳 男性 主訴:なし 検診でHBs抗原陽性, AST 50U/L, ALT 70U/Lと肝機能障害を指摘され, 消化器内科外来を受診 家族歴 ⽗親が肝臓癌で死亡, ⽣活歴 飲酒なし ⾎液検査 HBV-DNA 4.1 LogIU/mL, ⾎⼩板 15万/μL, PT 80%, T-Bil 1.1mg/dL, Cr 1.8mg/dL 腹部US 肝の辺縁はやや鈍化,軽度の脾腫あり 明らかな肝細胞癌なし

  • #13.

    B型肝炎の治療-実践編HBs抗原陽性で肝臓癌の家族歴があり,HBVの垂直感染疑い ⾎⼩板は軽度低下も肝予備能は保たれている 画像所⾒と併せて,慢性肝炎>肝硬変と診断する ALT 31U/L以上かつHBV-DNA 3.3 LogIU/mL以上を 満たしており,治療対象と判断 年齢は⾼く,インターフェロンの適応はなく,核酸アナログを選択 腎機能障害あり,ベムリディ® 25mg1T1✖朝⾷後投与とした

  • #14.

    B型肝炎の治療薬-核酸アナログ治療中⽌を検討する場合,再燃を来しにくい症例を判別する必要がある 治療中⽌の必要条件 ü核酸アナログ投与開始後,2年以上経過 肝炎再燃,重症化のリスク について⼗分説明する ü中⽌時,HBV-DNAが検出感度以下 ü中⽌時,HBe抗原が陰性 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #15.

    B型肝炎の治療-医療費助成厚⽣労働省と各都道府県が,B型肝炎の治療(インターフェロン及び核酸 アナログ製剤)に対する医療費助成を⾏っている 医 療 機 関 4.⾃⼰負担額の ⽀払い 患 者 ' ( 1.申請 保 健 所 , 3.受給者の交付 - 2.審査 世帯の市町村民税(所得割)課税年額 自己負担限度額 (月額) 23500円以上 20,000円 23500円未満 10,000円 都 道 府 県

  • #16.

    de novo B型肝炎

  • #17.

    de novo B型肝炎 B型肝炎ウイルス感染患者において,免疫抑制剤や化学療法により, HBVが再増殖することをHBV再活性化と呼ぶ キャリアからの再活性化と既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体また はHBs抗体陽性)からの再活性化に分類されるが,後者がde novo B型 肝炎と称される 重症化しやすく,原疾患の治療を困難にするため,発症そのものを阻⽌す ることが最も重要である 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #18.

    de novo B型肝炎の予防 免疫抑制剤,化学療法の治療前に全例,HBs抗原の測定を⾏う HBs抗原陽性の場合 消化器内科(特に肝臓専⾨医)にコンサルトし,出来るだけ早期に 核酸アナログ製剤を開始する またHBe抗原,HBe抗体,HBV-DNA定量の測定も⾏っておく 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #19.

    de novo B型肝炎の予防 HBs抗原陰性の場合 HBc抗体とHBs抗体を測定し,いずれかあるいは両⽅が陽性であれば, HBV-DNA定量を測定する HBV-DNAが陽性であれば出来るだけ早期に核酸アナログ製剤を開始し, 検出感度以下であれば,1-3ヶ⽉に1回HBV-DNA(およびAST/ALT)の 測定を⾏い,陽性となれば治療を⾏う 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #20.

    de novo B型肝炎のアルゴリズム 全例 HBs抗原 HBs抗原(+) HBs抗原(ー) HBc抗体, HBs抗体 HBe抗原,HBe抗体 HBV-DNA定量 HBc抗体(+)またはHBs抗体(+) HBc抗体(ー)かつHBs抗体(ー) HBV-DNA定量 1.3LogIU/mL以上 通常の対応 1.3LogIU/mL未満 HBV-DNA定量 1回/1-3ヶ⽉ AST/ALT 1回/1-3ヶ⽉ 1.3LogIU/mL以上 1.3LogIU/mL未満 核酸アナログ投与 参考⽂献 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版

  • #21.

    TAKE HOME MESSAGE üHBs抗原陽性の場合は,HBV-DNAまで測定しよう︕ ü核酸アナログは中⽌によって肝炎が増悪することがあり, 基本的には継続が必要である ü免疫抑制剤や化学療法を投与する際には,B型肝炎の 再活性化(de novo B型肝炎)に注意する

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

0 件のコメント

コメントするにはログインしてください >

くるとん@消化器内科さんの他の投稿スライド

血便です!アプローチは?コンサルテーションシリーズ

#血便 #消化器内科 #下部消化管出血

383

44,881

最終更新:2022年1月17日

知られざる産業医研修会の世界

#嘱託産業医 #専属産業医 #産業医研修会

95

64,041

最終更新:2022年12月27日

継承開業1年目のイロハ 〜開業準備編 前編〜

#大学院 #継承開業 #クリニック移転 #クリニック

70

13,729

最終更新:2023年5月9日

もっと見る



診療科ごとのスライド

内科(539)

消化器内科(69)

循環器内科(91)

呼吸器内科(135)

血液内科(37)

糖尿病内分泌代謝内科(69)

腎臓内科(51)

アレ膠リウマチ内科(51)

脳神経内科(115)

総合診療科(234)

救急科(433)

外科(39)

消化器外科(4)

呼吸器外科(38)

乳腺外科(0)

整形外科(92)

脳神経外科(23)

泌尿器科(25)

形成外科(24)

皮膚科(35)

眼科(19)

耳鼻咽喉科(14)

歯科口腔外科(9)

リハビリテーション科(12)

心臓血管外科(8)

小児科(66)

産婦人科(52)

精神科(73)

放射線科(88)

麻酔科(14)

緩和ケア科(29)

感染症科(236)

産業医(9)

初期研修医(533)

医学生(65)

その他(368)


Antaa Slide Post Banner
今すぐ投稿
Antaa Slide Post Banner今すぐ投稿

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

投稿者インタビュー
Antaa QA

医師同士の質問解決プラットフォーム

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.

Follow us on Facebook
Follow us on Twitter